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厳選食材の日替わり定食にメガ盛りカレー!『練馬区職員レストラン Ra dish』のお値打ちランチ

さんたつ

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安くておいしいランチが食べたい。そんなときは近くの役所へ足を運んでみるのをおすすめしたい。役所内の食堂って、そこで働いている人のための、いわゆる“社食”のイメージがあるけど、実は一般の人も利用できるところがほとんど。リーズナブルなだけでなく、栄養バランスも考えられているし、地元ならではのオリジナリティに富んだメニューが楽しめたりする。そんな役所の食堂のランチを食べ歩きます。 東京23区の北西部にあり、埼玉県と隣接する練馬区。練馬駅から徒歩5分ほどの場所にある練馬区役所内の『練馬区職員レストラン Ra dish(ラ ディッシュ)』では、料理人がひと手間、ふた手間かけて素材のおいしさを引き出したオリジナリティあふれるメニューがお値打ちでいただける。

練馬区職員レストラン Ra dish(ねりまくしょくいんれすとらん らでぃっしゅ)

一般の人も利用できる“職員レストラン”

区全体の面積の約4分の1が自然におおわれており、住宅地の中に畑が広がるのどかな風景が見られる練馬区。西武鉄道と都営地下鉄が乗り入れていている練馬駅の周辺は、商業施設や飲食店が充実していて利便性が高いエリアだ。西武鉄道の練馬駅西口を出て、都道439号を渡った先から「やすらぎ歩道橋」を通って練馬区役所に向かう。

練馬駅からはやすらぎ歩道橋を通ると便利。区役所2階に直結する。
こちらは幹線道路に面した区役所本庁舎1階正面の入り口。向かって右に西庁舎、左に東庁舎の入り口がある。

本庁舎の1階は広々とした吹き抜けのアトリウムになっていて、奥には区民事務所の窓口があってにぎやかだ。最上階には展望ロビーがあり、新宿の高層ビル群や東京スカイツリー、晴れた日には遠くに富士山も眺められる。

本庁舎20階展望ロビーから東京スカイツリー方面を望む。暗くなれば夜景もきれいだろうなー。

練馬区役所には2つのレストランがある。1つは本庁舎の20階にある『展望レストラン』。

今回訪ねるのはもう1つ、西庁舎地下にある『練馬区職員レストラン Ra dish』だ。“職員レストラン”と名がつくが、一般の人も利用できる。

本庁舎1階のアトリウムの隅にある淡水魚の水槽の先が西庁舎への連絡通路だ。

水槽では練馬区内の川に生息する魚を展示。

西庁舎に入ったらエレベーターで地下へ。売店を通り過ぎた奥にレストランがある。お昼12時を過ぎると区役所の職員さんで大行列になるので、ランチタイム営業(11時~)が開始してすぐ、もしくは13時以降の来店がおすすめだ。

レストラン入り口に到着。入ると右手にサンプルメニューと券売機が並ぶ。
ショーケースに並ぶサンプルを見て注文を決めよう。

ずらりと並ぶサンプルメニューは見てるだけもわくわくする。カレーやそば・うどんといった定番メニューは、サイズやトッピングなどバリエーションが豊富だ。定食は定番の豚汁定食630円のほか、日替わりランチがAランチ700円、Bランチ600円の2種類ある。取材当日の日替わりメニューは、Aランチがカレイとホキのオレンジ風味揚げ、Bランチが蒸し鶏の葱ソース。

「オレンジ風味揚げ」っていうのがちょっとオシャレな響きで気になるので、今日はAランチをいただくことに決定! 食券を買って厨房カウンターに並ぼう。

絶妙な揚げ加減の白身魚に甘酢あんかけでご飯が進む!

広々として明るい店内。テーブル間に余裕があって、トレーを持っての移動もスムーズ。

店内はとても広く、地下だけど窓もある。窓際はカウンター席になっているので、一人でも利用しやすい。壁にテレビがあるのもいいなー。お昼時にちょこっとテレビが見られるのってうれしい。

メニューごとに列に並び厨房カウンターへ。

厨房の入り口でトレーとカトラリーを準備し、カウンターで食券を渡して待つと、ほどなくしてAランチが完成。テーブルに移動していただきます!

Aランチ700円。メインのおかずにご飯、味噌汁、小鉢が付く。

カレイとホキのオレンジ風味揚げは彩り豊か。小鉢は日替わりで、この日は切り干し大根だ。ご飯は白米と玄米から選べる。

お米は契約農家さんから直接仕入れる茨城県産コシヒカリ。『Ra dish』を運営する会社の社長さん自ら現地に足を運んで選んだこだわりのお米だそう。

カレイとホキのオレンジ風味揚げ。手前がカレイ、右と奥はホキ。

さっそくメインのカレイとホキのオレンジ風味揚げをいただこう。かすかに感じるオレンジの香りが食欲をそそる。ガブリとひと口。外はカリサク、中の白身魚がふんわりの絶妙な揚げ加減でおいしい! カレイはほっくり、ホキはふわっとした感じ。2種類の食感が楽しめてお得感がある。

こちらはカレイ。あんかけソースの甘酸っぱさでご飯が進む進む!

