ジュビロ磐田が喪章をつけて臨むアビスパ福岡戦。横内監督「スキラッチさんに捧げるゴールを」
ジュビロ磐田の横内昭展監督は他界した元イタリア代表FWで磐田でもプレーしたサルバトーレ・スキラッチさんについて「世界で知らない人がいないぐらい有名な選手で大きなインパクトが残っている。磐田は日本を代表する数多くのストライカーが生まれたクラブ。今の選手が継承して点を取ってスキラッチさんを送り出したい」。9月21日の次節アビスパ福岡戦は磐田の選手、スタッフが喪章を付けて試合に臨みます。
一問一答
ー福岡戦のポイントは。
「福岡戦だけではないが、入りはすごく集中して入らないといけない。相手も最近勝てていない。自分たちのストロングを徹底してやってくるはず。しっかり集中して対応したい。ただそれを恐れて後ろ向きになるのではなく、我々もしっかり矢印を前に向けてやっていきたい」
ー選手たちは堅い試合になりそうと言っていた。どう崩すか。
「そういう試合になるかもしれないし、こればっかりはやってみないと分からない。相手は失点数が少ないチーム。ここ最近失点しているとはいえ、トータルの失点は本当に少ない。
守りはチームとしてのストロングかなと。そういう相手に対し簡単ではないが、奪った瞬間、相手が陣形を整える前に攻撃する。しっかり戻られてブロックをつくられても怖がらず、その中に進入することはやっていきたい」
ー先日、スキラッチさんが死去した。監督とは同世代。対戦はあったか。
「僕自身はない。ただ世界的に有名な選手がJリーグに来た。世界で知らない人がいないぐらいな選手で大きなインパクトが残っている。僕も年齢が近いので、本当に早すぎるなと強く思う。彼のプレーはみなさんの心に残っていると思う」
ースキラッチさんについて。ストライカーの決定力はどんな時代でもすごい。
「僕も同じチームで何人かストライカーがいた。点を取れる選手は、『ここにポジションとって』というよりは局面にそこにいる。なんでいるんだろうというのは以前から思っていた。現時点でもそこにいることができる選手が点を取ると感じている」
ー決定力のある選手の共通点は。
「共通点は、体の向きだったり、出してもらう球への要求だったり、こだわりを持っている選手が多かった。あとは取れるところにいる。技術や判断が付いてくるが。そういうものを持っている選手かなと思う」
ー指導者目線で伝える難しさは。
「プロに入っている選手はそういう部分を持っていて、経験の中で研ぎ澄まされていく。若い年代の選手だとひとつアドバイスすると、自分で3、4、5、10になっていく。そういう選手が点を取れるストライカーになっていった」
ースキラッチさんは何センチにこだわっていた。磐田でも継承されるべきものでは。
「磐田ではすごく継承されている。数多くの日本を代表するストライカーが生まれたクラブ。それを今いる選手たちがしっかり継承して点を取ってくれるのを今一番望んでいる」
ー磐田の勝利はもちろん、ストライカーが決めてスキラッチさんにささげる試合になればいい。
「本当にその通りで、そういう意味で明日のゲームで示すことがスキラッチさんを送り出すものなのかなと思う」
ー柏戦でレオゴメス選手の状態が上がっている。
「新しく加入した外国人選手はJリーグの夏場は経験しないと分からない。そういう意味では疲労もたまっていたと思う。中断があってリフレッシュできて状態はいい。体ではなく、Jリーグの選手やチームにもアジャストしてきている」
ー福岡戦。こぼれ球の回収がポイントになりそう。
「町田とやった時も同じような相手で、立ち上がりでつなぎのストロングの部分で圧倒されてしまった。今回ももちろん強みを持っている。同じようなことは繰り返したくない。まずそういうところで戦えるか、こぼれ球を拾えるか。しっかり準備したいと強く思う」