見るからに凶暴そうな巨大アロワナの仲間「シファクティヌス」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】
シファクティヌス
見るからに凶暴そうな巨大アロワナの仲間
シファクティヌスは、硬い骨をもつ硬骨魚類のうち条鰭類と呼ばれるグループで、現在生きているもののなかでは、アロワナに近い仲間であると考えられています。
化石はカナダ、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、アルゼンチンで見つかっており、中生代白亜紀に生息していました。
白亜紀は非常に海面の高い時代で、たとえば北アメリカ大陸では、北極海とカリブ海をつなぐ浅く細長い海、西部内陸海路(ウエスタン・インテリア・シーウェイ)によって、北アメリカ大陸も東側と西側に隔てられていました。
シファクティヌスはこの海にも、首長竜などのモササウルス類やサメの仲間などと共存していたようです。
アロワナの仲間は小魚を丸呑みにする肉食魚として現在も生息していますが、シファクティヌスの迫力はその比ではありません。
まず、大きさは最大で5・5メートル。アゴには犬歯のような鋭く大きな歯をもち、いかにも凶悪そうな顔つきで、口は非常に大きく開くことができました。
幅広い発達した尾をもつため、速度のある泳ぎを可能にしました。性格は獰猛で、海面付近を素早く動き、上アゴを駆使して海鳥や魚などを捕まえていたといいます。
シファクティヌスには、有名な化石があります。親戚にあたる種のギリクスという魚の化石が腹部にあたる部分に含まれているもので、消化した形跡はありません。おそらく丸呑みにした直後に何らかの理由で死んでしまい、そのまま化石になったのでしょう。
口に入ればすべて丸飲み シファクティヌス
シファクティヌス
古生代 白亜紀 条鰭類
アロワナ類
イクチオデクテス類
約5.5メートル
現生するアロワナ類で最大はピラルクー
アゴに犬歯のような巨大な歯が並んでいたこともありブルドッグに似ているともいわれている。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之