釜石SWホーム開幕戦 愛知に7-52 反則、ミスで失点招く 強化のFWは力発揮
NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は10日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでシーズン初戦を迎えた。相手は昨季2部3位の豊田自動織機シャトルズ愛知。4位の釜石は昨季の愛知との2戦目で6点差に詰め寄っており、今季開幕時のチーム力が注目された。試合の結果は7-52(前半0-19)。残念ながら、開幕を勝利で飾ることはできなかった。第2節は16日、3部から昇格したNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と敵地で対戦する。
釜石は新加入の6人を先発に起用。前半は随所でいいタックルも見られ、粘りのディフェンスで途中までは互角の戦い。一方で、相手の強いプレッシャーの中で9つの反則を取られ、試合の流れを渡してしまう場面も。愛知に3トライを許した。得点のチャンスだったSO中村良真のPGはゴールポストに跳ね返され、前半は無得点に終わった。
釜石の初トライは後半20分。愛知に5本目のトライを決められた直後、ナンバー8に入った2年目のセタ・コロイタマナが期待通りのゲインライン超え。素早く右に展開すると、タッチライン際のWTB小野航大にきれいにつながり、小野の前方へのキックパスを今季新加入のFB吉川遼がきっちり決めた。中村のゴールも成功。これを機に反撃に転じたい釜石だったが、ラインアウトのミスやアタックのリズムを作れなかったことなどで追加点に至らず、7-52の大差で敗れた。
試合後、須田康夫ヘッドコーチは「もう少しやれるかなとは思ったが、シャトルズさんの成長、チーム力強化が素晴らしかった」と開幕時での力の差を認めた。それでも強化してきたスクラムが安定し、体を張ったディフェンスで相手を止められる場面も増えていて、「やってきた成果は出ている。規律、落ち着いたアタックで自分たちの形を作れればさらに良くなる」と新たな修正点を見据えた。
小野航大主将も「課題の多いゲームになった。ブレイクダウンの集散、トランジション(攻守の切り替わり)の部分は修正できるところ。ペナルティーも減らしたい」と反省点を示した。一方で、「体を当てるところでは互角でやれている感覚はあった。コリジョン(接点)に関しては自信を持って臨みたい」と手応えを感じ、メンタルの変革も課題に挙げた。
釜石SWのホームでのリーグワン開幕戦は初めて。地元小中学生はホストゲームの無料観戦ができるドリームパスポートを利用、65歳以上の高齢者はシニアサンクスデーの無料招待で観戦するなどし、この日の来場者数は1245人。会場内では新発売の選手名入りタオルなどのグッズ販売コーナーがにぎわい、試合前には応援練習も行われた。