ジギングでジグ選びに迷走する心理と対策 自分なりの「使えるジグ」を増やそう!
ジギングをやっていて、こんな経験をしたことはないでしょうか? 船中のほかのアングラーは釣れているのに自分だけ蚊帳の外だったり、アタリのなさに耐えかねてジグを次々と交換するも全く駄目だったなど…。思いあたるアングラーも多いと思われます。
こうしたジギングでのありがちな失敗も経験として積み重ねることができれば、レベルアップにつながるのですが、キチンと情報として自分の中で整理できれば、その経験はより重みも増して積み上がっていきます。
実際問題として、ジギングで迷走してしまって闇雲にジグチェンジを繰り返した場合、たまたま釣れたとしても、次回につながる「よい経験」とはいえないことの方が多いといえます。今回はジギングにおける“迷走”のメカニズムとその対策を考えてみたいと思います。
釣れる人と釣れない人の違い
ルアー(擬似餌)を使った釣りは精神的な要素も大いに関係してきます
サクラマスジギングなど、アタリの数が絶対的に少ない釣りや状況が悪くて魚からの反応が薄いときなど、そのアタリの少なさに「このジグで本当に釣れるのだろうか?」などと不安になるものです。ここではおもに釣れない人の失敗の原因を考えてみたいと思います。
釣りの心技体とは
柔道や相撲などのスポーツでよくいわれる言葉に、「心技体」という言葉があります。「心」は精神的な強さ、「技」はテクニック、「体」は体力を意味しています。技や体力があっても心が伴っていなければ勝てないという教えです。
ジギングでも同様に、「心技体」が当てはまるように思います。釣れないときでも、自分を見失わず釣り続けるには精神的な強さが必要です。
テクニックや体力よりもまず心の安定が大切ブラインドの釣り
ジギングは魚の反応を目で確認できないことがほとんどです。こうした肉眼で魚を確認できない釣りは「ブラインドの釣り」といわれています。ジギングではメインラインから伝わる魚の気配やアタリで、魚の存在を確認することになります。
こうした感覚や魚の状態、海中のジグのアクションを考え、イメージしながら釣るのがブラインドの釣りの面白さですが、魚からの反応が極端に少ないとどうしても不安になるのではないでしょうか? 「ジグのアクションやカラーが合ってないのかな…?」などと考えて、負のスパイラルに陥ってしまうこともありますね。
ブラインドの釣りは想像する釣り。どれだけイメージができるかが重要になってきますビギナーズラックの仕組み
「ビギナーズラック」とは、釣りの初心者が初めて経験した釣りでベテランアングラーを差し置いて魚を釣り上げることをいいます。右も左も分からない初心者がなぜよく釣れるのか? その理由はこうです。初心者は言われたことを言われた通りに実行して、その行為に疑念を持たないから。
初心者はそもそもの経験がないため、素直に言われたようにロッドを操作します。それだけで精一杯となりますが、このことが好結果につながりやすいのではないかと思われます。
浮き足立つのはNG
釣りに行けば誰しもが魚を釣りたいと思うものです。そう強く思うあまり、魚からの反応が全くないと疑心暗鬼に陥り、魚の存在そのものやジグの性能、そしてカラーを疑ったりしてしまいがちです。そうなるとますます釣れなくなります…。
不思議なものでそうした疑念が生じるとルアーフィッシングは本当に釣れなくなります。注意力も散漫になり、微かな魚からのシグナルを見落としてしまったり、少ないバイトに対応できずバラしてしまったりとミスが多くなります。釣れないときこそ、真摯に釣りと向き合うことが大切になってきます。
使えるジグを増やす
魚からの反応が全くない状況で、心の中に湧き起こる不安感や猜疑(さいぎ)心に打ち勝つには強い精神力が必要になります。アングラーの精神的な支柱になり得るのは、信頼できる使い慣れたタックルやジグにほかなりません。しかし、なかでもジグは銘柄やカラーも豊富にあって選択の幅が広く、ややもすれば迷いが出てしまうこともあるでしょう。
ここで一番大切なことは、「どれだけ信頼して使用できるか」ということです。
いつも自信を持って使えるジグを増やしていくことが大事
ベンチマークとなるジグを持つこと
使い倒してジグの持つアクションを身体で記憶することで、まず、そのジグを使用したときの感覚を押さえておきましょう。このときの感覚を基準としてとらえ、ほかのジグを使用したときの感覚を評価します。
たとえば、(基準となる)Aのジグと比較してBのジグは「シャクったときの水平姿勢が長い」などと評価しておくのです。ベンチマークとなるジグはいわゆるパイロットジグ、ベーシックジグなどといわれる基本的な性能を備えたものが適しています。まずは自分のメインジグを設定して使い込むことから始めるのがよいでしょう。
こうしてジグのアクションの違いを評価できるようになってから、ほかの銘柄のジグに広げていき、信頼して使用できるジグを徐々に増やしていくのが得策です。
ジグの特性を理解すること
自分のメインジグのアクション特性と比較して、同じような特性を持ったジグなら自分の持ち駒として増やす必要はないでしょう。ですが、ほかのアングラーの使用ジグを確認して自分のジグチョイスのヒントになるわけですから、無駄なことではありません。
それぞれのジグが持つ特性を理解して使いこなすには、相当な時間を要します。ときにはそれぞれの特性を整理できなくなって、結果的に無駄なジグ交換で時間を浪費することも多くあります。
こうした事態を避けるためにもベンチマークとなるジグを中心として、自分の持ち駒のジグの特性をしっかりと把握したうえで釣行することが望ましいのです。
ジグの形状はさまざま。堤防などジグの動きが観察できる場所で実際に動かしてみるとよいでしょう縦軸と横軸で持ち駒を増やす
信頼できるジグは多いに越したことはありません。ベンチマークとなるジグを設定したなら、まずはそのジグを使い倒してください。そして手持ちのジグを増やすときは、そのジグのウェイト違いをそろえていきます。
ウェイトやカラーの違いを縦軸として見れば、横軸はジグの特性の違いととらえ、ベンチマーグとなるジグ特性と異なるジグの持ち駒を増やしていきます。そして、横軸で増やしたジグはさらに縦軸(ウェイトやカラーの違い)方向に持ち駒として増やしていく…。
こうして自信を持って使っていけるジグを増やしていくのがおすすめです。
頭の中にしっかりと持ち駒ジグの特性を整理しておくことで、厳しい状況でも冷静な対応が可能になります。たとえその日は釣れなくても、キチンと冷静に考えて対処すれば、よい経験としてインプットされます。ジグを取っ替え引っ替えして、釣りが迷走した挙句に自分を見失った状態では、次に活かせる経験とはなりません。状況の分析や打開策の構築には、ジグの特性の理解が不可欠だといえるでしょう。
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レポーター
プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