尼崎の公設地方卸売市場で定期開催される「市場開放フェア」で仕入れ体験を楽しんできました! 尼崎市
皆さんは尼崎市に『公設卸売市場』があることをご存知ですか?公設卸売市場といえば、一般の方は立ち入れない場所というイメージがあると思いますが、潮江にある尼崎市公設地方卸売市場では毎月第1土曜日に市場の機能や役割を広く市民に知ってもらう機会として「市場開放フェア」が開催されています。
その日は同市場を見て回り、直接生鮮食料品などを購入する「仕入れ体験」もでき、筆者も実際に訪れてみて「なぜもっと早く訪れていなかったのだろう」と後悔するほどの“興奮体験”をしてきたので、その模様をレポートします。
市場はJR尼崎駅から徒歩約15分の所にあり、イベントは8時から11時まで開催されています。お目当てのものをゲットするために7時過ぎには並びはじめるお客さんも多いそうです。
ちなみに先着400名には「場内マップ」が配布され、そのマップを持参して2店舗以上で各300円以上の仕入れ体験をすると、当日もしくは次回使用できる300円分の金券がプレゼントされます。
取材当日、筆者は新鮮な魚介が販売されている「水産物部」のエリアを案内してもらおうと足を踏み入れると、さっそく長い行列を発見しました。こちらのタカミネさんは「冷凍まぐろの刺身」や「サバのしぐれ煮」などを販売しており、毎回人気があるお店のひとつなのだそう。
実際に間近でまぐろを切っているところを見せていただきましたが、身は分厚く赤身の色が濃く感じられました。
同店では試食のコーナーもあり、当日は「サバのしぐれ煮」が提供されていたので食べてみると、甘辛い味付けが絶妙で身はとろける食感、ご飯がとても欲しくなる味でした!試食で味を確かめられるので、安心して購入できるのが嬉しい。
ほかにも、取材日が「ひな祭り」前だったこともあり、千葉県産の大きな「はまぐり」のほか、「穴子」「車えび」などあちこちに新鮮な魚介がずらりと並んでいました。買わずとも、見ているだけでも気持ちがワクワクします。
さらに筆者が驚いたのは、うなぎの炭火焼きが間近で行われていたこと。あの香ばしいにおいが鼻孔をくすぐり、お腹がグルグル音を立ててしまいそうでした。
「毎月このうなぎを楽しみ買いに来ています」とおっしゃるお客さんもおられ、これを販売している森本水産さんにも行列ができていました。
ほかにも「生のマグロ」を販売している金井商店では、マグロの解体を見ることができます。
本まぐろの刺身はもちろんスーパーなどではお目にかかれない希少部位などが販売されており、今回は特別に「ほほ肉のたたき」を試食させていただきました。
まぐろの「ほほ肉」とはその名の通り、顔の側面にあるほっぺたの部分のお肉で一匹のまぐろから数%しか取れない正に希少部位。魚なのにお肉のような濃厚な旨さでこちらもあまり歯で噛まなくても口の中です~っと溶けていきました。
水産物のほかにも指定業者と呼ばれる味噌や乾物、加工食料品などを販売しているエリアもあり筆者が自腹で即購入したのが高瀬味噌販売さんのお味噌です。創業から50年、ひたすらに味噌のみを扱ってきた味噌専門問屋で日本国内にあるたくさんの味噌蔵や食品製造工場と繋がりがあり厳選された「味噌」や「オリジナル商品」を販売されています。
こちらではみそ汁の試飲をされていて、いただいてみると味に深みがあって心がほっとする味でした。
今回の試飲では「広島の粒みそ」と「愛知の豆味噌」を7:3の割合でブレンドしたものが提供されていました。味噌は1種類で作るよりいろんなものを合わせるほうがそれぞれの良さがかけ合わさってより美味しくなるそうで、最近健康志向の筆者は迷わずこの2種の味噌を購入させていただきました。
ほかにも尼崎市内で育てられたフレッシュな「野菜」のほか、目利きのプロたちが選んだ「果物」「牛肉」など高品質なものがリーズナブルな価格で販売されており、筆者にはここが”食のテーマパーク”のように感じ最初から最後までドキドキワクワクが止まりませんでした。
取材の後どうしても気になったものを購入しようと思っていたら結局両手が塞がるほどになってしまいました。どれも全て美味しかったのですが、筆者が唸った商品を3つ紹介していきます。
いちごが大好きな筆者は、初めて見た「空浮(そらうき)」とスーパーで見るより粒が大きく値段もお手頃だった「あまおう」の2種を購入しました。姫路で栽培されているという「空浮」は海のミネラルを投じているのでビタミンや栄養素がたっぷり詰まったいちごで、ジューシーですっきりとした甘さが特徴的でした。
「あまおう」は皆さんご存知福岡発祥のいちごでやはり甘さは格別で小学生の娘たちとワイワイ言いながら贅沢な食べ比べをすることができました。
こちらは市場で焼かれていた国産のうなぎで、味を知ってほしいと特別に1匹提供していただきました。身はふっくらで炭火の良い香りがしっかり残っており、家族全員がニコニコ笑顔になっていました。
別日には、すき焼き用の「和牛」と「龍のたまご」をつかった贅沢な牛丼を作ってみました。「龍のたまご」とは乳酸菌や海藻粉末、緑茶、米ぬかなどの天然配合飼料で大切に育てられたニワトリからとれた卵で、以前ほかの飲食店を取材した際に食べてその美味しさを知っていたのですかさず購入しました。オレンジ色の濃い黄身とやわらかくて適度なサシのお肉がたまりませんでした。
今回たくさん市場の中を見学させていたただき飲食店の方々が仲卸業者に直接買い付けしている様子を実際に見れたり、食材の調理法やレシピなどもお店の方々に気軽に相談でき食に関する知識も得られました。
同市場運営協議会の会長は「定期的に〈市場開放フェア〉をおこなっているのは、市民に卸売市場の役割を理解してもらいここが多くの方にとって‟なくてはならない重要な施設”であると感じてもらいたいからです」とおっしゃっていました。
場所
尼崎市公設地方卸売市場
(尼崎市潮江4丁目4)
イベントについて
市場開放フェア
直近は4月5日(土)に開催予定
※毎月第1土曜日の8:00~11:00
問い合わせ
尼崎市公設地方卸売市場運営協議会
TEL 06-6420-2050(9:00~15:00)
尼崎市公設地方卸売市場管理事務所(尼崎市経済環境局地方卸売市場市場管理課)
TEL 06-6420-2005(8:45~17:30)