『罪人たち』続編計画ナシ ─ 『ブラックパンサー』監督、「シリーズものから離れたかった」
『ブラックパンサー』シリーズのライアン・クーグラー監督、マイケル・B・ジョーダン主演による全米大ヒットホラー映画『罪人たち』が、いよいよ日本での劇場公開を迎えた。
本作は2025年4月に米国公開されるや、興行収入2億7,597万ドル、全世界累計興収3億6,177万ドルという大ヒットを記録。完全オリジナル脚本・R指定作品として歴代屈指の成績となったほか、批評家・観客からも絶大なる支持を獲得。米Rotten Tomatoesでは批評家スコア98%・観客スコア97%もの高評価をたたき出し、映画館の出口調査に基づくCinemaScoreではホラー映画史上初の「A」評価となった。
したがって注目されるのは、『罪人たち』の続編がありうるかどうかだが──監督・脚本のライアン・クーグラーは、米の取材にて「(続編は)まったく考えていません」と言い切っている。
「しばらくフランチャイズ映画の製作に携わっていたので、そこから離れてみたいという思いがありました。自分にとってオリジナルで個人的な作品を作りたい、観客にとってもオリジナルでユニークなものを届けたいという意欲があったんです。」
2015年製作『クリード チャンプを継ぐ男』以来、クーグラーは10年間にわたり大型フランチャイズの世界に身を置いてきた。『クリード』『ブラックパンサー』シリーズをはじめ、偶然のタイミングながら、6月24日にはマーベルドラマ「アイアンハート」(製作総指揮を担当)が配信開始となる。8月には『ブラックパンサー』のスピンオフアニメ「アイズ・オブ・ワカンダ(原題)』もリリース予定だ。
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すなわちクーグラーにとって、『罪人たち』は長編デビュー作『フルートベール駅で』(2013)ぶりの完全オリジナル作品。だからこそ、これをシリーズ化することは言ってしまえば本末転倒なのだろう。
「フルコースの食事のような映画にしたいと考えていました。前菜、メインディッシュ、デザート、すべてが揃っている。包括的で完成された作品にすること、それが私の狙いでした。」
スタッフもクーグラーが絶大なる信頼を置く顔ぶれだ。『ブラックパンサー』チームから音楽のルドウィグ・ゴランソン、撮影監督のオータム・デュラルド・アーカポー、美術デザイナーのハンナ・ビーチラー、衣装デザイナーのルース・E・カーターが再結集。主演はクーグラー作品に欠かせないマイケル・B・ジョーダンが一人二役で務めた。
1930 年代、信仰深いアメリカ南部の田舎町。双子の兄弟スモークとスタックは、かつての故郷で一攫千金の夢を賭けた商売を計画する。それは当時禁じられていた酒や音楽をふるまう、この世の欲望を詰め込んだようなダンスホール。オープン初日の夜、訪問者たちは宴に熱狂するが、そこに招かれざる者たちがやってくる。歓喜は絶望にのまれ、人知を超えた者たちの狂乱が幕を開ける。果たして、一同は夜明けまで生き残ることができるのか?
映画『罪人たち』は2025年6月20日(金)より公開中。渾身の一作、ぜひ劇場で。
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