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釣り人的『カサゴ』のすべらない料理7選 煮・焼・生で死角なし?

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波止で簡単に釣れるカサゴ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

海の釣り人には身近な魚であるカサゴ。せっかく釣ったのなら、おいしく食べたいものである。そこで今回は、筆者が思うカサゴのおいしい食べ方を5つ紹介したい。

カサゴとは

海でよく釣れるカサゴ、実は高級魚という一面も持つ。味は淡白で上品な白身魚で、煮ても非常にいい出汁が出る魚だ。

深場のカサゴは色が明るい(提供:TSURINEWSライター田中耕二)

市場に流通しているカサゴはお馴染みの「カサゴ」だけでなく、比較的深場に住む近縁種の「ウッカリカサゴ」や「ユメカサゴ」、「アヤメカサゴ」なども、カサゴの名前で売られていることも多いようだ。味は近く、他の種類でも同じように調理して食べられる。

カサゴの捌き方

カサゴを捌く際は、私はまず喉元をはさみで切ってしまう。そのままお腹にはさみを入れ、エラと内臓を出す。それから包丁に持ち替えて、うろこを落としていく。すると大体、下記の写真のような姿になり下処理は完了。刺身にする場合は、ここから三枚おろしにする。

エラと内臓を出しうろこを取った状態(提供:TSURINEWSライター井上海生)

簡単な定番レシピ「煮付け」

なんといってもカサゴの食べ方としておいしいのは、煮付けではないだろうか。

大体中型カサゴなら2匹煮付ければ、その日のおかずには十分。メインディッシュにも、お酒の肴にもいい。個人的には、しょうがの香りが効いているのが好きで、少し多めに入れる。

カサゴの煮付けの作り方

水200mlに酒大さじ3、しょうゆ・みりん・砂糖各大さじ2程度の割合の煮汁としょうがを鍋に入れ、下処理した魚の身を入れるだけ。そのままグツグツ煮付ける。

カサゴ煮付け中(提供:TSURINEWSライター井上海生)

中火で大体7分程度だろうか。身崩れしていないか、お箸でちょっと突いて弾力があるくらいで止める。

釣れたメバルと一緒に煮付けに(提供:TSURINEWSライター井上海生)

卵も煮付けると美味しい

ちなみに、冬の時期は抱卵個体が増える。命をいただくのだから、その卵もおいしく食べたい。卵も煮付けにするとおいしいので、食べてみよう。

刺身は少し寝かせる

カサゴは頭が大きい分、1匹から取れる刺し身の量が少ない。メバルと比べると60%程度になる印象……。とはいえ、まあ良型3匹も釣ってくれば、これくらいの身はとれる。

カサゴの刺し身(提供:TSURINEWSライター井上海生)

白身の淡白な味わい。やはりよく言われるように、熟成した2~3日目以降がおいしいと感じる。酒と塩で揉んでおくと、コリコリとしながらモチモチもしているという、なんともいえない歯ごたえである。

カサゴの刺身の作り方

作り方は三枚おろしにした身から皮を引き、腹骨と血合い骨を取り除いて、適度な大きさに切るだけ。

ちなみにカサゴなど根魚類は皮目に味わいがあるので、あえて皮目を少し残してバーナーで炙りにするのもおいしい。

カサゴの炙り(提供:週刊つりニュース関東版・藤澤一弘)

小さいカサゴは唐揚げで

20cm未満の小型のカサゴは、から揚げにしてもおいしい。15cmぐらいまでの個体ならヒレを取っておけば、骨ごとぼりぼり食べられる。カルシウムたっぷり。ちょっと時間と手間がかかるのが難点だが……。

カサゴのから揚げ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

カサゴの唐揚げの作り方

外はカリッと、中はフワフワにするコツは、背びれの両側横に、ちょっと包丁で切れ目を入れてやることだ。そうすると花のようにきれいに身が開いて揚げあがり、見た目にもおいしそうになる。

