納豆が農薬代わりに! 家庭菜園がもっと楽しくなる! 病気・害虫・土づくりに効く納豆活用術
農業YouTuber黒壁の「誰でも手軽に家庭菜園」vol.9
YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」を運営する黒壁勇人(くろかべ・はやと)さんが、誰でも気軽に家庭菜園を楽しめる方法をまるっとレクチャーする本連載。第9回のテーマは、「納豆があれば農薬いりません!」。体にいい納豆が、実は野菜づくりにも大活躍!今回は、納豆菌を使った“農薬いらずの菜園ケア”を、黒壁さんがわかりやすく紹介します。
納豆があれば農薬いりません!
せっかくの家庭菜園、できるだけ農薬は使わずに育てたい!
そんなあなたにぜひ知ってほしいのが、“納豆菌”の力。実はこの納豆菌、土壌を元気にしながら、病気の原因菌を抑えてくれる、頼もしい存在なんです。
今回は、自然農法にも通じる「納豆を使った菜園ケア」の基本を、農家目線でわかりやすくご紹介します。知れば知るほど、「納豆、すごい!」って思えるはずですよ。
最強の菌=納豆菌!
健康に良いといわれる納豆。人間の体に良いだけじゃなくて、野菜づくりにも使えるなんて驚きなんじゃないでしょうか?
実は、納豆菌を使って作られている薬剤もあるくらい、納豆菌の力ってすごいんです!
納豆菌は枯草菌という細菌の一種。ほとんどの菌は100℃で死んでしまいますが、納豆菌は違います。マイナス100℃でも平気。 さらに酸にもアルカリにも強い。つまり納豆菌は過酷な環境下でも生き延びる最強の菌なんです!
納豆菌のパワーを家庭菜園で活かすために、「納豆培養液」を作ってみましょう。
納豆菌を使う3つのメリット
① 病気を抑える
納豆菌を病原菌よりも早く植物に定着させることで、病原菌が住む場所や栄養を先に奪ってくれます。これによって、病気の発生をグッと抑えることができるんです。
② 害虫を退治する
虫が納豆菌を食べると、お腹を壊して死んでしまいます。特にアオムシやヨトウムシには効果的!
③ 土をふかふかにする
納豆菌が有機物が分解されてできる粘土物質の働きで小さな土の団子が作られます。これが寄り合って、ふかふかの団粒構造の土ができあがるんです。
納豆培養液の作り方
身近にあるもので、簡単に作れるので、家計にも環境にもやさしく、まさに家庭菜園にぴったり!
▶ 用意するもの
納豆(1パック)
水(カルキを抜いたものが理想)
ペットボトル(2Lサイズ推奨)
砂糖(きび砂糖がオススメ)小さじ1
無調整豆乳 200mL
食品保存袋(混ぜる用)
▶ 作り方(たったの4ステップ!)
STEP 1:材料を混ぜる
食品保存袋に納豆1パック、無調整豆乳200mL、砂糖小さじ1を入れ、納豆を潰しながらよく混ぜます。
分量は目安程度でOK!
STEP 2:ペットボトルに移す
混ぜた液体を、ペットボトルに移し替えます。
STEP 3:水を加える
ペットボトルの半分くらいまで水を入れます(※納豆菌の繁殖には酸素が必要)。
水道水を使う場合は、1日置いてカルキを抜いておくとより効果的です。
STEP 4 :1日1回振って、2~3日放置
暖かい場所で2〜3日置いて発酵させます。
1日1回、ペットボトルのフタを開けて空気を入れてから、軽くシェイクしてください。酸素を与えることで納豆菌が活発に!
納豆培養液の使い方
完成した納豆培養液は、100〜300倍に薄めて使用します。
ペットボトルに取り付けられるスプレー散布機(100円ショップでも購入可)を使うと便利です。
葉に散布する場合
虫は葉の裏側に卵を産みつけることが多いため、葉の裏にもまんべんなくスプレーしましょう。
写真はイチゴですが、100倍以上に希釈しているため、納豆のにおいが作物に残る心配はありません!
土に散布する場合
薄めた培養液をそのまま土にまきましょう。混ぜ込まずに、表面から自然に浸透させるのがポイント。
雨の前日に散布すると効果倍増!雨が菌を地中に届け、土壌の微生物が活性化します。
透明マルチを使うとさらに土壌改良効果が高まりますよ。
その他のポイント
どんな植物にも基本的に使用OK
他の微生物資材と併用しても相性よく、相乗効果も期待できます
線虫(連作障害の原因)にも効果あり!
まとめ:納豆菌で、野菜も土も元気に!
病気を抑え、害虫を退治し、土までふかふかにしてくれる納豆菌は家庭菜園の心強い味方!
納豆培養液は、身近な材料だけで簡単に作れて、環境にも家計にもやさしく、農薬をできるだけ使いたくない方にも、ぴったりのアイテムです。
納豆菌の力を借りて、虫や病気のトラブルを減らして、より楽しい家庭菜園ライフを送りましょう!
写真提供:YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」