「フライというか、から揚げに近いですね。ちょうどいい食感に仕上がるよう、揚げ時間に注意しています」と教えてくれたのは、チーフの宮澤晋二さん。時間帯によっては目が回るほど忙しいはずなのに、細かいところにまで手を抜かないんですね。

「昨今の物価高で食材の調達も厳しい。でも、できるだけお安く提供したい。低価格の食材でも、ひと手間ふた手間かけることで、お客さまに満足していただけるものを作ることを心がけています」。食材のおいしさを引き出すのは料理人の腕次第。そのこだわり、すてきです。

チーフの宮沢晋二さん。元々は和食の料理人だったそう。

最後に付け合わせのスパゲティをパクリ。ワンプレートにちょこっとのったスパゲティって、食事の満足度アップにけっこう重要な役割を果たしてるよね。ほんのりしょうゆ味でこれもおいしいー!

「付け合わせの味付けは、メインによって変えています。洋風でしたらマヨネーズ系のパスタにしたり、ケチャップ系にしたり。メインの邪魔をしないように薄めの味付けにしています」

全体のバランスまでばっちり計算されたランチ。最後までおいしくいただきました。ごちそうさまでした!

具が見当たらないほど溶け込んだ名物カレー

おなかがいっぱいになってからもう一度ショーケースのサンプルメニューを眺め、あらためて気になったのがカレーライスだ。「当食堂のカレーは、香味野菜をじっくりとろとろに煮ることで溶け込んだカレールウに挽き肉が入っております」と添え書きがある。

カレーライス490円。味噌汁付き。ルウに溶け込んだ具とは別に、後のせの揚げナスがトッピングされる。

店内に駆け戻ってカレーについて聞いてみると「具の形がなくなるほどじっくり時間をかけて煮込んでいているんですよ。たまにお客様に『具がないじゃないか』って言われることもあって」と宮澤さんは笑う。

たしかに、ルウはとろりとしていて固形物は見当たらない。ひと口いただくと、まろやかさを感じた後にスパイスの刺激が追いかけてきて、口の中に心地よい辛さが広がる。野菜の甘みが溶け出しているのだろうか、コクがあって、これはクセになる味! どんどん食べ進めたくなる。

鶏ひき肉、タマネギ、ニンジンをじっくり煮込み、数種類のスパイスを加えた自家製カレー。

「通常のカレーライスの3倍の量のメガカレーもあります。注文を受けてお客さまの目の前でご飯をよそい始めると、その量に驚いて『ちょっと待ってください!』とおっしゃる方もいて(笑)。この値段でまさかこの量だとは思わないみたいですね。そういうときは“メガ”から“大盛り”に変更をおすすめするんです」と宮澤さん。

メガカレー800円。写真だとわかりづらいが、この皿は料理を運ぶトレーとほぼ同じ大きさだ。メガカツカレーは980円。

ちなみにカレーライスにも味噌汁が付いてくる。そうとは知らず味噌汁70円の食券を買ってしまうお客さんもいるらしいので気を付けて。

それからショーケース内にもう1つ気になる添え書きが。

「ご飯を冷奴に変更が可能です」。つまり定食のご飯は白米・玄米・豆腐の中から選べるということですね。これは健康志向の人や糖質制限をしている人にとってありがたいサービスだ。

ご飯のサンプルの上にちょこんとのったメッセージ。

健康志向の人にはプラントミートを使用した豆ミートパスタ650円もおすすめ。「言われなければ大豆とはわからないと思いますよ」と宮澤さん。ここにもきっと宮澤さんのひと手間が効いてるんだろうな。

ショーケース内でひと際目を引くミートパスタ。宙に浮くフォークは食品サンプルの代表格だ。

『Ra dish』で豆ミートパスタを食べると、価格の内の20円が“TABLE FOR TWO”に寄付される。“TABLE FOR TWO”は「開発途上国の飢餓」と「先進国の肥満や生活習慣病の問題」に同時に取り組む社会貢献運動。

先進国でヘルシーな食事を1食とることで開発途上国に1食が贈られる仕組みとなっている。20円は開発途上国の給食1食分だそう。自分が健康になりながら社会貢献もできるなんて、画期的な取り組みだ。

帰りに立ち寄った西庁舎10階のハーブテラスから夕焼けをバックにした富士山が見えた。

次に来たときは、カレーをがっつり食べたいなー。メガは無理かもしれないけれど。でも豆ミートパスタの「まるでお肉」感も体験したいし、その日のメニューを見てまた日替わりランチを注文してしまうかも……。当日の気分とおなかのコンディションで決めることにしよっと。

※2025年4月よりメニューが変わります。

練馬区職員レストラン Ra dish(ねりまくしょくいんれすとらん らでぃっしゅ)
住所:東京都練馬区豊玉北6-12-1 練馬区役所西庁舎B1/営業時間:8:00~8:30(モーニングメニュー)・11:00~14:40LO/定休日:土・日・祝/アクセス:私鉄・地下鉄練馬駅から徒歩5分

取材・文・撮影=マルヤマミキ

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