東京都「小金井市」での子育て体験談。子育て支援情報や子育てにおすすめのエリアを紹介
東京都小金井市は、東京都のほぼ中央、都心から約25キロメートル西に位置しています。多磨エリアに属し、豊かな自然環境と都心からのアクセスのよさが特徴的な街です。
私は、約5年前に小金井市に引越し、現在は家族とともに自然に囲まれて穏やかに暮らしています。本記事では、私自身の体験を交えながら、小金井市の子育て支援情報や住環境、子育て世帯におすすめのスポットやエリアを紹介します。
子育てを念頭に住居地を探している方や、豊かな自然と利便性の両立が叶う住環境を求めている方の参考になれば幸いです。
小金井市での子育て
小金井市の概要や子育ての地として選んだ理由について紹介します。
小金井市の概要
小金井市は、東京都のほぼ中央に位置し、武蔵野台地の南西部、都心から約25キロメートル西にあります。JR中央本線が市内を横断していて、新宿までは約30分、東京駅までは約40分で、乗り換えをせずにアクセスできます。現在は、12万5,000人以上の人が暮らし、近年の人口は増加傾向です。駅前の再開発事業も後押しとなり、これからの発展が期待されています。
一方で、緑の豊かな自然環境がそのままの形で多く残されているところも魅力的です。市内には、多くの大学や研究施設が集まり、子育て世帯にとって過ごしやすい環境が整っています。
わが家が子育て環境に小金井市を選んだワケ
私たち家族が小金井市を住居地に選んだ理由はいくつかあり、決め手になったのは、「豊かな自然環境」「都心へのアクセスのよさ」「多様な教育環境」の3つです。
子育て環境に小金井市を選んだワケ(1)豊かな自然環境
小金井市を訪れると、自然の豊かさに「ここは本当に東京?」と驚く人もいるでしょう。武蔵小金井駅前などは都市開発が進んでいて商業施設が多いため、一見賑やかな印象です。
しかし、駅から少し離れた場所にある緑の豊かな自然公園には、川底が見えるほど澄んだ川が流れています。この公園は人の手によって整備されているというより、「自然をそのままの姿で残している」という印象が強く、タヌキなどの野生動物に遭遇したこともあります。私は、このように自然の身近な環境での育児が、子どもの豊かな人間性につながると感じました。子育て環境に小金井市を選んだワケ(2)都心へのアクセスのよさ
東小金井市は、中央本線沿線ということもあり、新宿まで約30分、東京駅まで約40分というアクセスのよさが魅力です。
私は在宅で働いていますが、夫の通勤を考えると、このバランスは大きな安心材料です。将来娘が成長したときには一緒に買い物を楽しみたいので、吉祥寺や立川などの大型商業施設が多い駅にアクセスしやすいことも魅力に感じました。子育て環境に小金井市を選んだワケ(3)多彩な教育環境
小金井市や周辺地域には、東京農工大学・ICU(国際基督教大学)・東京外国語大学・武蔵野美術大学・東京学芸大学など、幅広い教育方針を持つ個性の豊かな教育機関がそろっています。
将来、子どもが何に興味を持つのか分かりませんが、多様な選択肢がある環境にいることは大きなメリットです。中にはキャンパスを近隣の住人に向けて開放している学校もあり、私は何度か娘を連れて遊びに行っています。
広大なキャンパスの敷地でのびのびと遊びながら、娘の将来に思いを馳せる時間は幸せなものです。
実際どう?小金井市の子育て
私は現在、小金井市内で夫と2歳を迎える娘、2匹の猫と一緒に暮らしています。約1年前に、出産を機に会社を退職しました。現在はフリーランスとして、育児と仕事の両立に悪戦苦闘しながらも小金井市の育児環境や子育て支援に助けられ、子どもとの時間を大切に過ごしています。
ここでは、小金井市の子育て事情や小金井市独自の子育て支援について紹介します。
数字で見る小金井市の子育て事情
小金井市の現在の人口は、12万5,000人以上で、ここ10年ほど増加傾向が続いています。現在、小金井市の年少人口(0~14歳)は約1万5,000人です(2025年7月時点)。
小金井市の保育施設数は以下のとおりです。(2024年9月18日時点)
認可保育所44園(私立39園+公立5園)
認定こども園1園
特定地域型保育事業所 7カ所
2025年4月時点での待機児童数は6人で、去年よりも6人増加しています。私はフリーランスのため、会社員の方々よりも保活の指数が低く、未だに娘は保育園に入園できていません。
