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秋アニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』古屋亜南さん・島﨑信長さん・斉藤壮馬さんインタビュー|“音楽で世界を救う”新世代ヒーローのドラマ――

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

ANIPLEX × Sony MusicによるオリジナルTVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』が2025年10月5日よりフジテレビほかにて放送中。本作では、男女混成音楽ユニット「SI-VIS」が、音楽で世界を救う姿が描かれていきます。「SI-VIS」のリーダーで自分にとっては兄同然の存在・YOSUKEが命を懸けて戦う姿を目の当たりにしたキョウヤ。さまざまな葛藤を経て自身も戦うという覚悟を決めた彼は「SI-VIS」に加入し、世界を守るためにメンバーと共に戦っていきます。

アニメイトタイムズでは、キョウヤ役の古屋亜南さん、ソウジ役の島﨑信長さん、JUNE役の斉藤壮馬さんにインタビュー。ここまでの物語を振り返ってもらいつつ、今後の見どころについてお話を聞きました。

 

 

【写真】『SI-VIS』古屋亜南・島﨑信長・斉藤壮馬が語る“音楽で戦うヒーロー”たちの葛藤と成長

丸戸先生が「これは王道ヒーローものです」っておっしゃったとき「あっ、たぶんそれだけの物語ではないな」と思いました(笑)

──最初に本作のシナリオや設定資料を読んだときの感想を教えてください。

キョウヤ役・古屋亜南さん(以下、古屋):オーディションのときに、得体の知れない脅威に対して、アーティストとして対抗するという大まかな設定を知ったんです。僕としては今まで触れたことがない世界観で、すごく新鮮でした。最初は現実離れした物語なのかなと思っていましたが、アフレコが始まってから詳細を教えてもらい、さらに実際にみなさんと掛け合っていくなかで、わりとキャラクターたちの日常生活自体はふだんの我々に近いものがあると分かって。そのなかで起きる非現実というのが、アニメでしかできない表現だと思い、演じながらワクワクしていました。

 

 
ソウジ役・島﨑信長さん(以下、島﨑):アーティストとして謎の脅威と戦うなど、派手でファンタジックな部分も目立ちますが、物語が進んでいくなかでキャラクターたちが「人間しているなぁ」と思う場面が多々あるんです。僕たちの台本には「ソウジはこのとき、だれの方向を向いている」など、目線ひとつをとってもト書きに書かれていることがあって、本作はキャラクターたちのひとつひとつの言動から、関係性の変化やバックボーンが見えてくるんですよね。そういう作品は非常に自分好みで、アフレコで積み重ねていくのが楽しいです。

JUNE役・斉藤壮馬さん(以下、斉藤):本作のシリーズ構成・脚本を担当されている丸戸史明先生には、以前に別作品でお世話になったことがあるんです。その作品のことを思い出すと、この作品もきっと一筋縄ではいかないだろうと思って。1話のアフレコで丸戸先生が「これは王道ヒーローものです」とおっしゃっていたのですが、その瞬間に僕は「あっ、たぶんそれだけの物語ではないな」と思いました(笑)。

──なるほど(笑)。

斉藤:1話の台本をチェックしているとき、Aパートの段階で「これ、もしかしてYOSUKEはいなくなってしまうんじゃないか」と思っていたら、やっぱりそういう展開になって。衝撃的ではありましたが、やはりこれは丸戸先生の脚本だなと再認識しました。

 

 

──改めて、演じるキャラクターの紹介をお願いします。

古屋:キョウヤは、素直でハツラツとしている元気な子です。ただ、繊細な部分もあり、物語のなかで色々な壁に当たって悩み、葛藤する姿もよく見られるんです。もがきながら前へ進んでいく、成長する余地が残されているキャラクターですね。そんなキョウヤだからこそ、「SI-VIS」のメンバーをはじめとするキャラクターたちとも色々な物語ができるんだろうなと感じています。

