オレンジ色のホタテ貝柱「赤玉」 発生率0.1%と希少性は高いも気になるお味は?
ときどき見つかる「オレンジ色のホタテ貝柱」。一体どんな味がするのでしょうか?
オレンジのホタテが混ざってる
先日、スーパーの鮮魚売り場を冷やかしていると、ホタテガイが特売となっていました。せっかくなのでホタテガイの刺身と炒め物でも作ろうかと思って手に取ったのですが、強い違和感が。
よく見てみると、パックに入ったホタテガイの貝柱の中に、ひとつだけ異様にオレンジ色のものが入っていたのです。
どう見ても違うものなのですが、特に注釈もなく普通に売られていたので、確認の意味も込めて購入。持ち帰り、調べてみることにしました。
なぜこんな色?
調べてみると、ホタテガイの貝柱は時々このような色になるものがあるそうです。流通の上では「赤玉」と呼ばれて区別されることもあるといいます。
一般的なホタテガイの貝柱と比べ、赤玉はペクテノロンという物質を多く含んでいます。このペクテノロンはニンジンのβカロチンやトマトのリコピンと同じカルテノイドであり、オレンジの色味を持っているため、このような色になるそうです。
ペクテノロンはホタテガイの餌となるプランクトンから取り込まれると考えられています。一般的なホタテガイも、生殖巣の色合いはオレンジ色であり、これもペクテノロンによるものです。
食べて大丈夫?味は?
さてこの赤玉ホタテガイ貝柱、いったいどんな味がするのでしょうか。
購入したものを刺身で食べてみると、普通の貝柱がサクッと軽い歯切れ、柔らかな貝の風味と甘味があるのに対し、この赤玉はややネットリとした歯切れに、アカガイやバカガイのような強い二枚貝の風味がありました。
人によってはちょっと匂いが気になるかもしれませんが、二枚貝の生食を好む人にとってはむしろ味と風味が濃く、美味しいと感じるかもしれません。
赤玉の発生率は0.1%ほどとされており、なかなかレアモノです。見かけたら恐れることなくトライしてみてください。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>