猫が『やらずにはいられない行為』4選 ガマンできない理由とともに解説
1.指を差し出すと必ずニオイをかぐ
猫は初対面の人や物に触れると、まず「ニオイ」で安全かどうかを判断します。飼い主が帰宅して靴やカバンを置くと、すぐにクンクンとチェックしに来るのも同じ理由です。
猫は嗅覚が人間の数十倍も鋭く、相手の状態や気分までも察知できるほど。食事の前にお皿を嗅いで安全か確認する、寝ている飼い主の顔や髪を嗅ぐといった行動もよく見られます。
また、猫の顔の前に指を差し出すと鼻先を近づけてにおいを嗅ぐのは、相手が安心できる存在かどうかを確かめる挨拶の一環。初めての猫と接するときに指を差し出すと、自然に信頼関係を築きやすくなるのもこのためです。
猫にとって「嗅覚で世界を知ること」は我慢できない本能なのです。
2.動くものに反応する
猫は狩猟本能が強く、動くものに対しては無意識に体が反応してしまいます。レーザーポインターの光を夢中で追いかけたり、テレビ画面に映る鳥や虫に向かってじゃれついたりするのもその一例です。
小さな虫や糸、揺れるおもちゃなどに素早く飛びつくのは、野生時代に獲物を捕らえる行動の名残。猫にとって「動くもの=獲物の可能性がある」と脳が瞬時に判断し、反射的に目や体が追いかけてしまいます。
若い猫ほど特に敏感ですが、高齢猫でも本能は薄れることなく続きます。飼い主としては、この性質をうまく利用して遊んであげることで、運動不足やストレス解消につながります。ただし、誤って危険な小物を飲み込まないよう注意が必要です。
3.狭い箱や袋に入りたがる
ダンボールを出すと必ず入り込む、通販で届いた箱を奪い合う、紙袋の中に頭から突っ込む…。これらは猫の「狭い場所=安心できる場所」という本能の表れです。
狭く囲まれた空間にいることで安心感を得られるだけでなく、体を壁に密着させることで体温を保ちやすくリラックスできるという理由もあります。さらに、箱や袋は「自分のテリトリー」としての役割を果たし、猫にとって心地よい居場所になるのです。
飼い主としては安全な箱やキャットハウスを用意してあげると、猫の安心感やストレス軽減につながります。ただし、スーパーの袋やビニール袋のように窒息や誤飲の危険があるものは避け、必ず見守りながら楽しませてあげることが大切です。
4.高い場所に登らずにはいられない
猫は高い場所を好んで登ります。冷蔵庫の上やタンスの上、カーテンレールの上など「こんなところまで!?」と驚くほどの高さに猫が登るのを目にしたことがある飼い主も多いでしょう。
高い所に登るのは野生時代に培われた習性で、周りを見渡して外敵や獲物をいち早く察知するための行動です。また、高い所は安全地帯であることから、多頭飼育の家庭では猫同士の距離を取るために「避難場所」として活用する姿も見られます。
猫にとって高い場所は単なる遊び場ではなく「特等席」であり、登る行為そのものが運動不足解消にもつながるため、安全に登れるキャットタワーや棚を用意し、落下の危険がないよう環境を整えてあげましょう。
まとめ
猫がやらずにはいられない行為には、本能や習性に根ざした理由があります。
指や物を嗅ぐのは安心と挨拶のため、動くものに飛びつくのは狩猟本能、箱に入るのは安全欲求、高い場所に登るのは縄張り意識と見張り本能。飼い主がその背景を理解すれば、単なる「イタズラ」ではなく「猫らしい行動」と受け入れられるようになるでしょう。
日常の仕草には猫の本音が隠されていることを知り、安全に楽しめる環境を整えることで、猫の本能を満たしつつ快適な暮らしが実現できます。愛猫の心や本能に寄り添った接し方をし、行動を受け入れながら快適な環境を整えていきましょう。