揚げる前にカサゴには塩コショウをかけて下味をつける。片栗粉を全体にまぶして、170℃の油で衣がカラっとするまで揚げれば完成だ。

釣り人からの人気が高い味噌汁

カサゴは味噌汁の具にしても抜群である。アングラーの声を聞いても、カサゴは味噌汁が一番という意見も多いようだ。上質な出汁が出る魚なので確かにおいしい。潮汁や鍋など、他の汁物にしてもおいしい魚だ。

波止で釣れたカサゴで作る絶品「潮汁」 決め手は丁寧な下処理にあり!

カサゴの味噌汁の作り方

私は刺身にしたカサゴのあらを味噌汁にしたりする。その大きな頭に食いでがあって、魚の味わいも広がり、風味ある旨さである。また、小さいカサゴを丸ごと出汁&具材として使うのもありだ。

あらは血などをよく掃除し、熱湯をかけて霜降りしておくと臭みが出にくい。丸ごとカサゴを使う場合も、同じくお腹の中やエラ部分などを掃除し、霜降りしておこう。

霜降りしたら、鍋に水と臭み取りの酒を入れ、カサゴも入れて火にかける。アクを取りながら煮込み、煮立ったら味噌を溶いて完成。

カサゴの味噌汁(提供:TSURINEWSライター・菊池英則)

塩焼きも美味しい

たまーに気分でやってみるのだが、カサゴやメバルは塩焼きにしても結構うまい。アジやサバやカマスのように格段に旨いわけではないのだが、まあ普通においしく食べられる。煮付けなどの食べ方に食傷している方は、一度塩焼きを試してみてはどうか。

塩焼きの作り方

作り方は塩をして焼くだけだが、焼く前に塩をしておいて水分を多少抜いておくと、旨味が凝縮して美味しくなる。

干物で旨味を味わう

干物にしてから焼くのもカサゴの旨味が凝縮されておいしくなる。長期保存が利くようになるのもメリット。お酒を嗜む人は手間はかかるものの、骨酒にしてみるのもカサゴの旨味が味わえておすすめ。

カサゴの干物の作り方

頭付きで腹開きや背開きにしてもいいが、三枚おろしにしておくと食べやすい。塩を10%程度に溶かした塩水に30分ほど漬け込み、干して水分を抜けば完成。やや水分を残した一夜干しなら、冷蔵庫にラップをせずに一晩入れておけばお手軽に作れる。

カサゴの一夜干し(提供:TSURINEWSライター・松田正記)

洋風なアクアパッツァもおすすめ

カサゴ類は海外でも食されている魚、洋風の料理にも合う。比較的簡単に作れてカサゴの出汁をしっかり味わえるアクアパッツァもおすすめだ。

アクアパッツァの作り方

フライパンにオリーブオイルを入れ、カサゴを焼く。焼色が付いたら、水(150mlほど)を加えて強火で煮立て、半分にカットしたミニトマトやアサリ、スライスしたニンニクなどを加え強火で煮詰めていく。煮詰まってきたら、最後に大さじ2のオリーブオイルを回し入れ、煮汁が白っぽく乳化するまで煮立てて完成。

カサゴの旬は?

カサゴは通年よく釣れる魚だが、その旬はいつなのだろうか?筆者個人的には冬と感じているが、どうやら夏が一番おいしいとも言われるようだ。ただ実際、何よりカサゴの味は、釣った場所の水質によるところが多いように思う。やはり水が淀んだ湾奥船溜まり、しかも汽水域ではちょっと……という感じか。

とはいえ、私は大阪南港のアングラーだが、最近はどうにも海の水質も水色もよくなっているような気もする。実際、先日釣って持ち帰ったメバルもおいしかった。またカサゴは夏より冬に大型化するので、やはり冬に釣ったものをいただく方が食いでがあり、旬に感じる。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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