【横須賀 ショップレポ】BOOKS&COFFEE AMIS(エイミス) -読書シーズンをおしゃれに楽しむ
おそらく横須賀きっての奇人でしょうか。もちろん、褒め言葉です。本に対する思い入れ、そして愛情の度合いが明らかに常人とは異なるゆえ、この方を筆者はあえて奇人と称します。
奇人の名は稲葉恵一さん(73歳)。そして、稲葉さんの営む古本屋が『BOOKS&COFFEE AMIS(エイミス)』です。
店先から漂う〝本好きさん、いらっしゃい!〟
京急横須賀中央駅下車。西口改札を出て、右手の長い坂を上り切り、信号を右に曲がった中里商店街の中程、日除けテントが目印です。
店先の向かって右側には洋書系ビジュアル本がズラリ。かたや入り口を挟んで左側は横須賀の史料本や店主イチオシの小説類が並びます。
古本屋ほど、オーナーの趣味や了見が全面に出る商売はないと言いますが、なるほどの佇まいです。開店は9年前。「65歳を迎えて、ずっと夢見ていた理想的な古本屋を作ろうと一念発起しました」(以下稲葉さん)
すべての本が店主のお墨付き
店内に入ると、4,000冊を軽く超える本たちが新しい読み手を待っています。
主に古今東西の小説が中心ですが、内外の写真集や映画関係書、旅行ガイド本の他、児童書もチラホラ。着物や料理の生活実用書も目にとまります。
本の状態はほとんどが新古書並みのいわゆる良品。もっとも、値段はきちんと古本らしい(?)価格帯です。
「扱っている本はすべて自分の目に適ったモノだけです。今は休日などを利用して、同業店などを歩き回って見つけてくる。ウチは買い取りをしてないんですよ」
ちなみに本棚はすべて特注とか。大判の美術書、単行本、文庫本、それぞれの大きさを考慮してのしつらいで、結果、無駄なく、本がお行儀良く気をつけ!をしているようです。
実は稲葉さん、青山ブックセンター六本木店(通称ABC六本木店。2018年閉店)の店長さんだった時期があります。
本好きの人なら一度は耳にした店名でしょう。土地柄、話題の本やアートなビジュアル本が集まるハイセンスな人気大型書店です。
「サブカルチャーの発信基地みたいな店でした。著名な方々も随分と来店されていた。マイケル・ジャクソン、カトリーヌ・ドヌーブあたりが一番の思い出です」。
エイミスはそんなABCのエッセンスをギュッと凝縮させたような古本屋と言えます。実は筆者も六本木店の常連だったので、間違った私感ではないはずです。
喫茶スペースは人生相談所?
店内左側には喫茶コーナーもあります。
小さなテーブルが配されていて、定員は3〜4名。メニューはドリップコーヒー 400円(税込)、そして、オーガニックなジュース類 各400円(税込)で、梅、シソ、夏蜜柑など。なお、これらの果汁シロップは奥様の手作りです。
買い求めた本をコーヒー片手に読み始める人は当然、いらっしゃいますが、〝人生相談〟の場にもなっているとか。
「今、こんな事で迷っているんだけど、参考になるような本ってありませんか…なんて、相談を受ける事、意外に多いんですよ」。
最近、ブックセラピストというカウンセラーが話題になりつつありますが、稲葉さん、その先駆者的存在でしょうか。取材最後に〝稲葉さん奇人説〟を投げかけたら、「当たってますね」と笑って頷いていただきました。
『BOOKS&COFFEE AMIS(エイミス)』、今や地元の文化拠点にもなりつつある古本屋です。
BOOKS&COFFEE AMIS
営業時間
11:00〜18:00(日曜日のみ〜17:00)
定休日
月曜日
電話番号
ありません
支払い方法
現金のみ
アクセス
京急横須賀中央駅より徒歩8分
住所:横須賀市上町1-41
駐車場:なし