いつもの「肉じゃが」が格段においしくなる“下ごしらえ”「お店で食べる味みたい…!」
YouTubeでさまざまな料理の技を紹介する動画が大人気の岩野上幸生さんによる、プロのテクニックを使ったレシピシリーズ。今回ご紹介するのは、「肉じゃが」です。家庭料理として食卓に並ぶことも多いおかずのひとつではないでしょうか。さっそく紹介しますね。
教えてくれたのは……岩野上 幸生(いわのうえ こうせい)さん
料理人歴21年、15年間飲食店経営をしながら企業コンサルティングや料理の技術指導などを行っています。YouTube(飲食店独立学校 /こうせい校長)で、ちょっとした工夫で役立つ料理方法など発信中。著書『プロのコツでいつものごはんが100倍おいしくなるレシピ』(KADOKAWA)。
肉じゃがの作り方
子どもからも大人からも人気の定番料理、肉じゃが。筆者は煮込みすぎてじゃがいもが崩れてしまうことも多々ありました。こうせいさん考案のレシピは、もう普通の肉じゃがには戻れない、自信作のレシピ。ではその作り方を見ていきましょう。
材料
・じゃがいも 900g
・人参 300g
・玉ねぎ 100g
・糸こんにゃく 180g
・牛バラ肉(薄切り) 300g
〜おつゆ〜
・料理酒 135g
・ザラメ 115g
・濃口醤油 185g
・合わせ出汁 1L
〜合わせ出汁〜
・水 1L
・昆布 10g
・煮干し 20g
〜あしらい〜
・絹さや 12枚
・水 1L
・塩 10g
1. 合わせ出汁を作る
容器に昆布と煮干し、水を入れ、冷蔵庫で1日寝かせます。
1日経ったら鍋に移して火を通します。
沸騰直前で昆布を取り出します。
弱火にして5分程煮ます。
アクを取り除きます。
時間になったら火を止めて、ザルの中にキッチンペーパーなどを敷いて濾します。
合わせ出汁の完成です。
2. じゃがいもとにんじんの下処理
蒸し器を用意し、野菜を洗います。
蒸し器に野菜を入れ、蒸します。今回のポイントのひとつは、煮る前に蒸すこと。煮崩れ防止にもなり、見た目も美しく仕上がります。沸騰したら中火にします。
蒸している間に玉ねぎをくし形切りに切ります。
3. 牛肉と玉ねぎを炒める
牛バラ肉をあらかじめほぐしておきます。フライパンに油(分量外)を入れて、焼き目を付けて牛肉を焼きます。
牛肉がまだ赤いうちに玉ねぎを入れてさっと炒めます。
料理酒を入れてアルコールを飛ばします。
牛肉の赤い部分がなくなったらバットに取り出します。この時点で玉ねぎの火の入り方は5割くらいで大丈夫です。
4. 煮込む準備
玉ねぎと出汁を鍋に移します。
調味料を入れます。
蒸していたじゃがいもとにんじんに火が通ったか確認します。金串などで、すっと串が入るようになったらOKです。火の入りが不十分なら更に蒸します。
粗熱が取れたら牛肉を冷蔵庫に入れます。
しっかり蒸せたらバットに取り出します。
5. じゃがいもとにんじんの皮をむき、切る
じゃがいもとにんじんの皮をむきます。じゃがいもは熱いうちに皮をむくとむきやすくなります。にんじんは半分に切ってからむくとむきやすくなります。
少し大きめに切り、15分くらい乾燥させます。野菜の表面を乾燥させることによって煮汁の吸収率が増し、旨みをたくさん含んだ肉じゃがに仕上がります。
6. 煮汁にじゃがいもとにんじんを入れ、味を含ませる
煮汁にじゃがいも、にんじんの順番で入れ、火にかけます。アクを取り、火を止めます。
ボウルやタッパーに移し、キッチンペーパーを上から被せて粗熱を取ります。
粗熱が取れたらラップをして、冷蔵庫で1日寝かせます。
7. しらたきと絹さやの下処理
しらたきを洗い、カットします。
絹さやを洗い、筋を取ります。
しらたきを5分間下ゆでします。ゆでたらザルにあげて洗い、絞ります。
絹さやをゆでます。氷水とザルを用意しておきます。鍋に水と塩を入れ、沸騰したら1分間ゆでます。時間になったら取り出して、素早く冷やします。
8. 仕上げる
1日寝かせた煮物を鍋に入れて温めます。
しらたきを分散して入れて火をつけます。温めている間に煮詰まったら、100mlくらいの水を足します。沸騰したらアクを取ります。
仕上がり直前に牛肉を入れます。事前に牛肉の旨みを出汁に移しておくことによって他の食材に牛肉の旨みを移すことができますし、直前に入れることによってかたくなりすぎず、ジューシーに仕上げることができます。
全体に火が通り、器に盛り付けたら完成です。
じゃがいもとにんじんは初めに蒸しているので、甘味も増し、味がしっかり染み込んでいます。下ごしらえをしっかりするといつもと格段に違う肉じゃがが完成します。気になった方はぜひ作ってみてくださいね。
詳しくはこちらの動画で!
kurihaku/ライター