上越市吉川区でコウノトリのつがいが交尾行動 2年連続ひな誕生に期待高まる
新潟県上越市吉川区で2025年1月26日、野生種の絶滅以降、2024年に県内で初めて繁殖に成功した国の特別天然記念物コウノトリのつがいの交尾行動が、前年にひなを育てた同じ巣で確認された。繁殖期に入ったとみられ、2年連続のひな誕生への期待が高まる。
《画像:交尾するコウノトリのつがい(橋爪法一さん提供、2025年1月26日撮影)》
このペアは2020年4月9日生まれの雄と2019年4月30日生まれの雌で、電柱の上に巣を作り、2024年5月にひな4羽が孵化(ふか)し、同年7月に4羽全てが巣立った。
コウノトリは200〜300kmを休憩なしで飛べるため、繁殖期以外は餌場を求めて長距離を飛び回っているが、一度繁殖に成功したつがいはおおむね2〜7月の繁殖期には同じ場所に戻ってきて、繁殖を繰り返す習性がある。
コウノトリの観察を続ける同区在住の市議会議員、橋爪法一さん(74)によると、昨年ひなが巣立った後、10月下旬に2羽で木の枝を運ぶなど巣の手直し作業を始めた。その後は田んぼで餌を探す様子が数回確認されただけだったが、今年1月18日に再び巣の手直しを始めたという。
《画像:巣の上で休むコウノトリのつがい(同)》
26日朝には巣に戻ってきた雄が雌の背中に乗る交尾行動が見られた。橋爪さんは「カメラを構えたら雄が飛んできて交尾が始まり、昨年は撮影できなかったので感動している。産卵につながるかは分からないが、今年もここで子育てをするという2羽の意志を確認できた」と期待を膨らませていた。
兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によると、2024年に巣立った野外コウノトリのひなは、新たに繁殖が確認された新潟県と千葉県が加わり14府県134羽。全国のコウノトリの目撃情報データベース「コウノトリ市民科学( https://stork.diasjp.net/ )」によると、上越市で誕生した4羽(雄2羽、雌2羽)のうち、雄1羽が2024年秋に兵庫南部の加古川市と加西市で目撃されている。