高校野球島根県勢の甲子園最高成績 快“神”撃のミラクル大社が107年ぶり4強狙う
報徳、創成館、早実を撃破して93年ぶり8強
第106回全国高校野球選手権大会準々決勝が19日に甲子園球場で行われる。見どころの多い4試合だが、中でも注目は第4試合で神村学園(鹿児島)と対戦する大社(島根)だろう。
1回戦(11日)でプロ注目右腕・今朝丸裕喜を擁してセンバツ準優勝した報徳学園(兵庫)を3-1で撃破すると、2回戦(15日)で創成館(長崎)と延長10回タイブレークの末、5-4で勝利。3回戦(17日)でも早稲田実(西東京)とまたしても延長11回タイブレークの末、3-2でサヨナラ勝ちし、準々決勝進出を果たした。
1915(大正4)年の第1回地方大会から出場を続ける皆勤校で夏の甲子園出場自体が32年ぶり、1勝したのが63年ぶりなら、ベスト8入りは実に93年ぶりという快進撃だ。
3回戦で149球を投げて完投し、自らサヨナラ打を放って熱戦にケリをつけたエース馬庭優太は初戦で137球、2回戦で115球を投げており、計401球で3試合連続完投。「1週間で500球」の球数制限が設けられているため、初戦の137球はカウントされないものの、準々決勝に勝てば21日の準決勝まで含めた2試合で計236球が上限となる。
ベスト4入りなら杵築中時代の1917年、第3回大会以来107年ぶり。島根県勢としても2003年の江の川(現石見智翠館)以来21年ぶりの快挙となる。
島根県勢の夏の甲子園最高はベスト4
改めて島根県勢の甲子園最高成績を振り返っておこう。夏の甲子園では下記の通り、過去3度のベスト4が最高だ。
1917年(第3回)杵築中(現大社)
1923年(第9回)松江中(現松江北)
2003年(第85回)江の川(現石見智翠館)
1917年の杵築中は長崎中に6-3、長野師範に延長10回4-3でサヨナラ勝ちして4強入り。準決勝で優勝した愛知一中に2-3で敗れた。
1923年の松江中は仙台一中に9-3、函館商を5-4で下して準決勝進出。和歌山中(現桐蔭)に3-7で敗れて決勝進出はならなかった。
2003年の江の川は中越に2-0、沖縄尚学に1-0と木野下優が連続完封。準々決勝の聖望学園戦は2-1でサヨナラ勝ちしたが、準決勝はダルビッシュ有(現パドレス)を温存した東北に1-6で敗れた。
春のセンバツはベスト8が最高
春のセンバツでは下記の通り、2度のベスト8が最高成績となっている。そのうち1度は1983年の大社だ。
1961年(第33回)松江商
1983年(第55回)大社
1961年の松江商は尼崎北を3-0、撫養を4-0で破って県勢初のベスト8。準々決勝で平安に3-9で敗れた。
1983年の大社は峡南を2-0、東北を6-5で撃破。準々決勝は水野雄仁を擁して夏春連覇した池田に0-8で完敗した。
春夏とも島根県勢の最高成績を持っている大社。甲子園で4勝すれば島根県勢初の快挙となる。縁結びの神様に守られた大社球児が100年目の甲子園に吹かせる“神風”はまだ止まらない。
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記事:SPAIA編集部