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群雄割拠なエジプトには創世神話が4つもある!?【眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々】

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群雄割拠なエジプトには創世神話が4つもある!?【眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々】

エジプト神話|4つあるエジプトの創世神話

4つの地域を中心に、たくさんの神々が交錯

エジプト神話の特徴は、定まったひとつの創世記がないことです。これには、エジプトとしてくくられる地域の範囲が広かったこと、群雄割拠で支配者が次々と変わったことなど、いくつかの原因が考えられます。

支配者たちが民の忠誠を得るために、自分たちの都合のよい形に創世記や神の成り立ちを語り継いだという事情も関係しています。

敗北した側が崇拝する神を排除するのではなく、勝者の神の世界に取り入れてきたため、複合神が生まれ、神話がより複雑になり、伝わってきました。

創世神話もヘリオポリス神話、ヘルモポリス神話、メンフィス神話、テーベ神話と主に4つ存在し、主神も違います。ただ、何もない「ヌン」という混沌から世界がはじまったという点は共通です。

ヘリオポリス創世神話では、太陽神が自らの意志でヌンから生まれて原初の丘を創造。そこに大気の神と湿気の神が生み出されて結婚し、子孫の神々が生まれました。

ヘルモポリス神話でヌンから生まれる神は、4体のオスの蛙と4体のメスの蛇です。

こうしてさまざまな世界のはじまりが語り継がれますが、やがて太陽神アモン・ラーが絶対の神になっていきます。

4 神話の主神:ヘリオポリス神話では太陽神アトゥム。ヘルモポリス神話では知恵の神トト。メンフィス神話では創造神プタハ。テーベ神話では戦の神モントゥか太陽神アモン。

エジプトに伝わる4つの創世神話

① ヘリオポリス神話

中心地:現カイロ付近
主神:太陽神アトゥム
内容:混沌の海ヌンから生まれた創造神アトゥムを中心に世界が創られていく。

② ヘルモポリス神話

中心地:現エル=アシュムネイン
主神:知恵の神トト
内容:ヌンから8神が誕生。その8 神の見張り役がトト。

③ メンフィス神話

中心地:現ミトラヒナ
主神:創造神プタハ

内容:太陽神とは別の神プタハを信仰し、この神により世界のすべてを創造した。

④ テーベ神話

中心地:現ルクソール
主神:戦いの神アモン、太陽神アメン
内容:アモンが別の太陽神ラーと結合しアモン・ラーとなり、すべての創造神を取り入れ最高神になる。

世界を支え合う神々(ヘリオポリス神話)

シュー

創造神アトゥムから生まれた大気の神。ヌトとゲブの父でもあり、この2柱の神を引き離し、生命の生きられる空間を創出。

ヌト

天空の女神。この女神の体は天空で、昼間は太陽の通り道、夜は星が輝く。ゲブがヌトの手を離さないため、手足が伸びてしまった。

ゲブ

シューと湿気の女神テフヌトの間に生まれた大地の神。妹のヌトと結婚するも、離れようとしないのでシューによって引き離された。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介

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