猫が参りました…と『降参したときのサイン』3選 穏便に事をすますための猫なりの対応術
1.目を合わさない
動物の世界、特に猫同士の関係では、相手をじっと見つめることは、挑戦状を叩きつけるようなものです。たちまち「どっちが強いか、勝負じゃい!」とひと昔前の少年マンガ風な展開になってしまいます。
生きる知恵として猫が大事にしているのは、必要以上に相手を刺激しないことです。とりわけ、自分よりも力が強く、身体も大きい相手だとなおさら。
たとえ向こうがスゴんできても、「今日は晴れて良かったですね」とさりげなく話題を変えるかのように、目を逸らしてその場から離れます。
2.自分を小さく見せる
猫の耳は、鋭い聴覚で微細に音を拾うだけでなく、自分の気持ちまで豊かに表現します。人間のおしゃべりのように非常に雄弁です。
平静時はかわいらしくピンと立ち、一方、不安やパニックに陥ったときは、ペタッと伏せたかたちになります。
いわゆる「イカ耳」というもので、恐怖にうち震えた状態です。場合によっては、耳がなくなったようにも見えます。その姿はまるでフクロウの丸頭のよう。相手からの威嚇、威圧感にビビリまくりです。力では勝てないことを知っていて、隙さえあれば一刻も早く逃げ出したいと考えています。
同時に、極度の緊張から、伏せるようにうずくまり、なるべく自分を小さく見せるのも、「降参」ポーズの大きな特徴です。
敵前逃亡の構えで、今さら相手に立ち向かう気など起こりません。とにかく、身体で目立つところはすべて隠したい気持ちです。かわいらしいしっぽも足の間に収めます。つまり、負けを認めると、ときに猫は、収納上手なフクロウになるわけです。
3.忍び足で立ち去る
いつの間にか、愛猫が自分のそばにいて、びっくりしたことがあるかもしれません。猫の肉球はクッション代わりになるため、獲物を襲うときも、足音を立てることなく接近できます。
自分より強い相手と対峙した際、逃亡の手段として、「抜き足差し足忍び足の術」を使うことがあります。肉球の特性を活かしたニャン法です。その動きは滑稽なほど極端にスローモーション。さっきまで威勢よく相手と唸り合っていたのに、あまりにも劇的な方針転換です。
相手を刺激しないように、恐る恐る少しずつ遠ざかっていきます。内心はドキドキ、しかし、あくまで動きは緩慢かつサイレントです。
猫の視覚は、ネズミの素早い動きもコマ送りのようにとらえます。ゆっくり歩いたら逆に相手には見えない、と考えているのでしょうか。もちろん、バレバレです。
縄張り争いは確かに大事だけど、できるだけ争いたくない、怪我したくない。それが猫の本音です。「白黒つける前に、拙者は雲隠れでござる」。厳しいニャン(忍)の世界に生きるうえで、欠かせない処世術です。
まとめ
猫同士の争いは、ときに熾烈です。大ケガすることもあれば、傷が原因で感染症などにかかり、最悪の場合、命を落とす危険性すらあります。
今回は、「降参」を示す猫の行動を3つ紹介しました。あらかじめリスクを回避するために、さっさと負けを認めて、その場から立ち去ったほうが無難。多くの猫はそう考えています。
みなさんも誰かと対決したとき、猫のように、目を合わさず、できるだけちっちゃくなって、忍び足で離れていくと、トラブルをうまく回避できるかもしれません。