火災現場から救出された愛猫 安堵で泣き崩れる飼い主の姿が胸に響く(米)
先月25日、米カリフォルニア州の民家で火災が発生した。燃える我が家を目の前にした家主は、駆けつけた消防隊員らに「うちの猫を助けてくれ!」と懇願した。そして消防隊員が猫を救出すると、家主の男性は地面に膝をついて愛猫を抱きしめたまま泣き崩れた。この様子を捉えた動画が公開されると、多くの人の胸に響いたようで「本当に心打たれる瞬間」といった声があがっている。米ニュースメディア『FOX 11 Los Angeles』などが伝えた。
米カリフォルニア州サンフランシスコのターザーナにある民家で、先月25日午後11時に火災が発生した。家主のアイザック・ワイズマンさん(Isaac Wiseman)はこの日、家族と朝から出掛けており、午後11時前に帰宅した。
ところが、引っ越したばかりでわずか2か月しか住んでいない我が家が、遠くから確認できるほど大きな炎を上げて燃えていた。家財道具がすべて燃えていく様子を目の前にしてショックを受けたアイザックさんだったが、大切なものは一つだけで、それが愛猫の“チーター(Cheetah、14)”だった。
当時の様子を捉えた動画には、燃える我が家を目の前にして「猫が! うちの猫がまだ中にいるんだ! お願いだ。助けてくれ!」と、駆けつけたロサンゼルス消防隊に懇願するアイザックさんの姿が映っている。アイザックさんは自ら炎が勢い増す家に入ってチーターを助けようとしたが、消防隊員らに止められてしまった。
アイザックさんの悲痛な声を聞いた消防隊員らは、室内に突入し、チーターを見つけて救出することができた。外で待機していたアイザックさんは、消防隊員からチーターを受け取ると、人目をはばからず地面に膝をついてチーターを抱きしめ、声をあげて涙を流した。
チーターは少しぐったりとした様子で、犬のように舌を出して苦しそうに口呼吸をしていたが、自力で立とうとする様子も見られた。その後、車の座席に横になったチーターの様子もカメラに映っており、アイザックさんに撫でられて心地よさそうに目を細めていた。
すぐに動物病院の救急外来へ運ばれたチーターは、獣医の診察により、多くの煙を吸い込んでいたことが分かった。24時間にわたって注意深く観察された後、現在は退院して安静に過ごしている。
チーターは、アイザックさんの娘が幼い時に飼い始めた猫で、子猫の頃から一緒に過ごしてきた。前妻との離婚が決まり、娘と離れて暮らすことになったが、チーターはアイザックさんが引き取ることにした。
「娘の猫だったので、チーターの面倒をしっかり見ると約束したんです。チーターは私にとって我が子同然なので、チーターを失うことは子どもを失うのと同じことなんです。猫が生きていること、それが一番大事なことです」と、アイザックさんはチーターへの強い思いを明かした。
アイザックさんが泣き崩れる様子を捉えた動画が各メディアに公開されると、「動物好きの人は、この人の心境を理解できるよ」「ペットを失うのって本当に辛いから、この猫が無事で良かった」「うちの犬や猫が同じ状況になったら、私もこの人と同じリアクションをすると思う」「この動画を見ているだけで涙が出てくる」「この人が猫を抱きしめる様子は、本当に心打たれるね」などといった声が寄せられた。
なお、今回の火災で負傷者は出ておらず、現在は出火原因の調査が行われている。
ちなみに2021年10月にはスペインで、火山噴火に巻き込まれて心肺停止状態に陥った子猫が、救助隊員による心肺蘇生法を受けて息を吹き返していた。
画像は『Euro ES Euro 「 Cat rescued from house fire in Tarzana - Telemundo 52」(Telemundo 52)』『FOX 11 Los Angeles 「LA firefighters rescue cat from burning home in Tarzana」(FOX 11)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)