見落としたくない隠れたサイン?!子どもの気になる様子にどう対応する?【心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話】
まずは子どもの「サイン」に気づこう
日々の暮らしの中で子どもたちが時折見せる「ちょっとした違和感」や「独特な言動」に気づいたことはありませんか? たとえば感情の起伏が乏しい(激しい)、あまり目を合わせようとしない、特定のオモチャや衣服に強いこだわりがあるなど。日頃からよく注意していないと見落としてしまいがちなこうした様子や行動のなかにも、発達障害のサインが隠れていることは意外と多いのです。特に初めてのお子さんの場合、比較対象となる子どもが身近にいないと、入園・入学のタイミングまで気がつかないことも多いと言われています。次回は発達障害を持つ子どもたちに多く見られる様子や言動と、そうした状況に遭遇したときの関わり方な
どを紹介しています。
発達障害の有無に関わらず、ほとんどの子どもたちは自分の状態や気持ちを言葉で表現することが上手ではありません。なかには不安や困りごとを隠そうとする子もいます。大人から見てちょっと気になる違和感や言動は、じつは子どもなりのサインということもあるのです。そのサインを見逃さずに理解を示して寄り添うことが不安や生きづらさを和らげる最初の一歩へとつながります。
なお、本書では便宜上、発達障害に多く見られる様子や行動を3つの診断名(自閉スペクトラム症/注意欠如・多動症/限局性学習症)で分類していますが、これらは言動から診断名を断定、あるいは類推するものではありません。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修:湯汲英史(ゆくみえいし) 日本文芸社刊
監修者プロフィール
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、早稲田大学非常勤講師、練馬区保育園巡回指導員などを務める。 著書に『0歳~6歳 子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(学研プラス)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方 ―話す前から一・二語文まで― 』(明石書店)など多数。