身近な「命の門番」に 専修大で研修会〈川崎市多摩区〉
専修大学生田キャンパスで昨年12月21日、ゲートキーパーの知識とスキルを学ぶ研修会が初めて開催された。同大と川崎市、神奈川県が主催、学生や教職員53人が参加した。
ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気が付き、適切な対応ができる人のことで、「命の門番」とも言われる。自殺予防対策に詳しい武蔵野大学の小高真美教授が研修を行った。
小高教授は、自殺を考えている人の「いつもとの違い」に気が付き、声をかけることや話を聞くことなど、どのように接すれば良いかのポイントを伝えた。
また、「そんなの大したことではありません」といった価値観を押し付ける声かけなどは避けるべきと強調した。その後、悩んでいる人と聞く側に分かれたロールプレイングも行われた。参加した同大の3年生は「友人が困っていたとき、研修会を思い出して話を聞けたら」と述べた。
同大の学生相談室でカウンセラーを務める光川利恵さんは「悩みを持っていても、相談室までたどりつけない学生もいる。身近な人たちで自殺を防げるようになれば」と話した。小高教授は「熱心に話を聴いてくれた。一人一人が自殺予防の視点を持つことが大切」と振り返った。
同キャンパスの図書館では、自殺予防やメンタルヘルスの本を約20冊展示する企画も。今後、研修会第2弾の開催も検討していくという。