しかし、小金井市の多くの園では、一時的に保育を必要とする親のために一時保育を受けいれています。私も現在は一時保育の定期利用を使いながら、週3~4日の仕事時間を確保しています。仕事に集中するためには一刻も早く娘を保育園に入園させたいのですが、入園以外の選択肢で働ける環境を整えられたので助かりました。
小金井市の子育て支援情報
小金井市の子育て支援情報のうち、独自性の高いものを5つ紹介します。支援内容は常に変動するため、最新情報は小金井市の公式サイトで確認してください。
小金井市の子育て支援情報(1)出産応援ギフト、子育て応援ギフト、ファーストバースデーサポート事業
小金井市では妊婦や子育て家庭に対して電子ギフトや支援を提供しています。
出産応援ギフト・子育て応援ギフト
「妊婦面談」を受けた妊婦1人あたりに「出産応援ギフト」、「新生児訪問」を受けた世帯の子ども1人あたりに「子育て応援ギフト」が支給されます。 各5万円相当、合計10万円相当の育児用品や子育て支援サービスなどを選べる電子ギフトカードです。選べるギフトの種類は幅広く、わが家はベビーカーやミルクを作るときに便利な電気ケトルを選択しました。出産前にカタログを見ながら「こんなものが必要になるんだね」と、夫婦で話し合ったのもよい思い出です。
ファーストバースデーサポート事業
小金井市内在住の1歳を迎えるお子さんがいる家庭の子育てを応援するために、1歳の誕生日を迎えた市内在住の世帯に向けた電子ギフトが提供されます。ギフトの相当金額は第1子が6万円、第2子が7万円、第3子以降が8万円です。選べるギフト内容は幅広く、私はなかなか決められませんでした。結局わが家は同額の電子マネーと引き換え、娘の1歳の誕生日プレゼントを選ぶために、一部を使用しました。
小金井市の子育て支援情報(2)子どもの医療費助成
小金井市では、子どもの保健の向上と健やかな育成を図り、子育て支援に役立てることを目的として、0歳から高校生相当年齢の子どもに対する医療費助成が実施されています。子どもが医療機関等で診療を受けた医療費のうち、保険診療の自己負担分3割が助成される制度です。本制度により、実質自己負担額0円で子どもの医療を受けられます。
私は出産前に子どもの医療費助成については何となく聞いたことがあったものの、自己負担額が0円になるとは知りませんでした。もうすぐ2歳となる娘は、体調不良・肌トラブル・怪我などで、頻繁に医療機関にお世話になっています。本制度では、診療費だけでなく薬代も無料になります。子どもが心配で自分にも精神的負荷がかかるときに、医療費の心配をしなくて済むのはとてもありがたいです。
なお、受給者と認定されるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。詳細はホームページなどで確認しましょう。
1.子どもが小金井市に住んでいること(子どもが小金井市に住所があれば、保護者が小金井市に住所がなくても対象となります)
2.子どもが国内の医療保険(健康保険)に加入していること
3.保護者(申請者と配偶者)の住民税の課税状況と所得を証明できること
4.子どもが他の公費による医療保障(生活保護・施設入所・里親・ひとり親医療制度など)を受けていないこと小金井市の子育て支援情報(3)児童館子育て支援事業「子育てひろば」
小金井市内には、0歳児から使える児童館が市内に4ヶ所、子育てひろばが2ヶ所あります。各児童館には、子どもが楽しく遊べるおもちゃや遊具が用意された部屋や園庭が備えられており、のびのびとした環境で子どもを遊ばせることが可能です。
また、おはなし会や離乳食教室などの子どもと親が楽しめるイベントも多く実施されています。職員の方が必ずいらっしゃるので、複数の大人の目で子どもを見守れる安心感が魅力です。
私は子育てを始めた頃に、子どもの成長に関する不安に悩まされました。もちろん、子どもの成長に個人差があることは理解していました。しかし、「まだつかまり立ちをしていないけど大丈夫かな?」「離乳食をまったく食べてくれないけれど、これって普通?」などの不安が常に生じ、ときには育児で寝不足なのにもかかわらず、夜中までスマホと睨めっこしていたこともあります。
児童館へ行くと、職員の方々や近い月齢の子どもとそのご両親にお会いできる機会が多いので、相談や悩みの共有ができました。どのような悩みも、「うちの子も同じでしたよ」と共感してくださる方がいて、安心したのを今でも覚えています。
