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野村邦丸がパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』（文化放送・毎週月曜から木曜9時～13時）内で火曜日の11時半ごろから放送されている「ホクトpresents　きのこで菌活～カモン健康！」。きのこを食べて体の内側から「健康」になる方法について、「日頃の生活の中で気になる健康」をテーマに、毎週、その道の専門家に話を聴く。

今週は、神奈川歯科大学大学院特任教授で『統合医療ＳＤＭクリニック』院長の川嶋朗先生に「夏のエネルギーチャージ」というテーマで話を伺った。

邦丸「川嶋先生、エネルギー不足を補うにはどうすればいいでしょうか？」

川嶋「車のガス欠を考えていただければわかりやすいと思うんですけれども、必要なのは、バランスの良い食事をとって身体に必要な栄養素を取り入れることなんですね。これによって、エネルギーの補給と疲れのケアもできてしまう」

邦丸「バランスの整った食事が大事ということですか？」

川嶋「私たちの身体はエネルギー源となる糖質や脂質とそれらを代謝する「ビタミンＢ群」などの「補酵素」が働くことで、エネルギーや熱を作り出します。筋肉とか胃腸とか免疫細胞とか、とにかく全身の細胞は食事でとったエネルギーを基に活動を維持するので、暑くて不調に陥りやすい今のような時期こそしっかりとエネルギー源となる栄養素を身体に取り入れることが必要になります。また、エネルギーを作り出すことは、実は熱を作り出すことでもあるので、しっかり食事を摂るということは体温を維持して、冷えにくい身体を作るという役割も担っています」

邦丸「川嶋先生、食事の大切さは重々分かっているんだけれども、この暑さで食欲わかないとか、あるいは好きなものだけ食べてるという方も結構いらっしゃいますよね」

川嶋「そうですね。実際、食欲が沸かないということは実は胃腸のコンディションが良くないからという場合もあるので、その時は、無理に食べることなく胃腸を休ませてあげるのも良いと思います。ただ、毎日好きなもの、つまり口当たりの良い麺類とか好きなお菓子だけ食べていると糖質や刺繍の食事に偏ってしまう。だから、糖質とか脂質を代謝する「ビタミンＢ群」がないとエネルギーを作ることができないだけじゃなくて、身体が疲れてしょうがないとか疲労感を感じるような原因にもなってしまうわけです。きのこ類のような「ビタミンB群」の豊富な食材を取り入れることが必要になるんですね。糖質代謝に関わる「ビタミンB1」は豚肉とかきのこ類に含まれます。脂質代謝に関わる「ビタミンB2」は魚介類やナッツ類、きのこ類に含まれています。バランスよく栄養摂取するためにも、きのこ類をはじめとしてできるだけ種類を多くしていろいろな食材を食べるように心掛けることをお勧めします」

邦丸「きのこ類は食物繊維も豊富ですよね。その点でもお勧めですか？」

川嶋「はい。おっしゃる通りです。きのこ類に含まれる食物繊維は免疫力もアップしてくれるんですね。ご存知のように免疫というのは外から体内に侵入してくるコロナのようなウイルスとか病原菌を防ぎながら、体内に発生するがんのような異常な細胞を排除するという身体を守る機能のことです。暑さとか栄養不足の原因となって免疫細胞の働きが低下すると病原菌への抵抗力が落ちて、普段は排除できていた病原菌にも感染しやすくなっちゃうわけですね」

邦丸「そもそも体調不良になりたくないから免疫力は維持したいところですよね」

川嶋「免疫細胞の約7割が腸に集まっています。ですから、免疫力の維持向上には腸を整えることがとても重要なんですね。で、腸を整えるのに役立つ栄養素といえば食物繊維が有名なんですけども、食物繊維は体内の老廃物、それから余分な脂肪とか糖質とか、塩分を吸着して身体の外に排出する役割も持っていますし、善玉菌の餌になって腸内環境を整える働きがあるんですね。それから食物繊維を分解して腸内細菌が作り出す「短鎖脂肪酸」。これには免疫力を高める効果も期待されているんです。食物繊維はとにかく多岐にわたって健康維持に効果を発揮してくれる栄養素で、第番目の重要な栄養素とも言われているくらい。特に、きのこに含まれる菌類特有の食物繊維。「βグルカン」というのが有名なんですけども、「βグルカン」自体が腸にいる免疫細胞に直接働きかける。それで免疫を強烈にサポートしてくれる作用があるんです。ですから、効率良く免疫を高めるためにも、きのこ類を取り入れるのは、お勧めです」