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生涯現役でいるための4つのポイント。成功のカギは住む場所にあり? 今求められる「つながり」の大切さ

新しい働き方メディア

健康・つながり・生きがいを備える

「生涯現役」と聞いて多くの方が思い浮かべるのは、定年退職後も精力的に活動する人々の姿ではないでしょうか。65~69歳の就労者の数は年々増加しており、2022年度では65~69歳の人口760万人のうち、約半数の386万人が就労中です(※1)。

生涯現役でいるためには、「健康な身体」「社会とのつながり」「生きがい」の3つが欠かせません。健康な身体は積極的に日常を楽しむのに必要ですし、社会とのつながりは孤独感を防いで安心感を与えます。さらに生きがいは、人生を楽しむためのモチベーションとして必要です。

これらはある日突然得られるものではなく、日常的な運動習慣や地域活動への参加など、今の生活の延長線上に存在します。そのため生涯現役を目指すなら、まだ先のことだと楽観視せず、今できることから着実に進めていく必要があるのです。

※1:e-Stat「労働力調査/時系列表/21/20~69歳の人口、就業者数、就業率/調査年月2023年10月

65~69歳の働き方に見る「生涯現役」

まずは65~69歳の就労業況を通して、生涯現役でいるために大切な「仕事」についてみていきましょう。

厚生労働省は、経験豊富なシニア層の労働力を生かすために、全国300カ所のハローワークに「生涯現役支援窓口」を設置。働きたいシニア世代と、シニア世代の雇用に前向きな企業のマッチングを推進しています。(「生涯現役支援窓口のご案内」厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク

「生涯現役支援窓口」が設置された背景には、2013年に打ち出された、生涯現役社会を実現させる3つの柱があります。

企業における高年齢者雇用の拡大地域における多様な雇用・就業機会の確保起業や高年齢者を支えるための支援

引用:厚生労働省「高年齢者雇用・就業対策」

高齢者の就業を支える取り組みを受け、2012年に37.1%だった65~69歳の就業率は年々増加。この10年間で、65~69歳の就業率は13.7%も増えています。

参考:「

労働力調査/時系列表/21/20~69歳の人口、就業者数、就業率/調査年月2023年10月


※グラフは参考データをもとに執筆者作成

少子高齢化が進む中、生涯現役での活躍は国の方針としても推し進められ、これからのスタンダートともいえる考え方になっているのです。

生涯現役でいるために必要なもの

「生涯現役」は年齢を重ねた人が願うもので、自分にはまだ関係ないと感じる人もいるでしょう。しかし生涯現役を叶えるには継続的な努力が不可欠なため、前もったキャリア設計が欠かせません。

生涯現役で活躍するためには、以下の3つのポイントが大切です。

健康な身体社会や人とのつながり生きがい

それぞれについて、内閣府が5年ごとに行っている「高齢者の健康に関する調査」をもとに解説します。

習慣と社会活動が「生きがい」を感じやすくする

内閣府は、高齢者の健康をめぐる動向を調査する中で、以下の3点を報告しました。

若いときから健康に心がけている人は健康状態がよい社会活動に参加した人は健康状態がよい健康状態がよい人ほど生きがいを感じている

参考:内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

前提として、ここでの「若いとき」は、40代以前を表します。

健康状態の維持には、若いときからの運動習慣といった心がけや積極的な社会との関わりがよい影響を与えます。そして健康状態を良好に保っている人ほど、生きがいを感じる機会が増え、充実した日常を過ごしやすいといえるのです。

スポーツ習慣があるほど健康状態がいい

画像出典:

内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

画像出典:

内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

調査によると、40代以前から健康を心がけ始めた人の約半数が、健康状態を「よい」と回答。また何らかのスポーツを習慣的に行っている人ほど、「健康状態はよい」と回答する割合が高いです。

これらの結果から、健康状態を維持するためには、習慣的なスポーツがよい影響をもたらしていると考えられます。

社会活動に参加するほど健康状態がいい

画像出典:

内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

画像出典:

