サプリの栄養素の効果を見極めないと疲労回復には繋がらないどころか逆効果なワケ【眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話】
意味ないどころか逆効果のものも
栄養素の効果を見極める
疲労回復のために効果があると誤解されているものにビタミンCとアミノ酸があります。ビタミンCを4週間にわたり1日3000m以上を摂取しても抗疲労効果は認められないことがわかっています。ただし、ビタミンCには強い抗酸化力があり、疲労を起こす元凶である活性酸素を攻撃しますので、一時的な除去には役立ちます。ただ、活性酸素は一時的に除去しても何分も待たないうちにまた出現します。抗酸化作用はイミダペプチドのように脳内で持続的に効果を発揮する必要があるのです。
スポーツドリンクやアミノ酸ドリンクに多く配合されている必須アミノ酸「BCAA」も疲労回復効果ありと言われていますが、実はとりすぎると疲労感が増す恐れがあります。さらに問題なのは、必須アミノ酸「トリプトファン」の働きを阻害してしまうこと。BCAAとトリプトファンは、脳に入る際、ともに血液脳関門を通過するため、BCAAを多量に摂取すれば、BCAAが優先されトリプトファンの脳への取り込みが減少します。
トリプトファンは感情の安定に重要な役割を果たす神経伝達物質「セロトニン」の合成に必要不可欠なもの。疲労回復のつもりが、逆にイライラを増すという結果にもなりかねません。サプリメントより1日3食しっかりとることが必要です。
サプリメントは疲れ対策にならない?
マルチビタミンサプリ
サプリより炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルを含むバランスのとれた食事をすることのほうが大事。
ビタミンC、BCAA
長時間での疲労回復効果は実証されていないどころか、疲労感が強くなる恐れもある。体内のアミノ酸バランスを崩す可能性も。
カルシウム
カルシウムを多く摂取しても、99%が骨と歯の成分になり自律神経には作用せず、イライラ解消にはならない。
サプリメントをとるなら……
イミダペプチド&コエンザイムQ10がおすすめ
イミダペプチドは優れた疲労効果を持ち、コエンザイムQ10は体内のすべての細胞内でエネルギーをつくり出す補酵素の役割を果たす。実際、イミダペプチドを摂取後4時間から疲労感が軽減されていくことが証明されている。イミダペプチドサプリを購入する際は「イミダペプチド認証マーク」がついているものを選ぶとよい。
イミダペプチドは疲労感を軽減する
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』著:梶本修身