愛猫の『介護』を始めたほうがいいのはいつ?逃したくない4つのタイミング
1.シニア期を迎えた年齢のとき
猫のシニア期は、猫種によって異なりますが、一般的に9~10歳頃から始まるとされています。年齢を重ねシニア期に突入すると、猫の体力が落ち、運動量が減るなど、これまでと違う変化が見られるようになります。
目立つサインとしては、以下のような症状が挙げられます。
✔毛艶がなくなる
✔高いところに登らなくなる
✔寝ている時間が増える
✔視力や聴力が落ちる
✔食欲が落ちる
こうしたサインが見られるタイミングで猫の生活環境を見直し、無理なく過ごせるように介護の準備を始めることが大切です。
2.持病を抱えるようになったタイミング
人間同様、猫も年齢を重ねると、腎臓病や関節炎、尿路疾患など何かしらの持病を抱えやすくなります。
こうした病気は初期段階では気づきにくいものの、食欲低下や体重減少、体力の低下などの症状が見られることがあります。
持病の管理が必要になったら、それに合わせた食事やトイレなどの環境を整えるといった介護の準備を始めるのがおすすめ。
また、病気の進行を遅らせる、もしくは早期発見および治療するためにも定期的な猫の健康診断を心がけることも重要です。
猫は警戒心の強い子や繊細な子も多く、動物病院を受診する習慣があまりない場合もありすが、持病の管理や状況の変化を把握するためにも動物病院に行くことを慣らすことや、信頼のできるかかりつけの先生を見つけることはとても大切です。
3.じっとする時間が増えたタイミング
以前はおもちゃを追いかけたり、部屋の中を走り回っていたのに、最近はあまり動かず、寝てばかりいると感じることはありませんか?実はこれも介護が必要になり始めてきたサイン。
シニア猫ともなると体力の低下に伴い、活発に遊ぶことが減り、静かに過ごす時間が増えます。猫によっては、筋力低下や関節の衰えによって動きにくくなっている可能性もあるでしょう。
このタイミングに、猫が無理なく動ける環境を整えることが大切です。トイレ近くにスロープなど用意したり、高さがあり首を下げずに済む食器に変えるなど猫の負担を少なくしてあげましょう。
高さのある遊具などは落ちてけがをするきっかけになってしまう危険性もあります。遊具の見直しなどを検討した方が良いでしょう。
4.トイレの失敗が増えてきたとき
今まで問題なくトイレを使っていた猫が、粗相をするようになったら要注意。加齢による筋力の低下や病気などによる関節の痛みなどで、トイレまで移動するのが難しくなっている可能性があります。排尿量や排泄物の質の変化で排泄コントロールがしにくくなっている場合もあります。
腎臓病や膀胱炎などの病気が原因でトイレの失敗が増えている疑いもあるため、まずは動物病院で健康チェックを受けることをおすすめします。
また、具体的な介護としてはトイレの入口の高さを低くしたり、猫が移動しやすい位置にトイレを増やしたりすることで、負担軽減が期待できます。
まとめ
介護を始めるタイミングは、猫によって異なります。シニア期に入ったり、持病を抱えたりしたときはもちろん、遊ばなくなったり、トイレの失敗が増えたりしたときも、何かしらのサインと考えられるでしょう。
大切なのは、老化の変化を見逃さず猫が年老いても快適に過ごせる環境を整え、少しでも負担を減らしてあげること。今回の記事を参考に、愛猫に介護が必要かどうか、いつ検討し始めるべきかをチェックしてみてください。
(獣医師監修:葛野莉奈)