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「私が子どもを叱ると、夫が甘やかす…。」子どもを叱るときの“夫婦それぞれの役目”とは

saita

「私が子どもを叱ると、夫が甘やかす…。」子どもを叱るときの“夫婦それぞれの役目”とは

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもを叱ったとき、夫(妻)が見て見ぬふりをしたり、子どもを中途半端に甘やかす姿を見ると、余計イライラしてくるなんてときありませんか? 親が子どもを叱ったとき、もう一方の親はどのように関わるのがよいのでしょうか。子どもの支えとなる関わり方について考えていきます。

自分が子どもを叱ったあと、夫(妻)にどうしてほしい?

子どもに対する教育、説教については家族それぞれの形があるでしょう。母親が強く叱るのが多い家庭もあれば、基本的には父親が叱る家庭もありますよね。

では片方の親が子どもを叱ったあと、もう片方はどのように接するのが望ましいのでしょうか。

私がお母さんとの面接をしているとき、よくこのような意見をうかがいます。

・私から叱るだけでは娘は言うことを聞かないのでパパからも言ってほしい

・一緒になって怒っても意味がないし、フォローに回ってほしい

・いつも叱る私ばかりが悪者になっているようで嫌だ

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もちろん、時と場合によりますし、夫婦それぞれの性格も考慮すべきですが、どんな関わりがあると子どもにとってよい影響を与えていけるのでしょうか。

子どもを叱ったとき、もう一方の親はどうすべき?

子どもの逃げ場所になる

悲しい、悔しい、嫌だ、など感情的になっていると叱られた内容も頭に入りにくいもの。
親が叱ったとき、その場では「ごめんなさい」と泣きながら謝ったり、少しすねたりしても、のちに同じことを繰り返すのはあるあるです。

感情的になっているときは大事なことを伝えるのを一旦止め、まずは冷静になるのが大切。

もう一方の親が子どもの逃げ場となり、見守ってくれていると安心して振り返りやすくなります。

子どもの理解を確認する

何があったのか、なぜ叱られたのか。子どもにうまく伝わらず、親が伝えたかった内容と子どもの理解が異なるときも多いよう。

例えば、

・”食べ物を落として片づけなかったこと”を叱っていたのに、子どもは”食べ物を落としたこと”が悪かったと思っている。

・宿題をやらずにゲームばかりしているから叱っていたのに、”ゲームをやるな”と言われていると思い、拗ねてしまっている。

このように、親が伝えたい内容が十分伝わりきっていないときも意外と多いもの。子どもがどう理解しているのかを確認する役割も必要なんですね。

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叱られたことを反省する手助けをする

何度も同じ内容で叱ったとき、この年齢であればわかるだろうと思って叱るとき、「自分で考えなさい」と伝える方は多いでしょう。

しかし子どもだけの力では答えが出せないときもあります。そんなとき、もう一方の親が反省する手助けをしてくれるとありがたいです。

叱られた理由に加え、二度同じ内容で叱られないためにはどうしたらよいか。今後同じような状況になったらどうするか。段階的に考えていけるとよいでしょう。

「夫婦間での矛盾」はできる限り減らしていこう

多くの家庭であるのが、「ママは許してくれないけど、パパは許してくれる」=「夫婦間での矛盾」夫婦といえども元は他人ですし、家庭のルールや方針をすべて統一するのは困難です。

しかし子どもに育ってほしい力や根付いてほしい癖があるとき、「夫婦間での矛盾」は成長を阻害します。

・ご飯の前にお菓子を食べるのを、ママは許してくれないけどパパは何も言わないから、状況を見てこっそり食べる。

・ゲームの時間について、パパは厳しいから休日は我慢しているけど、平日パパの帰りが遅いときは制限なく遊べる。

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なぜゲームの制限時間を設けるのか、なぜ夕飯前にお菓子を食べてほしくないのか。両親の対応が異なっていると、いくら叱られてもルールが習慣づきにくく、「ママ(パパ)が不機嫌にならない術」しか身に付きません。

まずは夫または妻が子育てにおいて何を重視しているのかを知り、重要なところは夫婦で足並みを揃えて子どもにメッセージを伝えていけるといいですよね。

yuko/臨床心理士・公認心理師

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