アール・デコ期の服飾が集結する「アール・デコとモード」が1月25日まで『三菱一号館美術館』で開催中
1920年代を中心に世界を席巻した装飾様式「アール・デコ」。その服飾コレクションを中心に、同時代の絵画や版画、工芸品まで計約310点が展示される「アール・デコとモード」が2025年1月25日(日)まで、東京都千代田区の『三菱一号館美術館』で開催されている。TOP画像=ジャン・パトゥ イヴニング・ドレス(部分)1927年 京都服飾文化研究財団 撮影=来田猛。
パリ屈指のメゾンが生み出す1920年代のドレスが集結
2025年はパリで開催された装飾芸術の博覧会、通称アール・デコ博覧会から100年目にあたる年。この記念の年に合わせて、京都服飾文化研究財団(KCI)が誇る世界的な服飾コレクションから、この時代を表す選りすぐりのドレスや服飾小物(帽子、バッグ、靴)、資料類に加えて国内外に所蔵される同時代の絵画、版画、工芸品など、合計約310点を紹介する。
会場にはポワレやランバン、シャネルといったパリ屈指のメゾンが生み出すドレスが登場し、アール・デコ特有の幾何学的で直線的なデザインや細やかな装飾が散りばめられたドレスや、ウエストを絞らない簡潔なシルエット、ひざ下まで上がったスカート丈などから当時の流行が見てとれる。古い慣習から解放され、活動的で自由な女性たちが好む現代的なスタイルが受け入れられてから100年。時を経て今なおモードに影響を与え続けていることをうかがい知ることができる。
今に受け継がれるアール・デコ期のモードをたどる
全8章にわたってアール・デコ期の服飾を紹介する本展。
服飾を芸術性の高い産業のひとつに位置づけたアール・デコ博覧会の役割に迫る第2章「アール・デコ博覧会とモード、芸術家との協働」や、幅広い層から支持を得たランバンの優雅なドレスや、時代の変化に敏感だったシャネルの活動的な新しい女性のワードローブを紹介する第3章「オートクチュール全盛期の女性クチュリエたち」など、一世を風靡した当時のモードがジュエリーや化粧道具といった現代につながるアイテムとともに展示される。さらにドレスを身に纏(まと)った女性の姿を描いた絵画、日本の漆芸を学んだ工芸家ジャン・デュナンによる斬新なアイデアの服飾小物など幅広いアイテムが並び、“アール・デコ期”の空気を感じられる。
開催概要
「アール・デコとモード」
開催期間:2025年10月11日(土)~2026年1月25日(日)
開催時間:10:00~18:00(1月2日を除く金・会期最終週平日・第2水は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(祝・振替休除く)・12月31日(水)・1月1日(木)
(トークフリーデーの10月27日・11月24日・12月29日と1月19日は開館)
会場:三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)
アクセス:JR東京駅から徒歩5分、地下鉄千代田線二重橋前〈丸の内〉駅から徒歩3分、JR・地下鉄有楽町駅から徒歩6分、地下鉄日比谷駅から徒歩3分、地下鉄丸ノ内線東京駅から徒歩6分
観覧料:一般2300円、大学生・専門学校生1300円、高校生1000円、小・中学生無料
※障害者手帳をお持ちの人は当日一般料金の半額、その介護者1名は無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://mimt.jp/ex/artdeco2025/
取材・文=前田真紀 ※画像提供は主催者
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。