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釜石から世界の舞台へ― 高橋潤さんベンチプレス競技で日本代表候補に 狙うは“一番いい色”のメダル

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 地元釜石市でパワーリフティング競技を続ける会社員高橋潤さん(60)が、同競技の種目の一つ「ベンチプレス」で、2025年に開催される3国際大会への出場権を獲得した。本格的に筋力トレーニングを始めて10年ほどという高橋さん。3年前から同競技での全国大会出場を果たし、世界に通用する力をつけてきた。「釜石から世界王者に」と目標を掲げ、勝負の年に「必ず結果を残したい」と意気込む。

 高橋さんは、1月24~26日に茨城県つくば市で開かれた全日本ベンチプレス選手権大会「第26回クラシック部門」(日本パワーリフティング協会主催)に出場。マスターズ3(60代)の男子93キロ級で140キロのバーベルを挙げ、3位に入った。同大会は本年5月の世界大会(ノルウェー)、7月のアジア・アフリカ大会(日本/兵庫県姫路市)、10月のアジア大会(香港)の日本代表選考を兼ねており、高橋さんはその出場権を獲得した。

1月につくば市で開かれた全日本ベンチプレス選手権大会「第26回クラシック部門」=写真提供:高橋潤さん


自身の競技時の映像を見せ、大会の様子を話す高橋さん


 ベンチプレスはベンチ台にあおむけになり、ラックからバーベルを外し、一度胸まで下ろした後、肘がしっかり伸びるまで押し上げ、再びラックに戻す競技。全ての動作は審判員の合図で行い、合図の前に動かすと反則。尻や頭が台から浮いてしまったり、バーの挙動が乱れると失敗とみなされる。試技は一人3回。申請した重量で行う。

市営プールのトレーニングルームでベンチプレスを見せていただきました!


ベンチプレス一連の流れ。①ベンチ台にあおむけになりバーベルを握る ②ラックから外して肘を伸ばして構える ③バーを胸まで下ろして静止させる ④肘がしっかり伸びるまで押し上げる


 今大会で高橋さんは1回目135キロ、2回目140キロを成功させたが、145キロに挑戦した3回目で持ち手のミスのためやり直しとなり、競技時間1分をオーバー。悔しくも試技ができずに終った。同階級には4人が出場。1位の選手は150キロを挙げた。

 ウエイトトレーニングの集大成とされるパワーリフティング競技は、スクワット(脚力)、ベンチプレス(腕力)、デッドリフト(背筋力)の3種目があり、持ち上げたバーベルの総重量を競う。3種の大会のほか種目別の大会があり、中でもベンチプレスは一番人気の種目。日本の競技レベルは世界トップクラスで、国際大会での優勝者も多数。団体優勝もしている。

 初の国際大会出場権を得た高橋さんは「3年前に3種の全国大会で8位になってから、頑張れば国際大会にも行けると確信していた。やっと夢がかなう…」。自身のベンチプレス公式自己ベストは142.5キロ。「私の年代・階級だと、直近3年の国際大会優勝者の記録は135キロぐらい。しっかり準備して、自分の持てる力を確実に出せればトップは狙える」とみる。だが、「実際の大会では、みんな前評判よりも伸びてくる。それを上回らなければ」と、さらなる成長を期したい考え。

大会で獲得した銅メダルを手にする高橋さん。全日本チームのTシャツを着用


 高橋さんは学生時代から野球やスキーに打ち込んできた。東日本大震災前まではテニスをしていたが、震災後、市内にテニスコートがなくなり競技を断念。3年ほどウオーキングを続けていた時に、筋力トレーニングに興味を持った。2016年の岩手国体で、久慈市の選手がパワーリフティング(公開競技)で優勝したことにも刺激を受け、本格的に全国大会を目指し始めた。

 現在は市営プール(大平町)内のトレーニングルームでの週2回の練習、職場の廃材で自作したバーベルを使ってのトレーニングなどで、競技のための体づくりや技の鍛錬に励む。2~3カ月に一度、東京や大阪、札幌にも遠征。世界チャンピオンの選手から直接指導も受けている。国際大会出場のための協会の教育プログラムにも目下奮闘中。

身長175センチ、体重88キロ。トレーニングとともに食事にも気を付け、体を作る


 パワーリフティング競技では本県から国際大会出場者が複数出ていて、優勝、準優勝と上位成績を収めている。釜石市からは高橋さんが初。「岩手では世界レベルで活躍するスポーツ選手が各地から出ている。自分が国際大会でいい成績を残すことで、地元の若い世代が世界を身近に感じ、スポーツで上を目指す選手が増えてくれれば」と高橋さん。「国際アスリートの経験を後進のために役立てたい」との思いもあり、世界の舞台での活躍を誓う。

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