子育ては孤独感との闘いでもあるので、こうした他者と関わる機会を持てる児童館や子育てひろばの充実は、育児環境を選ぶうえで重要なポイントだと思います。小金井市の子育て支援情報(4)ファミリー・サポート・センター
小金井市は、子育て支援事業の一環としてファミリー・サポート・センター事業に取り組んでいます。ファミリー・サポート・センターは、子育ての手助けをしてほしい方(依頼会員)とお手伝いをしたい方(協力会員)の会員組織で、地域の中で相互に助け合いながら子育てをする、有償のボランティア活動です。依頼会員は、子どもの送迎や預かりなどを依頼できます。
本取り組みの最大の特徴は、依頼会員と協力会員が同じ地域の住民なので、地域内の関係構築につながるという点だと思います。私は実際に依頼会員として利用した協力会員の方は、自分の家の近所に住む方でした。自分の娘を一緒に見守ってくださる方が近くにいらっしゃるのは、娘にとってもいいつながりになっているように思います。
利用料金は1時間あたり700~900円と、利用しやすい料金です。協力会員の方は、「子育てを支援したい」という意識の高い方が多く、安心して娘を預けられました。小金井市の子育て支援情報(5)放課後子ども教室
放課後の子どもたちの安全・安心な居場所づくりを目的として、小金井市では市立小学校の校庭や教室などで、「放課後子ども教室」の推進事業を行っています。校庭あそび・工作教室・国際交流など、幅広いアクティビティが企画されていて、主に保護者や地域の方々がボランティアとして活動に参加しながら、子どもの見守りや指導をしています。
私の娘はもうすぐ2歳になるので、通学が始まるのはもう少し先ですが、放課後の預け先にさまざまな選択肢があるので今から心強いです。
小金井市での子育て体験談
小金井市で子育て中の私が感じる小金井市での育児の魅力を、体験談を交えて3つ紹介します。
小金井市で子育てをする魅力
魅力(1)落ち着いた街並み
私は独身時代に、小金井市近くの中央線の沿線に住んでいました。当時はどちらかというと「賑やか」な印象を持っていました。しかし、同じ中央線でも小金井には静かな住宅街が多く、夜は静かで落ち着いています。子どもと安心して散歩ができるのは、子育ての大切なポイントだと思います。
魅力(2)豊かな自然体験
自然体験のバラエティーの豊かさも魅力の1つです。私が驚いたのは、夏に家から徒歩数分ほどの場所で蛍を見られたことです。生息環境に敏感な蛍の観察がこれほど身近な体験になるとは思ってもいませんでした。春には桑の実を集めてジャムを作り、秋は紅葉に囲まれてピクニックをするなど、私たち夫婦は娘と一緒に、季節の移り変わりを新鮮な気持ちで楽しんでいます。
魅力(3)人の温かさと適当な距離感
小金井市で子育てしていると、人の温かさを実感することが多いです。私の場合、実家が遠方のため、夫と二人体制で臨む初めての子育てに、最初はとても緊張していました。しかし、子育てを実際に始めると、子育てひろばで出会う保育士の方々やファミリーサポートの協力会員さんなど、「子育てを手伝いたい」という意識を持つ方々が多く、「頼っていい」という雰囲気に勇気づけられました。
一方で、必要以上の干渉もなく、程よい距離感が保たれていると感じるのも嬉しいポイントです。「見守られている」という安心感が、都会と地方のよさを併せ持つ心地よさにつながっていると感じています。
小金井市の子育て環境
自然が豊かでのんびりとした空気が漂う小金井市には、子育て世帯がリフレッシュできるスポットが数多くあります。その中で、私が実際に訪れてよかったと感じた場所を4つご紹介します。
小金井市の子育て環境(1)小金井公園
都立公園の中でも有数の広さを誇る「小金井公園」は、まさにファミリーの聖地です。広大な芝生エリア、大型遊具・サイクリングコース・四季折々の花々と、1日中いても飽きません。イベントが行われることも多く、歩道も整備されているのでベビーカーでも気軽に訪れることができます。
施設名:小金井公園
所在地:東京都小金井市桜町三丁目、関野町一・二丁目、小平市花小金井南町三丁目、西東京市向台町六丁目、武蔵野市桜堤三丁目小金井市の子育て環境(2)野川周辺
小金井市を流れる野川の周辺には緑道が整備されていて、自然とふれあいながら散策できます。野川公園や武蔵野公園といった大規模な公園と一体的に整備されていて、自然のままの姿が残されています。春~夏には、蛍の観察や桑の実を摘んでジャムにするなどの貴重な自然体験を楽しめました。
