「カメラ・水筒が重い!」 首が痛くならないフック発明 辻堂東海岸の河口さん
一眼レフカメラを首からぶら下げて一日撮影に歩き回ると、首が疲れる。写真愛好家がよく感じる「あるある」を解消しようと、辻堂東海岸在住の河口幹雄さん(73)が、首への負担を減らすグッズを開発。1日、(一社)発明学会の身近なヒント発明展で努力賞を受賞した。
開発作品の名は「ストラップ保持用フック」。アクリル板とマジックテープのシンプルな作りながら、リュックに取り付け、カメラストラップをそこにかけると、首の負担を軽減してくれる。
定年前は自動車などの開発に携わっていたこともある河口さんは、写真撮影と発明が趣味。グッズ開発のきっかけは「首が痛いと撮影に集中できないから」と話す。
苦労したのは設計。特にストラップが首に当たらないようにする角度で、段ボールなどを使って試作したが「しっくりこない」。試行錯誤しながら苦悶の日々を過ごしている中、ひらめいたのは「お風呂」だった。ふと視界に入ったせっけん入れの側面が、絶妙なカーブでイメージとぴったり。早速、加工して試作すると、丁度いい具合。その後も設計図を書き直すなど改良を重ねて作品を完成させた。
11月にはこの作品を中小企業などの開発品が並ぶ東京ビッグサイトの産業交流展でお披露目。写真撮影がスマートフォン全盛ながら、熱心なカメラファンから「使いたい」と声をかけられた。
またカメラファンのみならず需要もあると睨む。「例えば通学する子どもたちの水筒が負担と聞く。それに応えられたら」と思い描く。目指すのは「商品化」と力強く語った。