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年収の壁、手取り減少による「働き損」のゾーンは2つ 日本人材派遣協会が提案する3つの対策とは

月刊総務オンライン

年収の壁、手取り減少による「働き損」のゾーンは2つ 日本人材派遣協会が提案する3つの対策とは

一般社団法人日本人材派遣協会(東京都港区)は1月20日、年収の壁・働き控え対策に関する派遣会社の取り組みを紹介した。給与が上がっても手取りが減少する、いわゆる「働き損ゾーン」への対策を明らかにした。

2つの「働き損ゾーン」解消に向けて、派遣会社ができることとは?

現状は、「106万円~125万円」と「130万円~153万円」が手取りが減少する2つの「働き損ゾーン」となることを示している。同協会が実施した「2024年度派遣社員WEBアンケート調査」によると、全体の平均は、時給1548円、週35時間、年収換算で約260万円となり、「働き損ゾーン」を大きく超えている。しかし、全体の約6%が週20時間未満で働いており、その平均時給は1400円、年収は約130万円となり、「働き損ゾーン」の中に含まれてしまう。

同協会では、この「働き損ゾーン」を一気に突破するために、以下の方法が考えられ、本人の希望も踏まえて派遣会社が支援することが可能とする。

週4時間程度、労働時間を増やす

年収130万円では、週当たりの労働時間は約19時間。手取りが回復する年収153万円を超えるには週22.8時間が必要なため、週4時間程度増やす

労働時間が増やせない場合は、時給を1580円以上に上げる

週20時間の範囲では時給1360円~1570円が働き損ゾーンに該当する。労働時間に制限があるスタッフには、時給1580円以上にする

スタッフ自らがリスキリングで職種を変える

リスキリングによって、IT・エンジニア系などの職種や、事務系の中でも高いスキルが必要とされる、時給1580円以上が見込める高い職種・業務に転換する

週の労働時間20時間未満でも約3割は残業

同協会が1月16日に発表した「派遣社員WEBアンケート調査結果 2024年度」によると、週の労働時間が20時間未満の人でも約3割は残業をしており、中でも週4時間以上の残業をしている人は13.6%にのぼるという。

所定労働時間と残業時間の関係 出典:日本人材派遣協会「派遣社員WEBアンケート調査」(※画像クリックで拡大)

2024年9月に野村総合研究所(東京都千代田区)が行った「就業調整」の実態調査では、時給上昇により「働き損」が発生することを理由に、就業調整をする意向のある有配偶パート女性の数を約210万人と推計している。

日本人材派遣協会のニュースレターは、同協会の公式ウェブサイトで確認できる。

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