小金井市の子育て環境(3)栗山公園
武蔵小金井駅から徒歩圏にある栗山公園は、広さはコンパクトですが遊具が充実していて、小さな子どもがのびのびと遊べる環境が整っています。公園内には市が運営する「栗山公園健康運動センター」が併設されていて、スイミングやトレーニング室が一般開放されています。私は娘と一緒に、親子ヨガに何度か参加しました。
施設名:栗山公園
所在地:東京都小金井市中町二丁目21番小金井市の子育て環境(4) パン屋 キィニョン 武蔵小金井ののみち店
小金井市には素敵なカフェやパン屋さんが充実しています。子育て世帯には、武蔵小金井駅から徒歩8分ほどの距離にある、「パン屋 キィニョン 武蔵小金井ののみち店」をおすすめします。生クリームを使用したしっとり食感のスコーンが有名で、提供されているパンはどれも美味しいです。
子育て世帯におすすめしたい理由は、店内が広くてベビーカーで入店でき、本棚には子ども向けの絵本がたくさん並べられていて、ソファー席や子ども用の椅子が用意されているからです。
絵本の読み聞かせや、わらべうたなど、小さい子どもを対象としたイベントも定期的に開催されています。子どもが小さいうちは静かでおしゃれなカフェを避けがちですが、キィニョンは「子連れ歓迎」を掲げているので、子連れでも美味しいパンとコーヒーをゆっくり楽しめると思います。
【パン屋 キィニョン 武蔵小金井ののみち店 (Quignon)】
所在地: 東京都小金井市緑町5-3-45
営業時間:8:00〜19:00
定休日:年末年始
小金井市の住まい事情
小金井市は、都心部へのアクセスがよい中央線沿線に広がる街です。実際に住むとなると、どれくらいの家賃なのかを調べてみました。
ファミリー向けの2LDKの家賃相場で比較してみると、近隣の三鷹市は20.09万円、武蔵野市は23.88万円に対して小金井市は19.12万円でした。都心エリアにアクセスしやすい位置にありながら、比較的控えめな家賃相場は魅力の1つです。
不動産・住宅情報サイトのLIFULL HOME'Sに掲載されている物件情報では、ファミリー向けの2LDK〜3LDKの物件が豊富でした。近年は駅前の開発が進んでいるため、新築物件が増加しているように感じます。
子育て世帯におすすめのエリア
小金井市の中でも、特に子育て世帯に人気の高いエリアを3つに分けてご紹介します。
小金井市の子育て世帯におすすめエリア(1)武蔵小金井駅周辺
小金井市の中心的な駅で、快速停車駅でもある武蔵小金井駅には、駅直結の「nonowa」や駅からすぐの「イトーヨーカドー」、「SOCOLA」などの商業施設が多く並んでいます。日用品から子ども服までそろっていて、雨の日でも濡れずに買い物ができる便利さが魅力です。
小金井市の子育て世帯におすすめエリア(2)東小金井駅周辺
少し落ち着いた雰囲気の東小金井駅周辺は、高架下に個性的な飲食店やクリエイティブな雰囲気の雑貨店が並んでいます。また、東小金井駅から徒歩圏内には公園も多いです。落ち着いている環境の中に、どこかのびのびとしていて自由な雰囲気があるので、子育てにもいい影響を与えてくれそうです。
小金井市の子育て世帯におすすめエリア(3)野川・小金井公園周辺
自然環境を重視したい家庭におすすめなのが、野川や小金井公園の周辺のエリアです。どちらも最寄りの駅からは少し離れていますが、木々に囲まれた静かな住宅街が広がっていて、朝は小鳥の声で目覚めるような環境が日常にあります。子どもを毎日自然の中で遊ばせたい、車通りが少ない場所で安心して子育てしたいというニーズに応えてくれる地域です。
小金井市は、子育て世帯が暮らしやすい自然が豊富で子育て支援も充実した街
私は、小金井市での生活を始めた当初、豊かな自然や多彩な教育環境など、子ども中心の理由で住む街を選びました。実際に子育てを始めると、私自身がこの街に人のつながりから感じる温かさや居心地のよさを感じることが多く、自分のためにも小金井市での生活はよい選択だったと思います。
また、この街で暮らしていると、私たちのような子育て世帯のみならず、近隣の学校に通う学生や高齢者世帯の方々も多く見かけます。豊かな自然と利便性がそろう住環境、落ち着いている街並み、人とのつながりから感じる温かみはどの世帯にとっても過ごしやすい、魅力的な環境なのでしょう。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。