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”わたしだけの幸せ”を見つめる。40代からの「幸せの感度」の高め方

saita

”わたしだけの幸せ”を見つめる。40代からの「幸せの感度」の高め方

20代、30代のころと、40代の今では自分が感じている「幸せ」の姿はちょっと違っているかもしれません。 「あの人は幸せそう」「うらやましい」と他人との比較で苦しくなることもあるかもしれませんが、大人になった今は”わたしだけの幸せ”とは何かを、見つめてみてもいいかもしれません。

幸せの姿は、年齢とともに変わっていく

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がむしゃらに未来に向かって進みたかった20代。まだ手にしていない何かが欲しくてたまらなかった30代。だけど、ふと振り返れば意外と多くの何かを手にしていることに気がつく40代。

僕は自分の人生を思い返してみると、そんな気がしています。もちろん、まだまだ手にしたい未来はあるし、夢や野望(?)だってある。それらを諦めたってことではありませんが、自分がじつは多くの幸せをすでに手にしているんだってことに目を向けてもいい年齢になってきたのだと感じます。

いまは、SNSで色んな人の様々な人生を目の当たりにしてしまいます。

絵に描いたような「THE 幸せ!」を体現しているような投稿もあれば、あれよあれよという間に人生がどん底にまで苦しい状態になっていくような人の姿も目にします。

そして、そんな両極端なSNSの投稿には出てこない、「映えない幸せ」の中にいる人も、たくさんたくさんいるのです。

幸せは「状態」じゃなく「感じる力」

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若い頃は、幸せとは「状態」のことだと錯覚していました。お金がたくさんある、素敵なパートナーに恵まれる、仕事がものすごくうまくいく。そうした「幸せの条件」みたいなものが揃えば、その分だけ幸せになるのだと。

ですが、歳を経ると気が付きます。そうした幸せの条件をちょっと手にしたときも、その瞬間は嬉しいけれど、永続的に「幸せ」かといえば、そうでもないことに。そして、家族で楽しくご飯を食べているときとか、特別にいいこともないけど、嫌なことがまったくない日に、心の奥底からじわじわと幸せを感じたりできることに。

「幸せ」とは状態のことじゃない。
お金持ちが幸せとは限らないし、SNSで幸せそうな投稿をしている人が、本当に幸せだなんて他人には知る由もない。仕事の成功の裏で、家族との不仲で苦しんでいるかもしれないし、華やかな人生の裏で、満たされない孤独感に苛まれているかもしれません。

もう、僕達は表面的な幸せが、本当の幸せなわけじゃないということは十分に知っている。

では、どうすれば見過ごしがちな自分の「幸せ」を敏感にとらえることができるようになるのでしょうか。

TODOリストより「ライフログ」

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1日の中で多くのことをこなせると達成感があります。仕事もできて、本も読めて、家事もやれて、子どもの相手もできたと。一方でやり残しがたくさんあると「何もできなかった」と自分を責めてしまいます。こうして「できなかったこと」を思い浮かべて自分を責めるほど、それがたとえ些細なことであったとしても「幸せ」という気持ちからどんどん遠ざかっていってしまいます。

ですが、どんな人であってもじつは1日の中で多くのことを達成しているのです。あまりにも当たり前にやっているせいで、見落としがちですが、習慣として何気なくやっていることにちゃんと気がつくことが、自責を感じなくなる一丁目一番地。

やりたいことリスト、TODOリストなどを使っている人は多いでしょう。
ですが、これらのリストは「やったらリストから消える。そしてやれていないことだけがリストに残る」という仕組みになっています。

順調にタスクを消し込めている人にとってはやりがいになりますが、いつまでも消えないリストが目の前にあると、なんだか「あれも、これもできてないね」と責められているような気持ちになりませんか。

そこでお勧めなのがライフログです。ライフログとは、その名の通り、やったことを記録していくものです。つまり、できなかったことじゃなくて「できたこと」が積み上がっていきます。取り方は紙の手帳でも、ライフログアプリでも、使いやすいものでいいでしょう。

そして、一日の終りにこのライフログを見返してみる。そうすると、自分が様々なことを達成しながら一日を過ごしているのだということに気が付きます。まさに「いまここ」に集中する感覚です。

今の自分を認めてあげるところからはじめよう

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40代になって、仕事や子育てに毎日追われていると、自分の幸せってなんだっけ? と見失ってしまうこともあります。そんなときに、新しい何かを欲するのもいいですが、自分が一生懸命過ごしている毎日を、自分がちゃんと認めてあげるところからはじめてみるのもいいと思います。

僕自身、ライフログを元に仕事や家事育児をするようになってから自責の気持ちがなくなってきているのを感じます。

幸せの感度を高めるライフログ。とてもお勧めです。

三木智有/家事シェア研究家

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