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一皿に込める日本料理の粋。名古屋の名店「日本料理 𡈽方」が魅せる美学

料理王国

一皿に込める日本料理の粋。名古屋の名店「日本料理 𡈽方」が魅せる美学

レクサスオーナーのための特別な食体験「LEXUS DINING JOURNEY」。
東海エリア第1号店として、そして『料理王国』とのコラボレーション企画の初店舗として、登場するのは名古屋・丸の内にひっそりと佇む「日本料理 𡈽方」。
選び抜いた素材を、余すことなく生かす“素直な料理”を提供し続ける料理人・土方章司さんの哲学には、素材を尊重し、文化をつなぎ、未来を見据えるサステナブルな視座が息づいている。

素材に寄り添う、日本料理人の“再出発”

名古屋屈指のオフィス街である丸の内エリアにある、「日本料理 𡈽方」。ミシュラン三つ星の誉れを受けながらも、その佇まいにはどこか控えめさを感じさせる。
完全予約制で席はカウンターのみ8席。日本らしい美意識が施された空間を、重厚な一枚板がずしりと貫いている。

同店の魅力は、なんといっても素材の味を堪能できる「足し引きの妙」を感じられる点にある。
料理人にとって主役はあくまでも素材。
カウンター越しの土方さんの佇まいからは、そんなメッセージを受け取ることができる。

土方さんがこの地に店を構えたのは、今から約12年前のこと。
それ以前は、今の店の雰囲気とは真反対の、いわゆる「大バコ」の店を営んでいた。

「名古屋の店でいくつか修行し、29歳で独立して、中川区で『京加茂』という60席くらいある大きな店を切り盛りしていました。そこでかれこれ20年くらい仕事していたころ、レクサスブランドが国内に導入された際に営業部のトップを務められた方がお店にいらっしゃったことがあったんです」

自身の料理のあり方について日々探究心を燃やしていた土方さんは、思い切ってその人に話しかけた。「どれだけ料理人の道を続けていても、なかなかレクサスのようなブランドにはなれませんね」。
すると彼はこう返したという。
「レクサスのような店を作りたいなら、戦略から見直さなくてはいけないですね」。

この一言に感銘を受けた土方さんは、思い切って店を閉める決断をする。
そして目標を「名古屋でミシュランの星付き店になること」に定め、国内外のあらゆる星付きの店を見て回って研究した。
そうして2013年に誕生させたのが「日本料理 𡈽方」だ。
カウンターだけの小さな店で、お客様の顔を見ながら素材と向き合う料理を提供する。
それが土方さんの求めた姿だった。

その後、2020年には念願だったミシュランでの三つ星を獲得。
現在予約は6ヶ月先までいっぱいの、名古屋を代表する名店にまでなったのだった。

素材の滋味を素直に味わえる料理を。

鮪と鰹からそれぞれ取った出汁を合わせ、利尻昆布で旨味を調整。蟹の濃厚な味わいを、鯛とホタテのすり身で真薯にした「ワタリガニの真薯」。輪島塗の美しい黒の中にコントラストを演出している。

土方さんが素材と対峙するときに考えるのは、「素直な料理」を届けること。素材の味をそのまま堪能できるような、心と体に優しい料理だ。
そしていい素材を仕入れるためには、まず生産者や漁師のことを心から信頼することが大切だと話す。そしてなにより、彼らがつけた値段に対して、決して文句を言わないことも。
「自信を持って育てた人が自信を持ってつけた価格に、料理人は従うだけ。そうすれば自然といい食材は手に入るんです」。

素材の持ち味をそのまま味わう、味わわせてもらう。
少しも余すところなく料理に使用する。
そのために土方さんは、自身の腕を添えているのだ。

そうして生まれる一皿には、生産者・料理人・客の間で価値が循環する美しい構図がある。
それは「付加価値を足す」のではなく、「素材の本質を伝える」という考え方。経済的な貢献を生み出すことが、生産者にとってよりよい素材作りの礎となり、無駄のない持続可能な食のあり方につながっていくのだ。

平貝、ミルガイ、車海老の前付け。内海(うちうみ)で育った天然の車海老は、まったりとした甘みが特徴。食感の異なる2種類の貝を口に運べば、この一皿に海の恵みが凝縮されているのを感じることができる。

たとえば、土方さんの料理を引き立てる器のひとつに、中村道年の作品がある。
現在五代目を継ぐ中村家は、かつてトヨタ自動車の前身とされる自動車事業「豊田産業」を率いていた歴史を持つ。豊田宗一郎氏と協力し、その自動車部門は豊田自動織機製作所に統合され、やがて世界的企業トヨタグループへと発展していくことになるが、中村道年は、その節目において大きな役割を果たした人物である。

ただ器を愛でるだけでなく、そうした逸話に触れることができるのも、良きものを選び、使い続けたいという土方さんならではの思いがあってこそだ。
時代を超えて受け継がれる想いや手仕事に敬意を払うのは、料理人にできるひとつの持続可能な取り組みであるといえるかもしれない。

随所に感じられる、土方さんの素材への思い。
五感で味わう日本料理の粋を感じてみてはいかがだろうか。

日本料理 𡈽方
460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-11-26
052-971-1110

LEXUS ELECTRIFIED PROGRAM
https://lexus.jp/models/bev/lep/

LEXUS BEV(電気自動車)オーナー様専用サービス。様々な共創パートナーと共に、LEXUSならではのサービスや体験を提供し、オーナー様がBEVとともに過ごす時間を新しく、そして豊かにしていくものです。
その一環としてLEXUS DINING JOURNEYでは、サステナブルな活動を行う全国選りすぐりのレストランに特別なお席をご用意してお待ちしております。

LEXUS DINING JOURNEY
https://lexus.jp/brand/experience/lexus_dining_journey/

text: Sayaka Mitsuda, photo: Tetsuo Ogino

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