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わが子に合う放デイ探し。活動内容、送迎、雰囲気…見学での確認ポイントは?

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わが子に合う放デイ探し。活動内容、送迎、雰囲気…見学での確認ポイントは?

監修:藤井明子

小児科専門医 /小児神経専門医/てんかん専門医/どんぐり発達クリニック院長

児童発達支援から放課後等デイサービスへの移行ができない!?

ねこ太は2歳の頃から、児童発達支援の事業所に通っていました。

その施設では放課後等デイサービスも行っていたので、小学生になってもそのまま同じ事業所でお世話になるつもりでいたのですが、利用希望を伝えたところ、「うちの放課後等デイサービスは、知的障害(知的発達症)のお子さんを主な対象としているため、ねこ太くんはご利用いただけないんです……」とのこと。

同じ事業所でも、児童発達支援と放課後等デイサービスでは対象や特色が違うなんて……びっくりしました。そんな経緯があり、私たちは急きょ小学校入学に向けて新たに放課後等デイサービスを探すことになったのです。

息子に合う事業所はどれ?選択肢がありすぎて探すのに一苦労

うちの自治体は、放課後等デイサービスがかなり多い地域です。とてもありがたいことですが、選択肢が多い分、調べるのにも選ぶのにも時間がかかります。自分一人で調べるのは大変そうだったので、通っていた児童発達支援事業所の支援員さんにいろいろとアドバイスをもらい、いくつか候補を絞ることにしました。

ひとことで放課後等デイサービスと言っても、運動、学習、視覚運動、社会性の発達、生活訓練など、それぞれに特化した事業所があり、さまざまな特色があります。

まずはねこ太に必要な支援を提供している事業所を絞り、そこから送迎の有無、家からの距離、今現在の空き状況を調べて見学を申し込みました。

実際に見学に行って雰囲気を見てみる大切さ

私はSST(対人関係や社会生活に必要なスキルを学ぶトレーニング)と運動に特化した事業所に問い合わせていくつか見学に行くことにしました。児童発達支援事業所を探していた時にも感じたのですが、やはり実際に足を運んで、施設の雰囲気を肌で感じたり、管理責任者の先生から直接お話を聞けるのはとても大切だと思います。

見学時に質問したいことをメモにまとめ、疑問点を漏らさず聞けるように工夫。事前の準備があることで、短い時間でも効率よく情報を得られました。

見学の際には、職員の方々の対応や子どもたちの様子、活動の内容や雰囲気をしっかり観察するように意識して、ねこ太が安心して過ごせそうか、楽しんで取り組めそうな環境かをイメージしながら見るようにしました。

また、送迎のルートや曜日ごとの活動内容、職員の人数や配置など、どういう資格を持った先生が在籍しているのかを確認。細かいかもしれませんが、こういう確認は実際に通い始めてからの安心感や通いやすさにつながる大事なポイントだと思っています。そのおかげで納得のいく放課後等デイサービスに通うことが決定しました。

放課後等デイサービスに通い始めて2年経った今、息子に起きた変化とは?

ねこ太は現在小学校3年生になり、放課後等デイサービスに通い始めて丸2年経ちました。放課後等デイサービスでとても仲の良いお友だちができて、それはもう楽しそうに通っています。

先生方の支援のおかげで苦手なことも少しずつ克服していて、日々成長を感じます。新しい挑戦にも前向きに取り組めるようになってきて、少しずつ自信を持つようになりました。以前は参加しようとしなかった活動にも今では少しずつ参加できるようになり、その姿を見る度にうれしさと感謝の気持ちでいっぱいです。

これからもねこ太が自分のペースで成長し、さまざまな経験を積み重ねて自信を深めていけるよう、放課後等デイサービスのサポートを受けながら成長を見守っていきたいと思います。

執筆/鳥野とり子

(監修:藤井先生より)
児童発達支援施設は未就学の0歳から6歳のお子さんを対象にし、放課後等デイサービスは小学生から高校生までのお子さんを対象にしています。放課後等等デイサービスの対象となる年齢幅があるため、多くの施設があり、施設により内容も違います。あらかじめWebサイトなどで情報収集し、質問事項を整理した上で見学されたのが良かったですね。ねこ太さんが、放課後等デイサービスや学校など、社会とのつながりの中で成長していくのは良いことですね。学校や家以外での、ほっと安心できる場所、地域に見守られた経験はこれからの成長の糧となります。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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