湘南たべまな便 食文化、親子で触れて なでしこブランド市内9件目
県は1月21日、女性が開発に貢献した優れた商品を紹介する「神奈川なでしこブランド」の今年度の認定商品を発表した。藤沢市からはこどもおりょうりラボ(株)(辻堂西海岸)が手掛ける食育教材キット「湘南たべまな便」を選出。市内の事業者では9件目の認定となった。
女性の活躍を促進しようと、県が2013年度から開始した同事業。10回目を迎えた今年度は100件の応募のうち、10件を認定した。内訳は食料品・飲料3件、生活・文化用品5件、サービス2件。認定商品は過去累計で172件となった。
市内では過去にReSailFactry(立石)の「アップサイクルセイルバッグ」や(株)TOMOMIRESEARCH(遠藤)の「AI外観検査システムTR―100」などが認定を受けている。
「食育を遊びに」
こどもおりょうりラボは、23年設立の企業。代表の入澤理世さん=人物風土記で紹介=が「子どもたちに豊かな『食の原体験』を」という思いから立ち上げた。今回の認定商品のほか、市内保育園での出張授業など食育に関する事業を展開している。
「湘南たべまな便」は1年を通じ、旬の食材や行事食を自宅で手軽に体験できる親子向けの教材。湘南で生産された食材の調理キットのほか、生産者の思いや食材に関する知識、食文化のあらましを学べる絵本やワークシート、リーフレットが同梱。多忙のため家庭で食育を行うのが難しい未就学児の保護者などから注文があり、人気を博しているという。
昨年は味噌、梅シロップ作り、キノコ狩り体験、元旦準備体験などの内容を販売。今年は新たに柏餅作りと、地元を舞台にした絵本を企画中だ。認定商品に込めた思いを入澤さんは「幼少期に親子間で食にまつわる思い出がある人は、大人になってからも料理に前向きでいられる。ぜひ食の原体験に役立ててもらえたら」と話した。
同商品は現在、公式サイトで販売している。
今年度で事業終了
なでしこブランドは今年度を最後に幕を下ろす。黒岩祐治知事は「時代が『女性ならでは』から『ジェンダー平等』に変わり、商品PRによる女性活躍の機運醸成の波及効果が少なくなってきた。ブランドが果たす役割は終えた」と説明した。認定式は2月1日(土)に横浜市のマークイズみなとみらいで開かれ、副知事から認定証が贈呈されるほか、認定商品の展示・一部販売がある。