【秦野市】新東名高速道路 高松トンネル工事難航で全線開通1年以上の遅れ
中日本高速道路(株)(NEXCO中日本)が11月5日、新東名高速道路の全線開通時期が予定していた2027年度から1年以上遅延する見込みであることを発表した。開通時期は「今後、工程精査を進め、高松トンネル完成の見通しが立った段階で改めて公表する」としている。
新東名は、海老名市門沢橋にある海老名南ジャンクション(JCT)から愛知県豊田市岩倉町の豊田東JCTまで、約253Kmを結ぶ高速道路。2012年の御殿場JCT-浜松いなさJCT開通を皮切りに、各インターチェンジ(IC)やJCTが順次開通。22年4月16日の新秦野ICと秦野丹沢スマートIC開通に伴い、全線開通は新秦野IC-新御殿場ICの約25Km区間を残すのみとなっていた。
今回の延期は、11月4日のE1A新東名高速道路(海老名南JCT〜御殿場JCT)連絡調整会議(第7回)開催結果として発表された。
脆弱な地山の断続的な出現、トンネル内空断面の変形、24年9月の突発湧水発生など工事が難航している高松トンネルで追加実施したボーリング調査の結果、今後の掘削においても同様の現象が想定されると判明。残り700mほどの未掘進区間を、有識者に相談しながら適切な対策を行い月50m程度と順調に進み貫通したとしても少なくとも1年以上の時間を要し、その後トンネル覆工や舗装・設備工事も必要であると報告された。
NEXCO中日本では「引き続き安全を最優先に工事の進捗を図りながら工程短縮に努め、1日も早い開通を目指す」としている。
新東名は当初、20年の全線開通を予定していたが、23年度に延期に。その後、中日本高速道路(株)東京支社秦野工事事務所管轄の新秦野ICから県境(山北町)の間で工事を進めていた高松トンネルで脆弱な地山や断層破砕帯が確認され、27年度開通に再度延期となっていた。