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愛猫に見られたら『迷わず受診すべき危険な症状』5つ 見落とし厳禁な危険信号とは?

ねこちゃんホンポ

1.食欲不振が続くとき

猫が突然食べ物に興味を失い、食欲が大幅に低下した状態が継続しているのは危険なサインです。

とくに丸1日食事を拒む場合は、獣医師の診察を受けましょう。

というのも猫は2日以上何も食べない状態が続くと「肝リピドーシス(脂肪肝)」という病気を引き起こす危険があるからです。

肝リピドーシスとは、分解された脂肪が肝臓に蓄積して肝機能障害がおきる病気のことです。肥満の猫によく見られますが、そうでない猫でもリスクはあります。肝リピドーシスは入院治療が必要となるケースもあり、命につながる可能性もあります。

普段は食欲にムラがない猫で、食事変更などのきっかけもないのに突然食べなくなる場合は、何かしら原因があるはずです。食欲不振が続く場合は早急に獣医師に相談するようにしましょう。

2.呼吸が荒い、または異常が見られるとき

猫の呼吸状態は健康状態を判断する重要なポイントです。

呼吸が荒い、息切れが見られる、口を開けて呼吸(パンティング)しているなど、普段と異なる呼吸状態が観察された場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

こういった呼吸の異常は心臓や肺の疾患、気道の障害、神経疾患、さらには中毒など、命に関わる病気の兆候である可能性があります。

猫はよっぽど激しい運動をしない限り、犬のように口を開けて呼吸することはありません。激しい運動の後に口呼吸をしたとしても、一時的なものですぐに落ち着きます。

そのため苦しそうに呼吸しているときは、重大な病気のサインだと疑ってください。

3.嘔吐や下痢が頻発する場合

頻繁な嘔吐や下痢は、猫の何らかのSOSサインです。

単発的な嘔吐や下痢で、食欲・元気に問題がなければ、そこまで心配する必要はありません。しかし嘔吐下痢が2回以上続く場合、頻繁に繰り返される場合、血液が混じっている場合は、緊急性が高まります。

こういった状態は、内臓の異常、腸閉塞、感染症、中毒など、深刻な病気の兆候かもしれません。

なかでも腸閉塞(消化管の内容物が腸に詰まる病気)は、完全に腸が詰まったり腸の一部が引き延ばされたりすると、壊死が起きて腸に穴が開き、命に関わる非常に危険な状態になります。

一見関係がなさそうに感じるかもしれませんが、尿管閉塞や尿道閉塞などの泌尿器疾患でも嘔吐が見られることがあり、これらの疾患も命に関わるため緊急治療が必要です。

また嘔吐と下痢がひどいときは、脱水症状にも注意が必要です。

そのため下痢や嘔吐が頻繁に続く場合は、その日のうちに動物病院を受診してください。

また嘔吐と下痢がひどいときは、脱水症状にも注意が必要です。

4.ぼーっとしている・足元がふらついている

猫が「ぼーっとしている」または「足元がふらついている」といった症状を示す場合、これらもSOSサインのひとつです。

「ぼーっとしている」という状態は、猫が普段よりも無気力で反応が鈍い状態のこと。内臓の病気や感染症、毒物摂取、または筋骨格や神経系の異常など、さまざまな問題を示している可能性があります。

とくに急に活動的でなくなったり、興味を示さなくなったりする場合は注意が必要です。

「足元がふらついている」という症状も危険信号。猫が歩く際にふらついたり、足元が不安定になったりする場合、神経系や筋肉、内耳の問題、低血糖や電解質異常など血液性状の異常が疑われます。

また猫の歩き方に変化が見られる場合も、他の健康問題の兆候である可能性が高いです。

5.震えやけいれん

猫に「震えやけいれん」といった症状が見られた場合は、迅速に動物病院で診察をうけましょう。

猫が突然震え始めた場合、体温の低下(低体温症)や中毒、または感染症が関与している可能性があります。

特に寒くないのに震えが長時間続く、または他の症状(食欲不振、元気がないなど)を伴う場合は、緊急の対応が必要です。

一方けいれん(痙攣)は猫が意識を失ったり、自分の体をコントロールできずにガクガクと動いてしまう状態で、脳の異常、てんかん、脳腫瘍、または重篤な代謝障害などが原因で起こることがあります。

けいれんの発作が初めて起こった場合や、頻繁に発生する場合は、早めに獣医師の診察を受けてください。

また発作中に猫を刺激しないようにし、周囲の安全を確保することも大切です。

まとめ

猫の健康を守るためには、日々の観察と細やかなケアが欠かせません。

今回紹介した危険な症状は、いずれも早期に対応することで治療の可能性が高まるものばかりです。

愛猫の様子に少しでも異変を感じた場合は、自己判断せず獣医師に相談することをお勧めします。

猫は自分の不調を言葉で伝えることができませんが、飼い主がそのサインを見逃さず、適切な対応をすることで、愛猫の命を守ることができるでしょう。


(獣医師監修:唐野智美)

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