いい夫婦の日!忘れていた人は次の機会はこれ! デザイナーのセンス光るオーダーケーキ 【札幌】
「大好きなアーティストの一曲をイメージしたケーキを」「『赤毛のアン』の世界を表現してほしい」ー。こんな依頼に応えてくれる菓子店が札幌にあります。食べるのがもったいないほどの傑作ぞろい。直径12センチの “おいしいアート”の世界をのぞいてみましょう。
札幌市中央区の洋菓子店「菓子を仕立てるカシミヤ」。こぢんまりとして見えるビルの2階の工房で、オーダーケーキを予約販売しています。まずは、どのようなケーキを作ってもらえるのか、一部を写真で紹介します。
「2匹の飼いネコをモチーフに」との注文で作った2つのケーキ。クッキーでできた主役のネコが、自家製マロングラッセやミニカヌレ、花の形のパイやクッキーに囲まれて幸せそうです。
銀河を表現したケーキ。丸いチョコでできた惑星の模様がリアルです。チョコの中には、オレンジピールやドライクランベリー、いちじくが入っていて、一つ一つが違ったおいしさなのも楽しいです。
独創的なケーキを作っているのは、矢野佳糸美さん(51)。パティシエとアートディレクターというふたつの肩書きを生かして活躍しています。
矢野さんはグラフィックデザイナーとして26年間活動してきました。企業のブランディングを手がけ、ロゴやパッケージを考案。企業からの要望を的確に聞き取って形にしていく、やりがいのある仕事でした。
一方、子供の頃の憧れの職業はお菓子屋さん。「母にドーナツやクッキーの生地を作ってもらい、粘土遊びのように型抜きしたり丸めたりするのが大好きでした」と振り返ります。
グラフィックデザイナーのかたわら、プライベートで趣味のお菓子作りを極めていく中で、ある思いが湧き上がってきました。「グラフィックデザインの経験を生かしたお菓子屋さんを開きたい」。勤めていた会社を2020年に退職し、開業準備を経て、2022年5月に工房を構えました。
ケーキの注文はまず、申し込みフォームなどで寄せてもらいますが、その後、矢野さんは依頼主と電話でなるべく直接話すようにしているそう。
例えば、「かわいい感じにして」という依頼が来た場合。シンプルでナチュラルな雰囲気、カラフルでメルヘンっぽい雰囲気など、「その人が求めている『かわいい』の基準はいろいろと違うので、具体的なお話を聞いてイメージを膨らませます」と矢野さん。味のバランスも考えて全体のデザインをまとめていきます。
「赤毛のアン」が大好きという人からの依頼。麦わら帽子はクッキー、三つ編みはチョコレートクリームです。麦わら帽子の細かい模様を再現するため、粘土工作用の細工棒を活用。ケーキの飾りもすべて食べられるよう、小さいパーツも手作りします。
「お菓子作り用の市販の器具では細部を表現しきれないこともあり、小さなメイク道具や工作道具を工夫して使ったり、自分で道具を作ったりすることもあります」(矢野さん)というこだわりです。
「ラッパーのDOTAMAさんが歌う『冷血』という曲をイメージして」という注文の際には、曲を聞いた上で、ピンと張り詰めた冷たい世界を真っ青なレアチーズタルトやクラッシュゼリーで表現。依頼主がこの曲に対して感じるという「どんな状況でも夢を叶えていく強い意志」を、チョコレートで作った赤い水玉でプラスしました。
依頼主は道外在住。SNSで矢野さんのケーキを見て、北海道旅行に合わせてわざわざ注文してくれたそうです。
焼き菓子もかわいいデザインで、看板商品は「水玉バターサンド」です。イチゴやレモンなど4種類の味。北海道産発酵バターを使ったバタークリームをしっかりと味わえるよう、3センチもの厚さがあります。冷凍のままアイスのように食べても、解凍してクッキーとクリームを馴染ませて食べても楽しめます。
「このお菓子を全国へ広めるため、配送システムを整えたい」と、クラウドファンディングを9月に実施。目標金額の2.5倍の70万円以上を達成できました。水玉バターサンドのおいしさはもちろん、矢野さんの真摯な姿勢や人柄が多くの人を魅了したのでしょう。
工房では焼き菓子を販売。取材した日には「水玉ジャムサンドクッキー」(330円)や、自家製マロングラッセを載せた「マロンフィナンシェ」(350円)などがありました。ブルーチーズとブルーベリーのフィナンシェや、ココアとブラックペッパーのクッキーなど、個性的で大人の味わいのお菓子が登場する日も。販売内容は日替わり、日程は月替わりです。
店名の「カシミヤ」は、矢野さんの下の名前をかけているだけではありません。柔らかく、上質で、少ししか取ることができない貴重なカシミヤになぞらえ、「自分のお菓子もそうありたい」という矢野さんの願いや目標が込められています。
オーダーメイドの服が自分にぴったりと合うように、「自分の気持ちや理想にぴったりと寄り添ってくれる唯一無二のオーダーケーキ」を味わってみませんか。
ケーキのオーダーは受け取り希望日の8日前まで。価格は4号(直径12センチ)6,480円から。デザインの内容や使用する素材などによって料金が変わります。詳細、申し込みはHPへ。
SASARUがオリジナルケーキをオーダーしてみました!
詳しくはこちら:オリジナルケーキ大盛況!デザイナーが作る「喜ばせケーキ」発見!【札幌】
https://sasaru.media/article/gourmet/20241114_003/
菓子を仕立てるカシミヤ
住所:札幌市中央区北4条西14丁目1-35、カネソビル2階
電話:011-590-4759
営業時間:平日は午前11時〜午後7時、土・日曜は正午〜午後6時(焼き菓子販売日はInstagramで告知)
定休日:火曜のほか、不定休
HP:https://www.kashimiya-sweets.com/
Instagram:@kashimiya_sweets
(上記の情報は記事作成時のものです。
最新情報は上記問い合わせ窓口へご確認下さい)