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​【「文芸静岡」第94号】 若い世代の作品、積極登用

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けするアート&カルチャーに関するコラム。今回は静岡県文学連盟発行「文芸静岡」第94号から。

1963年12月、当時静岡大で教えていた作家の高杉一郎(1908~2008年)の主導によって創刊された総合文芸誌「文芸静岡」の最新号は、大きなチャレンジが仕掛けられている。

若い才能の発掘を目的に「招待席」というコーナーを設け、10~30代の作品を広く募った。第94号はそれが初めて形になった、記念すべき一冊だ。

渡邉諒さん(静岡市葵区、20代)の短歌連作「夢見草」は花火、スイカ、桜並木、黒部ダムの虹のアーチなど、色彩を強く感じさせる10首。浅木アキラさん(静岡市清水区、30代)の「新しい池」も10首の連作。アマガエル、アメンボ、ユキノシタなど近隣の生き物を定点観測する視点が貫かれている。

鈴木健斗さん(静岡市葵区、18歳)の小説「罪状」は精神に変調を来した主人公の思考を、一人語りで描写する。恋人との別れ、母や担当医の「裏切り」―。一人語りであるがために、縷縷語られている出来事の真偽の境目が見えない。虚実を行ったり来たりしているような、「ゆらぎ」の感覚が楽しい。(は)

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