Yahoo! JAPAN

首すわりは何ヶ月頃?状態の確認方法や遅い原因、練習など【医師監修】

LITALICO発達ナビ

首すわりは何ヶ月頃?状態の確認方法や遅い原因、練習など【医師監修】

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

赤ちゃんの首がすわるのは何ヶ月?首すわりはどうやって分かる?首がすわる前にやってはいけないことなどについて解説

首すわりとは、赤ちゃんを縦抱きした際に首がぐらつかない状態のことです。赤ちゃんの運動発達の一部と言われています。

一般的には赤ちゃんの首がすわるのは生後3ヶ月頃からと言われていて、生後4ヶ月~5ヶ月で赤ちゃんの約90%は首がすわると言われています。

ただ、赤ちゃんによって首がすわるのが3ヶ月よりも早い、5ヶ月よりも遅いということもあります。

赤ちゃんの発達には個人差があり、早い子は生後2ヶ月程度で首がすわることもあります。実際に2ヶ月から3ヶ月の間で首がすわった赤ちゃんは11.7%いるという調査もあり、決して珍しくはありません。

首がすわる直前には、赤ちゃんが自ら首を動かして保護者を目で追う、うつぶせのときに自ら首を持ち上げようとする、などの前兆が見られることがあります。

赤ちゃんの首がすわっているか判断するには、以下の確認方法があります。

・仰向けの状態から両腕を引いて起こした際に、身体が45度になっても首が遅れずについてくる
・身体が90度になったときに軽くゆすっても首が安定している
・うつぶせになったときに自ら頭を持ち上げられる

確認方法はおおむね以上の通りですが、乳幼児健診などでは医師により細かい部分も見て判断されます。

また、首がすわる前の赤ちゃんは首がとても不安定です。後頭部を支えない縦抱きやおんぶなど首がぐらぐらするような抱き方はしないようにしましょう。

首すわりが遅い原因は?隠れた疾患はある?首すわりを促す方法など

多くの自治体で実施している3、4ヶ月児健診の際に、首がすわっておらず、もしかして疾患があるのではと心配な方もいるかもしれません。子どもの発達は個人差が大きいため、首すわりが遅いからといって過度に心配する必要はありません。ただ、中には原因として背景に疾患がある場合もあります。

以下にあげたような疾患がある場合、運動発達が遅れることがあるため、首すわりの遅さに影響している可能性があります。

・染色体異常
・脳性まひ(胎児期〜新生児期に受けた脳の損傷によるもの)
・脳の疾患
・脊髄の疾患
・筋肉の疾患
・先天性代謝異常症など

ただし、運動発達が遅れても、上記にあげたような疾患が診断されず、原因が明確とならないまま、後に運動発達が追いついてくることも多々あります。

赤ちゃんの首すわりを促すには、首を支えた状態の縦抱きを増やしたり、前傾姿勢の抱っこを増やしたりして首すわりに必要な筋肉の発達を促すようにするといいでしょう。また、うつぶせのときに頭の上におもちゃを持っていくなど、赤ちゃんが顔を上げる練習を取り入れていく方法もあります。

首すわりの練習をするときの注意点として、縦抱きをする際は赤ちゃんの頭の後ろに手を添えることや、うつぶせのときに赤ちゃんから目を離さないなどがあります。赤ちゃんの安全確保には充分気をつけるようにしましょう。

首すわりが遅いのは、知的障害(知的発達症)と関係がある?

上記に挙げた赤ちゃんの運動発達が遅れる疾患のうち、染色体異常や、脳の疾患、先天性代謝異常症などでは、知的障害(知的発達症)を合併することもあります。知的障害(知的発達症)とは、知的機能と社会的な適応能力に遅れが見られる障害のことです。

ですが、首すわりの時期だけで知的障害(知的発達症)と判断することはできません。言葉の遅れや非言語コミュニケーション(模倣や指差しなど)の遅れなど、気になる様子がある場合は、かかりつけの小児科などに相談してみるといいでしょう。

まとめ

一般的には生後3ヶ月から5ヶ月頃には赤ちゃんの首がすわると言われています。しかし、発達には個人差が大きく、早い子どもだと生後2ヶ月から首がすわるなど時期には違いがあります。

生後6ヶ月を過ぎても首がすわらなかったり、ほかにも発達で気になることがあったりする場合はかかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口、保健センターなどに相談してみるようにしましょう。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

【関連記事】

おすすめの記事