内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

社会活動に参加した人は、健康状態が「よい」と回答した割合が高く、参加して「生活に充実感ができた」「新しい友人ができた」「健康や体力に自信がついた」と前向きな回答が多く寄せられました。

なお、この調査での社会活動とは「健康・スポーツ・地域行事」を表します。社会活動を通じた交流が、健康状態にもよい影響を及ぼしているといえるでしょう。

画像出典:

内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

一方、社会活動に参加したいと思わない理由は、「健康・体力に自信がないから」が最も高くなっています。健康状態や体力に不安があれば、活動も消極的になりがちです。このように健康状態は、社会活動への参加意欲にも深く関係していると考えられます。

健康状態の良さが、生きがいにも影響する

画像出典:

内閣府「第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について」

今の生活で生きがい(喜びや楽しみ)を感じるかどうかでは、健康状態がよいと回答した人ほど、生きがいを感じる程度も高くなっています。これは社会活動を通じて外部のコミュニティに参加するきっかけが多くなるため、充実感や生きがいを得やすくなるためです。

健康状態を保つには、健康への配慮と運動習慣が欠かせません。生涯現役でいるためにも、まだ先のことと楽観せず、今できることから改善していく意識が大切です。

生涯現役でいるために考えたい4つの視点

「健康な身体」「社会とのつながり」「生きがい」の大切さを理解した上で、生涯現役のために自分自身を振り返って考えたい、4つの視点を紹介します。

今の仕事は長く続けられるか

はじめに、今の仕事は長く続けられるかを考えましょう。

収入を得るために不可欠な仕事も、勤務内容や待遇に不満がある状態では、やりがいも少なく長く続けるのは難しいです。もし今の仕事に不満があるなら、自分の努力で改善できる範囲かを考えてください。もし1人では改善が見込めなさそうなら、家族や職場にも相談し、状況によっては転職も視野に入れて検討しましょう。

楽しめる趣味はあるか

趣味は人生を豊かにし、共通の趣味を通して知り合った友人は、年月が経っても変わらず付き合える大切な存在です。

特に現役時代に仕事に没頭していた人ほど、定年退職後に何をすればいいのかわからず、時間を無為に過ごしやすくなります。没頭できる趣味を見つけ、余暇を楽しむ習慣をつけましょう。

友人・知人や地域とのつながりはあるか

仕事という目的がなくなると、外に出ても何をすべきかわからず、家に引きこもりがちになる人も多いです。

特に仕事でのみ付き合いがあった人とはやがて疎遠になるケースも多く、昔との違いに孤独を感じやすくなります。友人・知人をはじめ、できるだけ地域とのつながりを得ておきましょう。

コミュニティへの参加に抵抗があれば、馴染みのお店をつくるのも効果的です。挨拶をするように、自然と声を掛け合える間柄を意識してください。

10年後・20年後の自分の姿が思い浮かぶか

生涯現役での活躍を目指すなら、10年後や20年後に、自分がどうありたいかを考えてみてください。将来自分がどこに暮らしていて、誰といて、どのような暮らしぶりかをイメージすれば、徐々に心がけるべきことが見えてきます。

たとえば将来住んでみたい場所があるなら、いつ、誰と、どのくらいの期間住みたいのかを具体的に考えます。

永住か、それとも期間限定の移住なのか。期間が定まれば必要な費用の概算も計算できますし、いつから住みはじめるのかを考えれば、時期を逆算しての見通しも可能です。

大切なのは、検討前から無理だとあきらめずに、まずは考えてみること。

人生を楽しんでいる人の特徴として、ポジティヴな思考と好奇心の旺盛さがあげられます。10年後・20年後の自分をポジティヴに考え、理想を叶えるためにどうすべきかを楽しみながら調べましょう。ぜひ10年・20年後の自分を想像し、今の自分が持っているものと足りないものを把握したら、実現のために何をすべきかを考えてみてください。

生涯現役でいるために大切な住む場所の選び方

生涯現役で活躍するために、地域とのつながりは欠かせません。しかし多くの人が住む都市部では、他人同士のつながりが希薄になりやすく、コミュニティや自然豊かな生活環境を求めて地方への移住を検討する人も増えています。

