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かたや月間MVP、かたやシーズン途中退団…日本ハム新加入助っ人の対照的な一日

SPAIA

フランミル・レイエス,ⒸSPAIA

「9月10日」分かれた明と暗

日本野球機構(NPB)は10日、8月度の『大樹生命月間MVP賞』受賞選手を発表。パ・リーグの投手部門はリバン・モイネロ(ソフトバンク)、打者部門はフランミル・レイエス(日本ハム)と投打ともに外国人選手が受賞した。

レイエスはドミニカ共和国出身の29歳、今季から日本ハムに加入した来日1年目の外野手。8月は23試合の出場でリーグトップの打率.403、出塁率.429、長打率.779をマーク。さらにリーグトップタイの31安打、リーグ2位の8本塁打、リーグ2位タイの23打点を叩き出す大暴れで、月間首位の好成績を残したチームを牽引した。

球団の外国人野手としては、2017年5月度のブランドン・レアード以来となる快挙。こうした喜ばしいニュースの一方で、球団公式サイトでその数個前に掲載された“お知らせ”がプロ野球の世界の厳しさを物語っている。

10日午前に配信された「スティーブンソン選手退団のお知らせ」。レイエスと同じく今季からチームに加入したアンドリュー・スティーブンソンが、シーズン途中で退団となった。

スティーブンソンは米国出身の30歳。メジャーでは通算273試合の出場で目立った実績は残せなかったが、マイナーでは通算183盗塁をマークした俊足外野手で、3Aでシーズン16本塁打・44盗塁を記録するなどパワーとスピードを兼ね備えたリードオフマン候補として期待を受けていた。

「2番・左翼」で開幕スタメンにも名を連ね、3月31日の試合では佐々木朗希から来日初安打(内野安打)をマーク。ところが、その後もなかなか成績は上がらず、4月16日のソフトバンク戦を最後に二軍降格。ファームでは活躍を見せながら、一軍に上がると当たりが止まるを繰り返した。

結局二軍では51試合の出場で打率.327、3本塁打で9盗塁と持ち味を発揮した一方、一軍成績は24試合で打率.161、本塁打0で盗塁も1。先だってすでに帰国していることも報じられていたが、10日に退団が決まった旨が球団から正式に発表された。

這い上がったレイエスと壁を打ち破れなかったスティーブンソン

奇しくも同日に明暗を分ける格好となった2人の新助っ人。とはいえ、今やチームに欠かせない存在となったレイエスも最初から順風満帆だったわけではない。

オープン戦の打率を見ると、スティーブンソンの.286に対してレイエスは.178と大苦戦。開幕後もなかなか調子が上がらず、打率1割台で4月を終えている。

5月13日には一軍登録を抹消され、二軍暮らしの日々がスタートした。それでも、ファームでは17試合の出場で打率.340、4本塁打を記録するなど猛烈にアピール。交流戦最終盤の6月15日から一軍復帰を果たし、22日の楽天戦では3安打の活躍でお立ち台にも登った。

その後の活躍はご存じの通りで、気が付けば18本塁打はチームトップ。かねてから期待を寄せられていたパワーはもちろん、球団新記録となる25試合連続安打をマークするなど、ここぞの場面で頼れる主砲として君臨している。

二軍での経験を糧に這い上がったレイエスと、一軍の壁を打ち破ることができなかったスティーブンソン。2人の異国の地での歩みは、春先に話題を呼んだ新庄剛志監督の「努力は一生、本番は一回、チャンスは一瞬」の言葉を改めて思い起こさせるような対照的な歩みとなった。

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記事:SPAIA編集部

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