【クレープの日】気持ちまで跳ねるかわいさが童心を呼び起こす「クレープカフェ totora」
クレープは、子どもの頃から特別なおやつ。頑張ったときのご褒美、母の買い物を待つ間、ちょっと遠出をしたときに…。
あなたにとって、クレープの思い出はどんなものですか?
毎月9のつく日は「クレープの日」。より身近なおやつにしたいと制定されました。
童心にかえる、横浜の個性豊かなクレープをご紹介します。
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夏休み明けの昼下がり。環状4号線の大きな道を、早くに授業を終えた子供たちが暑さに負けず笑い合いながら歩いている。
横浜市緑区に位置する「十日市場(とおかいちば)」は昔、街道沿いで毎月10日に市場が開かれていたことに由来すると言われており、その区名の通り緑が多い地域。
その豊かな自然と静かな街柄に惹かれこの地にオープンしたという「クレープカフェ totora(ととら)」は、うさぎをモチーフにしたロゴやインテリアの絵本のような世界観に癒されるカフェ。
遊び心のあるメニューで驚きと感動を与えてくれる。
誰かと一緒に過ごしたくなる癒しの場
のぼりを目印に駐車場を抜けると、レンガ調の建物の一階にある。看板に装飾と、うさぎと犬が「いらっしゃい」と呼びかけるようにお出迎え。
メニューはクレープやガレット以外にもご飯ものからサンドイッチ、ナポリタンまでたくさん。
そうしたメニューの豊富さもあって年齢層も幅広く、店内は老若男女いろんな世代のお客さんで賑わっている。車で来店できるため、家族でも利用しやすい。
グリーンを基調としたインテリアがリラックスできる空間を演出。ふと顔を上げた時に見えるさりげない飾りつけが素敵だ。
お腹も心も満たす店に
「totora(ととら)」の店名は、カフェのオーナーが飼っているうさぎの「ととろ」と、カフェを経営する会社のアイドル犬だった「とらた」の名前を合わせたもの。
丸く黄色いクレープ生地が満月に見えることや、月の照明ともイメージがぴったりだったのでうさぎをモチーフにしたのだそう。
作品や雑貨が飾られた店内は物語の1ページが散りばめられたようで、料理が運ばれてくるまでも楽しい。
食材の持ち味を消さない絶妙な塩梅でおいしさを引き出すよう心がけているというメニュー。手間をかけ、手は加えすぎない。食べる人の幸福を願いながら作っている。
そして「他では見たことがないクレープ」を作りたいと、黄色いクレープの真逆をいく商品を開発した。
見たことも味わったこともない、“新感覚和菓子”のようなクレープをいただく。
満月の夜に食べたい!黒いクレープ(イラストあり)
今回いただいたのは
●黒ゴマきなこホイップ白玉 ¥580(税込)
●青リンゴソーダ ¥500(税込)
ホイップの白さが際立つ黒いクレープ。具材だけでなく生地でも個性を出したいと工夫を凝らしたメニューだ。
黒ゴマペーストを加えた生地と相性の良い食材を組み合わせ、多彩な和の味わいが楽しめる。
見た目はシュッとスタイリッシュで上品。白玉なしのタイプもあるが、和菓子好きとしては外せないトッピングだ。
雲海みたいなモコモコのホイップクリームにきなこと抹茶ソースをかけて黒ゴマの香ばしさを引き立てる。
ひと口かじると、クリームと一体になったような生地のやわらかさに思わず目を見開き、未知の食感との出会いに感動。
もち〜っと伸びる生地に笑みがこぼれる。
クレープとしての味わいは残しつつも贅沢なとろけ具合で、白玉のもちゅもちゅ食感がユニークな存在感を放つ。
初めてクリーム大福を食べた時の衝撃に似ているかもしれない。抹茶ソースが甘さを落ち着かせ、きなこの香ばしさが黒ゴマの濃厚さを底上げ。
和のハーモニーで多幸感に包まれる。
お団子をどのタイミングで食べようかなどと悩んでいる私に「安心せよ」とささやくように、中にもしっかりあんこと白玉が隠されていた。
こしあんに近い滑らかな粒あんで、皮が口に残らず全体とのバランスが抜群。
具材の配置にも気を配り、中身が見えないからこそ、食べ進めた時に次々と現れる具材や食べた箇所で違う食感と風味に喜びがあふれる。
ほっこり和み、お団子は最後のひと口と共に豪快にいただいた。
黒ゴマと対比してきれいですよ、とおすすめしてくれた「青リンゴソーダ」。
トロピカルなゼリーと強すぎない炭酸に気持ちがスカッと晴れる。青空と夜空を同時に楽しめる組み合わせで特別な気分に。
カラフルドリンクは3種類あり、この他にも動物を模ったボトルに入れてくれるスペシャルドリンクもあるのでぜひお試しを。
“日常のちょっとした幸せ”を提供
リーズナブルな価格で気軽に利用しやすく、テイクアウトや配達サービスの注文も多いが、親切で細やかな心配りがあたたかい接客が「また食べに行きたい」と思わせてくれる。
食を通じ地域の人たちとの交流を深めながら、これからもお客さんを笑顔にする心温まるお店でありたいと話す。
クレープはなかなか主食になりにくい。
だからこそ空腹を満たすためではなく、心を満たす役割としてクレープなどの甘いものがあるのでは、と考えているそう。
満足感にあふれた表情でお店をあとにするお客さんの姿を見たら、まさにそうだと実感。
なにより私自身の心が満ち足りた状態だ。
やさしさに包まれた店内で、やさしさを包む甘いクレープ。
ここに来ればあなたにも”日常のちょっとした幸せ“が訪れる。
WRITER:まるやまひとみ
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【SHOP INFORMATION】
SHOP:クレープカフェ totora
ADDRESS:神奈川県横浜市十日市場町854-4 石井ビル103
OPEN:11:00~18:30
CLOSE:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日は休み)