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愛川町 移動スーパー「出発進行」 いなげやが巡回販売開始

タウンニュース

車両に陳列された商品を買い求める町民

関東南部でスーパーマーケットを展開する「いなげや」による移動スーパーが、6月27日から愛川町で始まった。買い出しなどが困難な高齢者の支援に向けた取り組みで、専用の軽トラックに食材を積み込んで愛川町内全域を巡回。地域に出向いて対面販売を行うことから、地域住民の見守りにもつながることが期待される。

巡回初日となった6月27日、半原地区に特別仕様の軽トラックが音楽を流しながら到着した。荷台の扉が開かれると、鮮魚や総菜、調味料、日用品などおよそ400種・1200点がずらり。「開店」を待ちわびた近所住民らが続々と集まり、お目当ての商品を買い込む姿や談笑を楽しむ光景が広がった。

移動スーパーは、東京都や神奈川県など関東地域に店舗を持つ「いなげや」が実施。実際の販売活動は、同社と事業提携している「とくし丸」が行う。平日の5日間、町内15カ所ほどを地区別に巡回する予定で、各商品は朝の店舗販売価格に20円を足した金額で販売するという。

販売初日に姿を見せた住民は、「今までは遠くまで歩いて買い物をしていたが、近所に移動スーパーが来てくれるとすごく助かる」と喜び、「思ったよりたくさんの品物があってびっくり。近所の方と買い物するのはとても楽しい」と笑顔を見せながら商品を選んでいた。

高齢者の見守りにも一役

町高齢介護課によると、町内の高齢化率は6月1日現在で31・4%と高く、スーパーなどの施設が少ない町の事情もああって「買い物難民」となる高齢者の支援が課題だった。

移動販売の開始により、町では買い物環境の整備だけでなく高齢者の見守り支援という効果も期待する。実施にあたり、町といなげやは4月に地域見守り活動に関する協定を締結。町内各地に出向いて対面販売する形態を生かし、買い物客の心身の異変や巡回先に姿を見せなくなった人の安否情報などを、町と同社で共有するという。

同課は「行政としても外出支援などに取り組んでいるが、民間の協力で地域課題の解決につながる取り組みが実現できたのはありがたい。ぜひ多くの方に利用してほしい」と期待を寄せた。

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