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冬でも食中毒には要注意! 体調をキープしたい冬の「免疫力アップ弁当」とは?

サカイク

食中毒は夏場だけのものではありません。

FC東京の栄養アドバイザーを勤めている管理栄養士の久保田尚子さんに伺ったところ、実は冬も食中毒対策は必須なのだとか。

冬は風やインフルエンザが流行する時期ですが、子どもが受験を控えているご家庭は特に体調管理に気をつかう時期でもあります。

冬の食中毒対策と免疫力について伺いました。
(取材・文:小林博子)

 

(写真はお弁当のイメージ)

 

<<前編:おいしく食べて午後も元気なサッカーのエネルギー源にするお弁当の中身とは?

 

■食中毒対策の基本は夏と同じと心得て 

食材が傷みやすい夏ほどではないにしても、冬に食中毒が皆無になるわけではなく、お弁当が傷むシーンは多々あります。

暖房が効いた室内や車内や、直射日光が当たる窓辺に長時間置いてあれば、夏のように暖かくなることも。また、胃腸炎のウイルスなど冬ならではの食中毒もあります。

お弁当づくりの食中毒対策は季節に関わらず「つけない! 増やさない! やっつける!」を守り、容器は詰める前にしっかり洗い消毒をする、食材にはしっかり火を通す、熱々のまま密封しない、食材を素手で触らないなどの基本は夏と変わらず行いましょう。

また、冬場でも温度管理に気を遣うべきものには保冷剤を付けることを忘れずに。

 

■スープジャー内の細菌の繁殖に注意 「熱いものを熱い器に入れる」が鉄則

(写真はスープジャーのイメージ)

 

冬のお弁当の人気アイテムであるスープジャーは、使い方によっては食中毒を起こしやすいアイテムに様変わりしてしまいます。人間にとって飲み頃の30〜40℃は細菌が繁殖しやすい温度でもあります。

スープジャー内での細菌の繁殖を抑える方法は、まず朝は高い温度にして持たせること。スープ類を入れる前に熱いお湯であらかじめスープジャーを温めておきましょう。

熱湯に近い温度のお湯であれば殺菌効果もあり一石二鳥になりますし、何より容器が冷たいままよりも中に入れたスープの保温性もぐっと上がり、お昼に蓋をあけるまで高温をキープできます。

中に入れるスープはコーンスープクラムチャウダーなど牛乳を使用したものや、シチューやカレーなど粘度の高いものは傷みやすいため避けることも対策の1つです。

クリーム系のスープを飲みたい場合は、スープジャーにはお湯だけを入れておき、食べる直前に粉タイプのスープの素を入れて食べることをおすすめします。

 

■サッカーをするために必要なのエネルギーは炭水化物

チームによっては試合日のお昼ご飯に指定されることもあるおにぎり。子どもの栄養摂取の観点から、具材にたんぱく質を選びたくなる親御さんは多いと思いますが、前回の記事でお伝えしたように冷めて固まる脂を使った具材は味わいの面から冬場はおすすめしません。また、衛生面からも炊き込みご飯などは傷みやすくなる可能性があります。

ではどうしたらいい? と思うかもしれませんが、たんぱく質を意識しすぎて炭水化物が疎かになることが最も避けたいことです。

サッカーをするために必要なエネルギー源は米や小麦などの炭水化物。体内に蓄えた炭水化物は、個人差はありますが6時間程度で空っぽになってしまいます。


少なくとも運動時の食事ではエネルギー源になる炭水化物が最優先と考えて下さい。

3食バランスよく食べるのがもちろん理想ですが、もしお弁当が炭水化物中心で、たんぱく質が足りないなどバランスがとれなかったとしても、前後の食事で補えばいいので気にしすぎなくても大丈夫です。

実はご飯には、たんぱく質も案外含まれているのです。

※参考;おにぎり1個(110g)に含まれるたんぱく質は約2.8g。もしおにぎりを3個食べたとしたら、たんぱく質は約8.3gとれます。ちなみに、牛乳200mlには約6.9gです。

  

■「おにぎり嫌い」な子はどうしたらいい?

「冬は特におにぎりを嫌がる」という子もいるようです。

その場合は、前回ご紹介したようにスープジャーの中にうどんなどを入れるのも手段の1つ。また、米ではなくパンでもかまわないとのことです。

ただし、パンは脂質を過剰摂取しがちなのが懸念点。脂質は消化に時間がかかるため午後のパフォーマンスに悪い影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。脂っこいものを挟んだサンドイッチや、バターをたくさん使った菓子パンなどは避けましょう。

 

■免疫力をキープする栄養素3つ 感染症対策には粘膜強化が有効 

(写真は柑橘類のイメージ)

 

風邪やインフルエンザなど、細菌やウイルスで罹る感染症対策のため、免疫力の向上は冬の命題です。せっかく食べるなら免疫力をあげるものを食べてもらいたいところですね。

意識したい栄養素は以下の3つです。

 

・ビタミンC
体内に侵入したウイルスや細菌に対する抗体を作り出す白血球の1種である「マクロファージ」の働きを助けるほか、コラーゲン生成を促すことで粘膜を強化してくれます。そのほか、抗ストレスホルモンの生成も助けてくれます。

〈ビタミンCを多く含む食材〉
柑橘類、キウィフルーツ、パプリカ、ブロッコリー、じゃがいも、さつまいも など

 

・β‐カロテン(ビタミンA)
β‐カロテンは体内でビタミンAに変換され、粘膜の強化をサポート。粘膜が強くなるとウイルスや細菌の侵入を阻止してくれるため、感染症にかかりにくい体になります。

〈β‐カロテン(ビタミンA)を多く含む食材〉
ニンジン、ほうれん草、モロヘイヤ、レバー など

 

・ビタミンD
以前はカルシウムの吸収促進が注目されていたビタミンDですが、最近は免疫力向上やアレルギー症状改善の働きが注目されています。サッカーのように屋外で活動する選手は紫外線を浴びることで体内でも合成されますが、免疫力向上のためには食事から摂ることも意識してみましょう。

〈ビタミンDを多く含む食材〉
鮭、しらす干し、うなぎ、まいたけ、きくらげ、干しシイタケ  など

 

 

■保護者は最強のサポーター

今回お話を伺った久保田さんのもとには、Jr.ユースやユースチームで栄養サポートをしてきた選手がトップ選手になったりしてからも栄養の相談をしてきてくれたり、食事の写真を送ってくれることもあるとか。

育成年代で保護者やコーチの助言もあって食事の大切さもしっかり学び、よい栄養バランスが自然と身についていることがうかがえて嬉しいと話してくれました。

体づくりやコンディション維持の重要な部分を占める食事だからこそ、おいしく食べながら自然な形で身に付けることができたら理想的ですね。

 

久保田尚子
管理栄養士
1997年からFC東京。(1998年までは前身の「東京ガスフットボールクラブ」)にて管理栄養士としてトップチームの選手の栄養指導を行う。現在はFC東京トップチームから育成セクション(U-18、U-15)までの栄養アドバイザーとして栄養面からサポートしている。

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