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「流量を増やすのが必要なんですよ」パリ五輪 トライアスロン セーヌ川水質悪化で延期も開催

文化放送

8月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、パリ五輪トライアスロンのスイム会場・セーヌ川の水質問題に関するニュースについて意見を交わした。

藤井氏「都会の川は流量が少ないから淀んでいる」

SNS(ネット交流サービス)上などで開催の是非を取りざたされたセーヌ川をレース会場に組み込んだトライアスロン。雨の影響でスケジュールに乱れが出たが、開催された。

31日午前8時、未明から降り続いていた雨がピタリとやみ、女子トライアスロンのスタートを告げる号砲が鳴ると、55人の選手らがセーヌ川にかかるアレクサンドル3世橋の下に設置された浮桟橋から次々と飛び込んだ。五輪招致段階から大会の目玉の一つとされてきた「泳げるセーヌ川」のシンボルとなった。

寺島アナ「川をきれいにするっていうのは結構大変なことですよね?」

藤井氏「大変なんですよ。川をきれいにするっていうのは基本的には流量を増やすのが必要なんですよ」

寺島アナ「あっ、水の量を?」

藤井氏「水の量を増やしたらきれいになるんですよ。一番簡単な言い方をすると、上流からきれいな水を流す。だいたい上流からきれいな水が流れてきてますから。都会の川っていうのは流量が少ないから淀んじゃってるんですよね。これをうまく流すような、かなり大掛かりな仕組みが必要になってくるんですよね。カルキ抜き入れたらいいとかそういう問題じゃないんですよね。だからすごい土木的な対策が必要になってくるんですよね。今回のパリ五輪は、ハコモノを作らないで既存のものを使うっていうことをしているわけじゃないですか。ハコモノ作るっていうのは、たとえば昔の東京五輪とかだったらいいわけです。途上国がオリンピックをきっかけにいろんな競技場を作ったり、インフラを作ったりとかして、国家が国威発揚だけじゃなくて、国家のインフラ投資の加速のために使うっていうね」

寺島アナ「(昔の東京五輪は)1964年ですよね?」

藤井氏「そういうときはすごくよかったし、いま日本ってインフラがすごくまた脆弱だからね。万博なんかもそうなんですけど、これを契機に立派なインフラ作っていくっていうのもいいとは思うんですけど、先進国の都市だったらインフラは充分あるんだから既存のものを使いましょうという発想でね、ぼくはこれ、すごく大きな転換だなぁと思いました。で、パリだったらできると。そのときにセーヌ川使うっていうのはね、ぼくはなかなか立派な考え方だなと僕は思いましたね」

セーヌ川は長らく水質汚染が問題視され、1923年から遊泳が禁止されていた。水質悪化の原因は雨天などの増水時における下水の流入だった。パリ市などは五輪に向け下水の流入を減らすため約142億円をかけて地下貯水場を建設するなど対策を進めてきた。

開幕前の17日には川の安全性をPRするため、パリのイダルゴ市長らが泳ぎを披露。下水の流入による水質悪化は根本的に解決されたとは言えない中、自信をみせていた。

しかし、パリでは開会式当日の26~27日にかけて雨が降り続いた。28日に予定された本番前の練習は「水質悪化」により「アスリートの健康が最優先である」として組織委員会などが中止を発表。翌日も水質基準を満たさないとのことで練習は中止になり、男子の試合スケジュールは1日延期となった。

40位でゴールした女子トライアスロン・高橋侑子選手は試合後、川の臭いや濁りについては「ゴーサインが出たことで(水質は)大丈夫だと信じてやった。普段からいろんな環境でやっているのでそんなに気にならなかった」と述べた。

寺島アナ「これ、せっかくここまでやったんですから、オリンピックのあともセーヌ川はきれいなまんまでいてもらいたいですけどね」

藤井氏「付け焼き刃ですね、この対策だったら。水質をきれいにするのは相当大規模な、土木的な対応が必要だって言いましたけど、小規模な土木的対応なんですよね。とりあえず下水をためといて、終わったら流そうみたいな。それやったらアカンやろと。それを再処理場できれいにしてから流すだとかをしないとダメですもんね」

寺島アナ「まぁ、ゆくゆくは時間をかけてでも、お金をかけてでも、セーヌ川きれいにしてもらいたいですよね」

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