2022年にパーソル総合研究所が行った「地方移住に関する実態調査」をもとに、移住者の実態を見ていきましょう。

転職しない移住が増えている

以前は移住には転職を伴うのが一般的でしたが、テレワークが普及した現在では、転職せずに今の職業のまま移住するスタイルが多いです。

画像出典:

「地方移住に関する実態調査」(Phase1)

/パーソル総合研究所

移住の際に転職はしていないと答えたのは、全体の53.4%。

移住に伴い転職した人の割合は全体の43.4%なので、地方への移住は必ずしも転職を伴わない、柔軟なスタイルで進められているのがわかります。

積極的に住む場所を考える人が増えている

移住には「Uターン型」や「Iターン型」、「Jターン型」に「配偶者地縁型」、「多拠点居住型」などさまざまなタイプがありますが、最も多く検討されているのはIターン型です。

Iターン型は全体の56.7%を占め、次に多い多拠点居住型は、全体の40.1%を占めています。

画像出典:

「地方移住に関する実態調査」(Phase1)

/パーソル総合研究所

なお、Iターン型は故郷以外の地域への移住。多拠点居住型は都市部と地方など、2つ以上の生活拠点をもつ移住スタイルです。

知縁や土地勘のないエリアへ移住するIターン型移住や、1つの拠点に縛られない多拠点居住型を検討する人の多さからは、住む場所を自らの意思で決めようとする姿勢が伺えます。

重視される「生活の快適さ」と「自然の豊かさ」

移住先を決めるときに、特に重視されたのは以下の2つの項目です。

地域での日常的な買い物などで不便がない都市部へのアクセスがいい

どの年代でも共通してあげられるのは、「日常的な買い物の不便のなさ」や「都市部へのアクセスのよさ」です。40代以上では「自然が豊かで身近に感じられる」の項目も上位にあがりました。

また「地域に同世代の人が多い」を重視する割合が、50代・60代で増えていることから、都市部からつながりを求めて移住する世帯が増えていると考えられます。

参考:「地方移住に関する実態調査」(Phase1)/パーソル総合研究所

【事例紹介】生涯現役でいるために住む場所を変えたケース

では実際に、生涯現役でいるために住み方を変えた人たちは、どのような思いから移住を決意したのでしょうか。人とのつながりを求めて東京から地方へ移住したケースと、やりがいを求めて東京と函館の二拠点生活を選んだケースの、2つの事例を紹介します。

つながりを求めて選んだ地方への移住

大学卒業後、大手保険会社や出版社を経験し、現在はフリーランスのライター兼編集者として働く藤原綾さん。東京で仕事優先の日々を送っていましたが、父親が突然死したのをきっかけに、両隣の住人の名前すら知らない東京の脆弱さが気になり始めます。

今自分に必要なのは、他人同士助け合えるような地域のつながりだと考え、鹿児島県霧島市への移住を決意。

東京にいても仕事がなくなるリスクは同じ。ならば老後までも見据えて好きな場所で働こうとする藤原さん。生涯現役でいるためにつながりを重視し、住む場所を選択する強さが感じられます。

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二拠点生活で得た人とのつながり

北海道の函館市にシェアオフィスを構える金谷貴明さんは、東京に生活拠点をもちながら、函館に事業拠点をもつ二拠点生活を送っています。

金谷さんが語るのは、東京と函館の二拠点生活で得られた「人とのつながり」。

いつかは函館を拠点に、他の場所でも仕事をしたいと語ります。

自分の目標を死ぬまでにやり遂げたいと望む金谷さんの姿勢からは、生涯現役に欠かせない「やりがいの大切さ」が感じられます。

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生涯現役に欠かせない「人とのつながり」と「やりがい」の大切さ

充実した人生を送りたいという願いは、誰もが一度は持つものです。

生涯現役で活躍するためには、「人とのつながり」と「やりがい」が欠かせませんし、健康な身体も不可欠です。生涯現役で過ごすためにも、改めて自分の仕事や周囲とのあり方を見つめなおし、これからどう過ごすべきかを考えましょう。

構成・文/渡邊真理

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