【世にも奇妙な韓ドラ】久しぶりに遭遇した「途中離脱しない」Netflix新作ドラマ
今、Danmee(ダンミ)編集部内で話題になっている韓国ドラマがある。編集長は思いがけず一気見、ライターの私もすっかりハマってしまった。
4月4日にNetflix(ネットフリックス)で公開され、現在(4月14日時点)同サービスの視聴ランキングである『今日のTV番組TOP10(日本)』で、第6位にランクインしている『悪縁』(Netflix/2025)だ。
近年、既視感のある作品が目立ち、先が読めると観るのをやめる人もいるようだが、本作は途中離脱を許さない。「掴めたかな」と思いきやひらりとかわされ、必死になって追いかけたくなる魅力が。また、全6話というコンパクトな話数といい、内容の濃さといい、テンポといい、全てがとにかく丁度いい。
久しぶりに途中離脱が頭をよぎらない作品といっても過言ではない『悪縁』。韓ドラにマンネリを感じているドラマファンでもきっと楽しめるはず。気になるあらすじと魅力を一部紹介する。
(図)Danmee 日本の韓国ドラマファンが厳選!爽やか韓流代表 パク・ボゴム出演ドラマ
あらすじ
物語は非常にシンプル。登場人物6人の悪縁を描いた犯罪スリラーだ。パク・ヘス扮する交通事故の目撃者と、シン・ミナ扮するトラウマを持つ神経外科医を中心に、切りたくても切れない悪縁によって結ばれた6人の物語が繰り広げられていく。
予備知識なしに観はじめたら誰が主演なのか分からないほど、各キャラクターのエピソードが濃厚で見応え抜群。様々な理由によって別々の事件に関わる者たちが、絶妙に絡み合いながら1つのストーリーが完成している。
圧巻の展開と伏線を散りばめつつ、人間の心理を突いた演出と脚本、そして役者の演技でラストまでしっかり魅せてくれる作品だ。
1人の男の悪行をきっかけに始まる“悪縁”
特に、悪縁の連鎖の持っていき方があっぱれ。「そういう風につなげてくるのか」と、思わず感嘆せずにはいられない構成になっている。
そんな物語の全ての始まりは、イ・ヒジュン扮する借金まみれの男ジェヨンが思いついたとんでもない計画。父親の保険金を返済に充てようと、交通事故に見せかけて殺害するよう同僚に依頼したのをきっかけに、様々な人間が1本の糸でつながれていく。
どこかで躊躇するだろうと思いきや、一寸の迷いもなく成功だけを祈る姿は予想外だが、もっと驚くのは死体が発見されてから。
彼の計画では、殺人現場である路地で見つかるはずだったのに、山に埋まっていたと警察から聞かされたのだ。いよいよ、先の気になる奇妙なストーリーのはじまりはじまり~!
埋めた本人は意外にもすぐに明かされ、遺棄するに至った動機にも頷くだろう。しかしジェヨンの父親を殺害した本人ではないのが一癖あり、1つ問題が解決したかと思えば、また別の新たな謎を視聴者に投げてくる。
そこにパク・ヘス扮する目撃者の男まで登場するなど、ジェヨンの悪行をきっかけに、悪い奴らが勢揃い。登場人物が複雑に絡み合うが非常に分かりやすい相関関係と設定で、様々な悪人がいるからこそ面白さを増していく。
パク・ヘスの熱演
そしてそんな個性豊かなキャラクターを演じている役者陣の演技力の高さも、本作を盛り上げている大きなポイントの1つ。
なかでも、パク・ヘスの誇張しすぎずそれでいて役の内面をしっかりと描き出す目つきや表情、声の微妙な抑揚は圧巻だ。演じていないのではないかと思うほど自然で、だからこそ見入ってしまうだろう。動きや演出頼りではなく、演技でスリルを観る者に届けている。
その他、シン・ミナやイ・ヒジュンはもちろん、キム・ソンギュン、イ・グァンス、コン・スンヨンなど、錚々たる役者陣の演技バトルにもご注目。彼ら彼女らが一直線上に並んだ時、「そういうことだったのか」と、思わず声を漏らすに違いない。
(ライター/西谷瀬里)