島﨑:雑に言うと、ソウジは直情型インテリマッチョ(笑)。“直情”・“インテリ”・“マッチョ”という、相反するようなこの3つが融合しているキャラクターって、僕はあまり見たことがなくて。一面だけではなく、色々な面があるという意味で非常に人間的だなと感じられて、演じていても楽しいですね。ただ、こんなにマッチョだとは思っていなかったです(笑)。みんなはビームとかバリアとか使っているけど、一人だけ肉弾戦。マジカル筋肉なんです(笑)。でも、マッチョという要素が加わることで、直情的という部分がもう一段熱くなったとも思います。とてもいいキャラクターに出会えました。

斉藤:「SI-VIS」は非常に個性的なメンバーがそろっていますが、そのチームのなかでJUNEは優しいバランサーのような役割を担っています。ある意味では一歩引いて、少し俯瞰的にみんなを見ているような、バランス感覚に優れている人ですね。ここまでの物語だと彼の本音はどこにあるのか、本当はどういうことを考えているのか、いまひとつ掴みづらいと思います。彼がどんな表情を見せてくれるのか、この先の展開を楽しみにしていただきたいですね。

 

 

古屋くんの努力する姿が、物語ともすごくリンクしていた

──演じるうえで、どのようなディレクションがありましたか?

古屋:第1話でキョウヤが凪におにぎりを渡すシーンがあるのですが、そのとき「キョウヤはおばあちゃん子で、自然に優しさがあふれ出る子。押し付けるような優しさは出して欲しくない」というディレクションをいただいたんです。恥ずかしい話、声優という仕事をこれまでやってきて、そういったディレクションを受けるのが初めてだったので、「押し付けない優しさとは何か」と演じているときにずっと考えていました。

何テイクか重ねるなかでOKが出たのですが、後日、監督から「もう少し粘りたい」と言っていただいて、もう一度録りなおしたんです。そのときは少しアフレコも進んでいて、自分のなかでもキョウヤに対する理解度が深まっていました。それもあってか、監督から「本当に古屋さんのなかで生まれたキョウヤが自然に出た形になったと思います」と録りなおしたあとに言ってもらえたんです。ものすごく嬉しかったですね。

島﨑:わりとお任せいただいて演じていたのですが、表現の仕方を「もう少しこういう方向で」というリクエストをいただくことが何度かありました。こちらが提示したものに対して、「こっちの方向でお願いします」という演出をしっかり伝えてくださるので、非常に演じやすいですね。

 

 
斉藤:先ほどもお話したように、序盤では彼自身の我を押し出していくというよりは、個性的な面々を「まあまあ」となだめるようなお芝居を要求されていた印象があります。「もっとキラキラ王子様系で」というディレクションをいただいたことがあるのですが、それがどういう風に効いてくるのかは、この先の展開で感じ取っていただければと思います。

──アフレコ現場はどんな雰囲気ですか?

古屋:香盤表を見たとき、大先輩の方々の名前がパッと目に入り、とにかく置いて行かれないように、しがみついていかなきゃという気持ちにとらわれてしまったんです。それで変に準備していって、自分のなかで凝り固まったイメージのキョウヤを演じてしまいました。そのなかで、島﨑さんと斉藤さんが今と同じ様に横に座ってくださって、僕にとっては金言でしかないアドバイスをたくさんくださったんです。自分だけ居残りで収録するときも、お二人は別の予定があるにも関わらず、ギリギリまで僕のことを後ろで見てくださいました。勝手ながら師匠や兄がいたら、こんな感じなんだろうなと思っていたんです。心強かったですね。

 

 
島﨑:後ろで見ていたとき、自分たちの先輩もこういう気持ちだったのかなと思っていました。あと、古屋くんのそういう努力する姿が、物語ともすごくリンクしていたんですよね。新生「SI-VIS」はまだちぐはぐしていて、バラバラ感も否めないかと思いますが、キョウヤは頑張ってコミュニケーションを取って、みんなとつながっていこうとします。その姿や展開と、古屋くんの頑張り・現場の結束が固まっていく感じが重なって見えました。これって、毎週顔を突き合わせて、みんなで同じ空間で収録できたからこそ起きたことだと思います。やっぱり、アフレコ現場っていいなと思いました。

