【鎌倉 イベントレポ】特別展「集結!北斎のエナジー -肉筆浮世絵の殿堂ー
鎌倉といえば鶴岡八幡宮を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
その境内にひっそりと佇む鎌倉国宝館で、今浮世絵ファンにはたまらない特別展が開催されています。
それが「集結!北斎のエナジー -肉筆浮世絵の殿堂-」。
鎌倉国宝館で北斎のエナジーを体感!
出典:湘南人
鎌倉国宝館は鶴岡八幡宮の中にあるこの建物です。
今回の展示は、鎌倉国宝館に設置されている氏家浮世絵コレクションの設立50周年を記念したもの。
氏家武雄(1903〜80)が生涯をかけて収集した肉筆浮世絵を中心に、全国から貴重な北斎作品が集結しています。
「北斎」といえば誰もが知る『冨嶽三十六景』をはじめとした版画の名手ですが、今回はその版画ではなく、北斎自らが筆をとって描いた一点物の肉筆画が勢揃い。画家としての息遣いや個性を直接感じられる貴重な機会です。
鶴岡八幡宮の境内で歴史に浸る
鎌倉国宝館は、鶴岡八幡宮の敷地内にあります。
鶴岡八幡宮では、桜もとても綺麗に咲いていました。
出典:湘南人
参拝客で賑わう本殿を通り過ぎて奥へ進むと、緑に囲まれた静かなエリアに国宝館が現れます。
和風建築の落ち着いた佇まいは、歴史ある鎌倉にふさわしい趣きです。
いざ館内へ。
北斎のエナジーに圧倒!
「龍図(小布施町東町祭屋台天上絵)」
屋台の天井に描かれた北斎の巨大な龍の絵です。
出典:湘南人
黒々とした筆致で荒々しく描かれた龍が、今にも飛び出してきそうな迫力!
近くでしっかり見れてよかったです。
これが屋台の天井にあると考えるとも北斎の筆力と大胆な構図に圧倒されました。
続いて目にしたのは、北斎の代表作である『冨嶽三十六景 凱風快晴』。
こちらは肉筆画ではなく、大判錦絵の版画ですが、その知名度は抜群です。
通称「赤富士」と呼ばれるこの作品は、晴れた日の朝日に染まる富士山を描いたもの。
大胆な色使いと構図は、まさに北斎の代名詞ともいえる一枚です。
実物を間近で見ると、紙の質感や色の濃淡が伝わってきて、思わず見入ってしまいました。
さらに、岩佐勝重の「職人尽図屏風」にも目を奪われました。
出典:湘南人
北斎とは異なる画風ですが、江戸時代の職人たちの生き生きとした姿が繊細に描かれており、まるで当時にタイムスリップしたかのよう。屏風ならではのダイナミックな構成で、細部まで見入ってしまいます。
氏家コレクションの功績
この展覧会は、鎌倉市と氏家武雄氏が手を取り合って設立した「氏家浮世絵コレクション」の50周年記念として開催されています。
氏家氏は「浮世絵は我が国独自の創造的なものであり、世界に誇れるもの」として、一点物の肉筆浮世絵にこだわって収集しました。海外流出を防ぐために奔走し、私財を投じてコレクションを形成したという熱意には頭が下がります。
北斎をもっと深く知るなら、関連イベントに参加するのがおすすめ!
展示を見るだけではもったいない!4月26日(土)には、北斎や浮世絵に関する貴重な講演会やシンポジウムが開催されます。
北斎の作品をより深く理解できる絶好のチャンスなので、興味のある方は訪れてみてください。
① 講演会「北斎の画業 絵画作品の豊かな世界」
• 日時:4月26日(土)10時30分~12時00分
• 講師:内藤正人氏(慶應義塾大学教授)
• 会場:鶴岡八幡宮 直会殿
• 定員:150名(参加無料)
• 参加方法:開場30分前より整理券を配布(先着順)
北斎の作品がいかに多彩で、絵画としてどれほど優れているかを専門家の視点から学べる貴重な機会です。
② シンポジウム「蒐集と保存 ~コレクションのこれから~」
• 日時:4月26日(土)13時30分~16時30分
• 会場:鶴岡八幡宮 直会殿
• 定員:150名(参加無料)
• 参加方法:開場30分前より整理券を配布(先着順)
コレクションがどのようにつくられ、守られながら、次世代へ伝えていくのかについて考えるシンポジウム。北斎の作品だけでなく、文化財全般に興味がある方にもおすすめです。
鎌倉観光と合わせて楽しむのもおすすめ
展示は5月11日まで開催されているので、春の鎌倉観光と合わせて訪れるのもおすすめです。鶴岡八幡宮を参拝した後に立ち寄れば、歴史とアートを一度に楽しめます。
また、鎌倉駅周辺にはカフェや雑貨屋がたくさんあるので、北斎の余韻に浸りながら散策するのも良いですね。
まとめ
「集結!北斎のエナジー」では、肉筆浮世絵ならではの筆致や表現の力強さを直に体感できました。
写真では伝わらない、作品の迫力や北斎の情熱を目の前で感じられる貴重な展示です。
北斎好きはもちろん、美術ファンや歴史好きにもたまらない内容なので、ぜひこの機会に鎌倉国宝館を行ってみてください!
特別展「集結!北斎のエナジー -肉筆浮世絵の殿堂ー
開催期間
2025年3月29日(土曜日)~5月11日(日曜日)
休館日
月曜日(5月第2週はすべて開館)
展示解説
4月12日(土曜日)、4月19日(土曜日)、5月3日(土曜日) 14時から開催
(注)参加無料(要観覧料)。申込不要。
開催時間
9時~16時30分(入館は16時00分まで)
開催場所
鎌倉国宝館
〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目1−1
JR横須賀線鎌倉駅・江ノ電鎌倉駅から徒歩約12分
江ノ電バス「鎌倉八幡宮」停留所、もしくは京急バス「大学前」停留所から徒歩約3分
駐車場:なし
観覧料
一般:700円(600円)小中学生:300円(200円)
(注)( )内は20名以上団体料金
(注)身体障がい者手帳の交付を受けた方と付き添い1名、鎌倉市に通学している小学生~大学院生及び市内在住の方は観覧料が無料となりますので、受付に身分証・手帳・学生証・カード等を提示してください。