正派一條流が70周年 6月8日、南公会堂で記念公演
南区浦舟町を拠点に活動する正派一條流の舞台公演「華蝶会」が6月8日(日)、南公会堂(みなみん)で開催される。午前11時30分開演。入場無料で全席自由。
正派一條流は、1955年に宗家・一條賀奈女さんが日本舞踊の五大流派である藤間流から独立して立ち上げた。日本舞踊だけでなく、歌謡曲や演歌などの楽曲に日本舞踊の振り付けをする「新舞踊」も指導する。「しきたりにとらわれず、好きな踊りを楽しんでもらえれば」と3代目の貴鳳さんは話す。
同公演の最大の見せ場はフィナーレだ。演者全員が舞台にあがり、会の最後を盛り上げる。「何年か前は綱引きをやったことも。日頃の様々なことを忘れ、最後は笑って帰っていただきたい」と貴鳳さん。記念公演ということでティッシュケースや粗品を弟子たちと一緒に手作りし、来場者に配る。「心を込めてお客さまに踊りを届けたい」と意気込む。
福祉と舞踊を融合
「辛いことがあっても、踊ったら忘れられる」という貴鳳さん。現在、力を入れているのは、踊りを福祉に取り入れることだ。
「1日前のことでも忘れてしまう認知症の方が、1年前に踊ったことを覚えていてくれたことも」。こうした経験から、認知症予防のための舞踊プログラムや、手話を取り入れた舞踊など、新たな可能性を模索する。「今までなかった福祉と関係する踊りの教室を作り上げることができたらと思っている」とにっこり。伝統に甘んじず、挑戦を続ける。