 

 
斉藤:ディレクションに対して素直であることは大切だとは思いますが、亜南くんは同時に、言われたことに対してどう芝居にフィードバックさせるべきなのかを、自分なりに咀嚼しているんです。それがすごく素敵だなと思いました。信長さんがおっしゃるように、キョウヤの成長とともに亜南くんがスキルを身につけているとも感じました。この先の話数で、キョウヤとJUNEの大事なシーンがあるんです。僕は出る時間が決まっていたのですが、そのシーンは絶対にOKテイクが出るまではいたいと思って、最後まで一緒にいました。無事次の現場にも間に合いました(笑)。

古屋:その節はどうもすみませんでした!

斉藤:でも、同じ場所、同じ時間を共有できてよかったなと思えるような、すばらしい芝居を亜南くんがしてくれたんです。

島﨑:どのシーンなのかは、見たら絶対に分かるはず。あのシーンは、壮馬くんもがんばっていました。ふたりのがんばりをみなさんにもはやく届けたいです。

 

「台本を見ず、映像だけ見てやってみよう」という提案がスタッフさんからあって

──3話ではキョウヤが加入し、新生「SI-VIS」が動き出しました。ここまでの物語を振り返ってみて印象に残っているシーンやアフレコ時の思い出を教えてください。

古屋:第3話でキョウヤが大泣きするシーンは、監督たちに付きっ切りになっていただいて、何テイクも重ねて収録したんです。なかなか表現が上手くできず時間がかなり経ったときに、「台本を見ず、映像だけ見てやってみよう」という提案を音響監督からいただいて。そうして練り出したものを「OKです」と言ってもらえたんです。必死過ぎて正直そのときの記憶が曖昧ではあるのですが、やりきったという気持ちは覚えていて。印象深いシーンです。

 

 
島﨑:第2話以降を見ていると、YOSUKE以外の人とソウジが接するときの態度が違うというのが分かるんです。“YOSUKEの前でしか見せないソウジ”というのがあるんですよね。ソウジは一人で立ち上がり、自立したがるタイプですが、YOSUKEだけにはどこか頼っている部分があって。ライバルでもあるけれど、この人に認められたいという想いが見え隠れしているんです。

直情的ではあるソウジですが、YOSUKEの前で見せていた“照れ”は、他の人には今のところ見せていません。YOSUKEの登場自体は短かったですが、ふたりのやり取りから積み重ねを感じました。

 

 
斉藤:僕もYOSUKEの存在が印象に残っています。ここからの先の物語でも、YOSUKE がそれぞれの心のなかに居続けることで、各々が変化したり、成長に繋がったりしてくるんです。YOSUKEがいないことをどう受け止めていくのか、それぞれの向き合い方が重要なポイントのひとつにもなってくるので、そういう点からもYOSUKEの退場は非常に印象的でした。

──本日はありがとうございました。最後に、改めて今後の見どころをお聞かせください。

古屋:アフレコ前に台本をもらうたびに、衝撃がすさまじかったです。ここまでの物語のなかでも、色々と不穏な空気が流れていたと思いますが、ここから先で何が起きて、どこに着地するんだろうと考えを巡らせながら、作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。

島﨑:スケールが大きかったり、煌びやかだったり、グーンと暗い方向に話が進んだりするなかでの細かい人間模様が、個人的には本作の面白さのひとつだと思っています。1話進んだら、あのキャラクターのあの人への態度や言い方が変わっているなど、積み重ねを感じられるんですよね。その辺も余すことなく楽しんでもらえたらと思います。

斉藤:いよいよ本格的に物語が大きく展開していきます。個人的に、ここから先の話数で大きなパラダイムシフトと言いますか、「そういう世界だったのか!」と、驚きと衝撃を受けた回があるので、そこまで色々と考察しながら楽しんでいただきたいです。


 
[文・M.TOKU / 写真・MoA]

 

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