脱いだそばから…なぜ?愛猫が『飼い主さんの洋服に乗りたがる』4つのワケ
1.安心感を求めて
猫は「安心感」を求めるために、飼い主の洋服に乗ることがあります。
実は猫は嗅覚が非常に発達した動物で、人間の約14倍もの鋭さを持つのだとか。そのため私たちが気づかないような、微妙な匂いの違いも敏感に感じ取ります。
そして、そんな猫が感じる飼い主の匂いはまさに「安全」と「安心」の象徴。自然と引き寄せられてしまう猫は珍しくないのです。
飼い主の脱いだばかりの服というのは、ぬくもりや汗などが染み込んでおり、飼い主特有の匂いが強く残っています。猫はこの匂いを嗅ぐことで、「飼い主がそばにいる」という安心感を得ているのでしょう。
なかには飼い主が外出しているとき、飼い主の匂いがする洋服を心の支えにしている猫もいるようです。
2.暖を求めて
猫が飼い主さんの洋服に乗りたがる2つ目の理由は、単純に「暖かくて気持ちいいから」というものです。
猫は体温が高いものの(平均約38~39℃)、暖かい場所が大好き。そんな猫にとって、飼い主が脱いだばかりの服はぬくもりが残っていて、ひんやりした床や家具よりも魅力的な場所。
また布地の柔らかさも、猫を引き寄せるにはうってつけです。特にニットやフリースなどの柔らかく保温性の高い素材は、猫にとって理想的な寝床となります。
さらに脱いだばかりの洋服は凹凸があったり、丸まっていたりするため、猫が体を丸めて寝るのに適した形になっていて、それも猫を惹き付けるようです。
3.注目してほしいから
猫が飼い主の洋服に乗る3つ目の理由は、単純に「飼い主の注目を集めたい」という欲求も隠れています。
実は猫は非常に賢い動物で、どのような行動をとれば飼い主の反応を引き出せるかをよく理解しているのだとか。そのため飼い主が大切にしている洋服に乗れば、必ず反応してくれると学習している猫もいます。
実際、飼い主さんの多くは猫が洋服に乗っているのを見ると、「もう、また乗っちゃって〜」と声をかけたり、猫を抱き上げたりするでしょう。
猫からすれば、これは「飼い主の注目をゲットできた」という成功体験になります。
とくに普段飼い主と交流する機会が少ない猫は、こういったさまざまな方法で飼い主の注意を引こうとするのです。
4.なわばり意識からくる行動
猫が飼い主さんの洋服に乗る4つ目の理由は、猫特有の「なわばり意識」に関連しています。
猫は本来、単独行動で自分のテリトリーをつくる動物。もちろんイエネコも例外ではなく、家全体や特定の場所を「自分のなわばり」と認識しています。
縄張りをアピールする方法は、自分のにおいをつけたり爪とぎをしたり、さまざま。
つまり飼い主の匂いがする洋服に自分の匂いを上書きするのは、「この人は私のもの」「この家は私のなわばりだ」と主張するためのマーキング行動のひとつなのです。
また他の猫や動物の匂いがついた洋服に対しては、特に敏感に反応する猫も。
たとえば友人の家の猫と触れ合った後の服には、その猫の匂いがついていますが、それを猫はなわばりの「侵入者」と感じます。
そのためその上に乗ることで自分の匂いを上書きし、なわばりを守ろうとするのです。
まとめ
猫が飼い主さんの洋服に乗る理由は、安心感を求める気持ち、暖かさと快適さへの欲求、注目を集めたい欲求、なわばり意識など、さまざまなキモチが隠れています。
もちろん猫の性格や個体差によって、その行動の理由や強さには違いがあります。しかし、共通して言えることは、猫が飼い主を信頼し、愛情をもっているということです。
そのため愛猫が洋服の上でくつろいでいるときは、そっと見守ってあげたり、優しく声をかけてあげてくださいね。
ただし服に毛がつく、汚れるといったデメリットが気になる場合は、クローゼットにしまうか、猫の手の届かない場所に置いたり工夫をしましょう。