区民待望の文化センター ボッシュホール16日(日)、開館
都筑区民待望の区民文化センター「ボッシュホール」がいよいよ3月16日(日)に開館する。当日は午前10時から記念式典が行われるほか、午後5時からはこけら落とし公演として、都筑区出身のバイオリニスト・東亮汰さんのコンサートが開かれる。
300席のホール生徒も協力壁面画
都筑区民文化センター(中川中央1の9の33)は、センター北駅から徒歩約5分。地上4階、地下1階。高さ27・8m。鉄筋コンクリート造で一部鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造。
施設内容はホール、リハーサル室、ギャラリー、練習室(2室)会議室(2室)など。
同センターは「歴史と未来の融合(フュージョン)」コンセプトに掲げ、外観やホールのステージに掛かる緞帳、座席などに地層を模したデザインが施されている。
建物は、すぐ真横を市営地下鉄が走る立地だが、最新鋭の防音・防振設備で館外の騒音対策がなされている。
1階は一面大きなガラス張りで、外からも館内の活動の様子やにぎわいを見ることができる。
作品展示や個展などで利用できる約120平方メートルのギャラリーは、メイン、サブ両方の出入口の正面近くに位置しており、館内の催しの様子を外にも発信できる仕掛けになっている。
メインとなるホールの舞台の大きさは、13m×13mで市内の区民文化センターでは最大。フルオーケストラの演奏も可能。席数は305で、親子で使用できる防音の個室も備わっている。
ホールの「顔」ともいうべき2階ホワイエの壁は、アーティストの山下良平氏と中川中学校、東京横浜独逸学園の生徒らが協力して制作した大きなウォールアートになっている。
初の単独施設初の命名権も
区民文化センターの建設地は、港北ニュータウンの開発当初から「市民文化ホール(仮称)」の建設予定地として整備される計画だった。1994年に都筑区が誕生し、計画的な街づくりが進められる一方で、文化施設用地は長年にわたり未整備であり、区民からは文化施設整備への期待が高まっていた。暫定施設として08年に「都筑の文化夢スタジオ」が運営されるなど、区民の自主的な活動も活発に行われていた。
横浜市は、16年に民間事業者へのサウンディング型市場調査を実施。区民文化センター整備を条件とした土地活用について検討。区民文化センターのコンセプトや施設構成、運営の方向性などを議論し、答申としてとりまとめるにあたり、区民の意見を取り入れ、地域に根差した個性ある文化の創造に寄与する区民文化センターの基本構想をまとめるため、11人の委員で構成する「横浜市都筑区における区民文化センター基本構想検討委員会」を設置した。
センター整備には複数の事業者から参加意向があり、18年、ボッシュ株式会社を代表企業とするグループが「都筑区における区民文化センター等整備予定地活用事業」の事業者に決定した。敷地面積は約1万2千平方メートル。市内の区民センターでは、初めての単独施設となった。
事業者は敷地内にセンターのほか、ボッシュ社の新拠点(現本社)を整備。22年1月に着工。23年6月、横浜市とボッシュ社は市内の区民文化センターでは初めてのネーミングライツ契約を締結。センターの愛称は「ボッシュホール」となった。契約は年間1100万円(税込)で、35年までの10年間。
ボッシュ社の本社は24年5月に、センターは同年9月に竣工した。
センターの運営を担う指定管理者には、株式会社tvkコミュニケーションズ、株式会社神奈川新聞社、株式会社東急コミュニティーからなる「つづきアート&メディアパートナーズ」が選定された。
BFTで相乗効果
開館を前に24年11月、ボッシュ社と都筑区は地域活性化に関する包括連携協定を締結。ホールと同社、両社の間の全天候型広場を含めたエリアを「ボッシュ・フォーラム・つづき(BFT)」とし、賑わいの創出や防災に関する連携などの取り組むを行う。協定締結後の12月には、開館に先立ちクリスマスイベントを開催した。
ロゴマークの発表ミニコンサートも
開館日の3月16日には、午前10時から記念式典が開催される。
式典では、ロゴマークの発表のほか、こけら落とし公演に出演するバイオリストの東亮汰さん、ピアニストの三又瑛子さん、30日にコンサートを行うつづきジュニアストリングスによるミニコンサートが行われる(式典、ミニコンサートは事前申込当選者のみ)。